表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第2部
107/164

第7話「対人ロボット」

「ラジオ体操、第一も第二も完璧にできる?」

「南方。俺の親が、何の仕事をしてるか知ってて聞いてるのんか?」

「郵便局員やんね、たしか。それが、どないしたんよ?」

「簡保のサイトを開いてみぃ。ちゃんと、図解付きで載っとるわ」


「鳳さん、こんにちは。ご契約内容の確認に伺いました」

「簡保の東野さんやね。相変わらず、汚いところですが、どうぞ、どうぞ」

「お邪魔します」


「どっちも、十三の動きで成り立ってるんやね」

「知名度が高い割には、全部、正しい動きでできる人は、ほんの一部やな」

「特に、第二は、間違えて覚えてる人が多いと思うわ」


「ヒロシさんに、もしものことがあったとしましても、華梨那さんは、十七歳の満期に学資保険を受け取れますし、もし、入院して働けなくなった場合にも、こちらの入院保険をお受け取りいただける訳です」

「もし、満期前に死んだ場合は、どうなるんでしたっけ?」

「仮に、ご契約者さまが亡くなられた場合は、以後の保険料はいただきません。その上、保証内容は、変わりありません」

「なるほど。そういえば、東野さんところの上の息子さんは、大学生になったそうやね。法学部に進んだとか、芙美子が言うておったが。あれかね。弁護士か、検察官か、裁判官でも目指してるのかね?」

「どうでしょう? この頃は、顔を合わせても、会話らしい会話をしてないもので。話を戻しますが……」


「法学部って、六法全書を全部覚えてるものなん?」

「それは、誤解や。もちろん、大事な部分は一々調べなくても、そらで言えるくらいになっとかなあかんけど、どっちかと言うたら、過去の判例や、教授の法解釈を聞いて、自分はどう考えるかってことを、筋道立てて、説得力ある文章として説明できるかってことに、重点が置かれとる」

「暗記だけでは、あかんのやね?」

「ただ、何も考えずにインプットして、それを、そのまんまアウトプットするだけやったら、人間やなくて、機械でもできるからな」


「ご説明は、以上です。今日は、どうもありがとうございました」

「ご苦労さん。簡保の仕事は、忙しいのかね?」

「おかげさまで」

「それは、結構やけどね。少しは、文字を追わずに話す時間を取るべきやと思うよ。まぁ、こういうことを、偉そうに言えた口ではないけどね」

「以後、気をつけます。それでは、失礼します」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ