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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第1部
3/164

第3話「関西弁ゲーム」

「助けて、東野くん」

「まだゲームは終わってへんよ、冬彦くん」

「二人して、何をやってたんや?」

「関西弁で喋らないと、ペナルティーを課すって言うんだ」

「埼玉から転校してきて、もう七年になるんやから、ええ加減、関西弁で喋りぃや」

「そうやなぁ」

「東野くんも、南方さんの味方なのかい?」

「よっしゃ。これで二対一やな」

「いやいや。俺は審判をするだけや。参加はせぇへんよ。それに、今のルールだけやったら冬彦が不利やから、もう一つルールを付け足さんと」

「何?」

「公平に頼むで」

「南方。お前は冬彦と逆で、関西弁を喋ったらペナルティや」

「そんなん、無茶やわ」

「はい、一ペナ」

「そんな、殺生な」


「ほんで、どっちが勝ったん?」

「それから五分ぐらい、どっちも喋らんようになってしもうてな。結局、ゲームはお流れにしたんや」

「あのお喋りな夏海ちゃんが無口になるなんて、よっぽど堪えたんやろうね」

「喋ったら最後、うっかり関西弁を使うてまうと思うて、必死に我慢してる姿は、傍で見てる分には、なかなか愉快やったよ」

「春樹くんも、悪趣味やわぁ」

「趣味が悪いんは、南方やろ?」

「そうやろか?」

「自業自得やん。他人にからかわれとうなかったら、他人をからこうたらあかん」

「己の欲せざるところ、他人に施す勿れ」

「その通りや」

「でも、このままやったら春樹くんの不戦勝やん。それじゃ、夏海ちゃんの気が済まへんやろうし、ここはうちらも、今から関西弁禁止な」

「何を言い出すねん」

「はい、一ペナ」

「そう言えば、何とはなしに眠なってきたわ」

「二ペナ。寝ても良いけど、寝言もカウントするからね」

「堪忍してぇ」

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