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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第2部
132/164

第32話「特ダネのニオイ」

「叩いて、かぶって」

「ジャンケン、ホイ」

「それっ」

「おっと。セーフ」

「何をやってるのんよ?」

「見て、わからへんか、部長さん」

「そうやなくて、何で生徒会室でやってるのんかってことよ。ハリセンと安全ヘルメットなんて、どこにあったのんやら」

「生徒会室は、何でも屋やから。あたしに用事?」

「瑠璃ちゃんでも、中之島くんでもええんやけど、出屋敷先生がプリントを折るのを手伝うて欲しいらしくって。誰か一組の生徒を連れてくるように、言われてるのんよ」

「そういうことやったら、一緒に三人で行こう。な、会長?」

「書記さんの言う通り」

「助かるわ。ほんなら、物理教室に」


「悪かったね、急に手伝わせて。お礼に購買で、何か飲み物を奢るわ」

「ええんですか?」

「やったね」

「おおきに、出屋敷先生」

「僕たち」

「私たちは」

「出屋敷先生を忘れません」

「それは、卒業式の言葉と違うか? まぁ、ええわ。好きに選び。小林さん」

「いらっしゃいませ。また、生徒に集られたんですか、出屋敷先生?」

「違いますよ。仕事を手伝わせてしまったので、そのお礼に」


「幕の内と小林さんって、付き合うてるのんやろうか?」

「仲が良さそうやったよね」

「妙に、親密な雰囲気やったね。中之島くん、これはスクープになるのんと違う?」

「久々に、記者倶楽部が活躍できそうやな。ちょっと、探ってみようかな」

「面白そうやね」

「朱雀くんも、副長らしいことしてへんかったから、ちょうどええやろうね」

「鉄は熱いうちに打て、や。ここで失礼するわ。さいなら」

「さいなら、会長」

「さいなら、中之島くん」


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