第三十五話 精霊ルミエルの指導
悪魔の子フィリカとドラゴンは長い間戦っていた。
フィリカも頑張っている。でもドラゴンとその力を最大限に引き出す精霊の前に、徐々に疲れを見せていた。
悪魔はもともと強い体を乗っ取ってこそ、本来の強さを発揮できるのだ。
強い体を乗っ取らずにここまで善戦したフィリカは、まだ子供でありながら、素晴らしい才能を持っていると考えていい。
ただ、精霊とドラゴンの相性が良すぎた…。途中からルミエルは、手加減をしている…。
「そろそろやめましょうか。これ以上戦っても強くはなれないわ」
ルミエルの言葉に、フィリカは一息つき、横になった。
ルミエルは大の字で倒れているフィリカに近づいてさらに声をかけた。
「生命の持つ底力、わかった?」
「うん。強かった。僕も、もっと強くなりたい…」
「それなら、もっと、生命を観察する事ね。強さにはもっといろいろな強さがある。
強さは戦うだけじゃない。時には隠れたり逃げたりする生き物だっている。
結果、生命たちはそうやって時の進化に生き残ってきたの」
「ふ~ん。わかった。僕、もっと強くなりたい。生命体の強化の方法教えて」
フィリカは、まだ子供のようだ…。ルミエルはちょっと困った顔をして話し始める。
「まだ、わかっていないようね…。でもまあいいか。教えてあげる」
ルミエルはフィリカに、生命体の力を強化する精霊術の初歩を教えた。
「ドラゴンさんも、しばらく戦ってもらうことになりそうだけどいいかしら?」
ドラゴンは、咆哮をあげ頷いた。このドラゴンも戦うのが楽しくなってきているみたい…。
フィリカとドラゴンは、早速、戦い始めた。
「子供は種族に限らず、回復が早いのね…」
私たちは戦いを横目に、他の生命体を解放することにした。
ルミエルが合成獣を分離し、私とホープ様、メモリナで回復する。
奴隷扱いを受けていた人々も解放した。
少しすると、レグルスさんたちも現れた。
「また、助けられたみたいだね。いつもありがとう。あとは我々で対応するよ」
今いる生命体を元の星へ戻したりしてくれるみたい。
私たちは、家に帰ることにした。
時々ホープ様は視野が狭くなる。
大きい生命体の展示の変化、相手の天界に対する知識の薄さ、周到さも足りていない、少し落ち着いて考えれば、一連の事件、かなりおかしいって気づくと思うな。
「でも、そこがホープ様の、お茶目でかわいいところよね」私はつぶやいた。
その後、強いドラゴンと悪魔が人をまとめる不思議な星が誕生することになる。
悪魔は、生命体全てに一定の理解を持ち優しく接する。
人々は、勝手に呼び出し馬鹿にしたことを深く反省し、呼び出した悪魔を国の中心と据える。
悪魔は、人々から知恵と食料を分けてもらい、人々はそんな悪魔を星を見守る神として丁寧に扱う。
悪魔を神とするそんな不思議な国は、また別のお話。
第五章 全面対決 完
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