小鳥の夢
それは、私の弟がまだ、生きていた頃の話です。
私の弟は、誰からも好かれるいい子でした。
しかし、弟は・・弟は、精神を病んで、自殺してしまいました・・。
弟は、いじめにあっていました。
でも、誰にも話しませんでした。
私にはもちろん、両親にも・・。
我慢に我慢を重ねた末、自殺してしまったのです・・。
弟、8歳、小学校2年生━━。
いつも、私が学校から帰ると、弟は、泣いていた。
どうしたの?と声をかけてみた。
でも、弟は泣きじゃくっているばかり。
(またいじめられた。)弟はしゃくりあげながら一生懸命に訴えていた。
あの頃のいじめは、仲間はずれ・・
子供のいじめはそれだけではすまなかった・・。
やがて、弟も中学に上がった。
弟は、その頃から、自傷行為を繰り返すようになっていた。
怖かった。弟は、そのうちに、リストカットをして、吹き出る血液を見て笑うのだ。
高笑いにも聞こえるような、辛さと苦しみの笑い。
もう、誰も彼を止められなかった。
母と父も弟を怖がった。
そういえば、弟が狂ってしまったとき、私に反抗したのを鮮明に覚えている。
弟は・・私にカッターを向けて走ってきたのだ・・。
しかし、私は不思議と、怖くはなかった。
私は、両手を広げて、弟を迎えた。
弟は、奇声を発したかと思うと、『お姉ちゃん・・お姉ちゃん・・』と泣きじゃくってカッターを捨てた
そして・・・弟は、中学2年が終わるか終わらないかくらいに、自殺しました。
遺書はありませんでした。
でも、詩を書いた紙が一枚ありました。
これは私の宝物です。
小鳥の夢
篭の小鳥は空をみる
篭の小鳥は夢をみる
ボクは大空飛び回る、あの雀になりたくて
あの自由がほしかった。
いじめなんてないあの空に全てを託したはずだった。。。
あとがき
Rinaです。
これは、私の弟についてをちょっと書いたものです。
弟はいじめで精神を病んで、自殺しました。
私は弟の痛みが今になってようやく理解できました
『姉失格』確かに近所の人にそういわれました。
でも、弟が亡くなった事は消して無意味ではありません。
いじめをなくせとは言いません。
でも、少し・・ほんの少しでいいから、人を思いやってみませんか・・?
それだけで、一つの命を失わずに済むのだから・・・




