表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第2部
139/164

第39話「プール・サイド」

「会長。日焼け止めに、エス・ピー・エフとか、ピー・エーとかってあるけど、あれってどういう意味なんか知っとる?」

「ええ質問やな、書記さん。今日は誰かに、絶対その質問をされると思うて、ちゃんと調べてたんや。エス・ピー・エフは、サン・プロテクション・ファクターの略で、主にシミやそばかすの原因になる、紫外線ビー波の防止効果を表す目安の数値なんや。紫外線が当り出してから、日焼けしてしまうまでの時間を、数字の倍数だけ遅らせるっていう意味やねん」

「ふぅん。ほんで、ピー・エーは?」

「プロテクション・グレイド・オブ・ユー・ブイ・エーの略で、主にシワやたるみの原因になる、紫外線エー波の防止効果を表す目安の数値なんや。プラスが多いほど、効果が高いとされとるよ」

「何やら、化粧品会社の回し者みたいやね」

「うち、日焼け止めを塗っておかへんと、すぐに炎症を起こしてしもうて、赤いポツポツが出てくるのんよねぇ」

「紅斑が出やすい体質なんやろうなぁ。それは、ともかく。何で、もう入らへん俺らが、プール掃除をせなあかんのやろう。そう思わへん、部長さん?」

「そうやね、中之島くん。炭酸飲料のシー・エムみたいな爽やかさとは、えらい掛け離れた惨劇ぶりやわぁ」

「あたしも、まさか、これほど酷いとは思わへんかったわ」

「魚崎先生が、捨ててもええ、動きやすい格好で参加することって言うてた意味が、よぅ分かるわ」

「結局、みんな中学時代のジャージに落ち着くんやね」

「よそに着て行かれへんし、そうかと言うて、学校名が入ってるから、簡単にほかされへんからねぇ」

「白蘭会は、白地に緑ラインなんやな」

「国立大付属は、紺地に赤ラインなんやね」

「国立大付属のような進学校でも、白蘭会のようなお嬢様学校でも、体育の授業はあるんやね」

「そら、そうやって。あっちに居る、赤地に紺ラインは楠池で、緑地に白ラインは楠川か」

「ほんで、楠浜は鼠地に黒ライン、と」

「向こうの委員長とか、桃谷とかも同じ格好をしてるけど、墓石か、板蒟蒻が歩いてるみたいやろう?」

「否定は、せぇへん」

「デッキ・ブラシに頬杖付いて、日陰でお喋りばっかりしてへんと、手を動かしや。それやったら、いつまで経っても終わらへんよ?」

「注意されてしもうたな」

「よぅ、通る声やね」

「天然拡声器やね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ