第九話 お隣さん
私は、ミカエル。ホープ様のお使いの天使。
ホープ様は、手紙を見せたら、案の定、生命コンテストの準備で地球に行っちゃった。
私も、早速、お隣さんにお引越しのご挨拶しに行こっと。
ご挨拶用の品を用意して、お隣さんの家に向かう。玄関でベルを鳴らし、声をかけた。
「こんにちは!隣に越してきたミカエルです!」
しばらく待っていると、「はい」と声がしてお使いの天使が玄関先に出てきた。
でも、私の姿は見えていないのかしら…?よく見ると天使ではなくお人形のようだ。
私はすぐに、人や人形、機械に見えるように体の構成を変えた。
「こんにちは!お隣に引っ越してきたミカエルです。
本当は私の神様、ホープ様もつれてきたかったんですけど、今、生命コンテストの準備でこれなくて…。
また、今度一緒にきますね」
「私はミレイユ。ちょうど今、うちの神様、レグルスさんっていうんだけど…、仕事で出ちゃって…」
「あっ、そうなんですね。これからお隣さん同士、よろしくお願いします!
それと、よかったら、これどうぞ」
「あら、ありがとう!こちらこそ、よろしくね」
「では、また今度!」
私は、ご挨拶用の品を渡し、家に帰ってきた。
家に着くと、お隣の天使が人形だった事が気になってきた…。
この世界は、様々な物質で構成されている。
①同じ性質どうし集まり、違う性質をはじく物質。
②違う性質どうし集まり、同じ性質どうしはじく物質。
③①②の物質に全く反応しない物質。
④物質とは全く関係のない流れ。
これらすべて、神や天使であれば視認できるが、人や人形、機械などは③と④は視認できない。
神の体は、③に該当し、人形からはそのままだと視認されない。だからミレイユさんは、初め、私を認識していなかった。
「最近は、天使を人形で代用するのが、流行だったりするのかしら…?」
私は家のモニターで調べてみた。
このモニターはとても便利で、星の観察にも使えるし、必要な情報を取得するときにも使える最新機械。
調べてみると、天界で思念体が大量発生した事件が起きていたらしい。
思念体っていうのは③に該当し、人や機械、人形からは見えず、人や神様の思考を乗っ取りながら増えていく生命体。
そんな生命体が天界で大量発生?とても危険な状況だったんじゃないかしら…?
そしてその事件の時に体が人形になってしまった神様が、天界には少しだけどいるらしい。
ミレイユさんは、それで人形になっちゃったのね…。本人は人形にされていることすら気付いてない雰囲気だった…。
さらに調べても、天使を人形で代用するなんて流行はないみたいで、私は少し安心した。
天界で思念体が大量発生か…。
そういえば、私たちも大量発生した思念体に焦っていた時期があったな…。
一通り用事が一段落し、落ち着いたので、私は地球の様子を見ることにした。
小説を読むことが大好きな私は、地球の小説サイトを見るのが、最近の暇つぶしの一つ。
私は、早速、「私の神様、実はできる男!」というタイトルの小説を読みはじめた。
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