第三十三話 ルミエルの反撃
ルミエルは笑みを浮かべながら、話し始めた。
「なかなかやるじゃない…。まあまあといったところね…。ちなみにあなたは、このキメラに勝てるのかしら?」
「当然であろう。我は魔王であるぞ」
「ちょっと試してもらってもいいかしら?それとも勝てないのかしら?」
「そうだな、我の作った完成系の合成獣、我自身で試すのも面白かろう」
ヴァルグレアは合成獣と戦い始める。
合成獣は、善戦するも魔王には届かないようだ。攻撃してもダメージを与えられず、魔王の攻撃に徐々に弱っていった。
「これぐらいでよいかな?」魔王は余裕の表情を浮かべている。
ルミエルは合成獣に近づいて、話しかける。
「ごめんね。痛いよね…。でももう少しだけ頑張って…。そうしたら元に戻してあげるから…」
ルミエルは精霊の力を使って、合成獣を回復し、そして強化する。
「私は、精霊。私の能力は、生命体の強化がもっとも得意なの。私が強化した生命体でも勝てるかしら?」
強化された合成獣は回復し、再度、ヴァルグレアに向かって行く。
合成獣は、先ほどより、はっきりと強くなっている。それに合わせて魔王も強い魔力を解放している。
余裕のあったさっきの戦いとは違い、少しずつ魔王の余裕が失われているように見える。
だが、やはり魔王には勝てない。というよりも、合成獣の体自体が崩れ始めた…。
無理やりな合成で作られたつぎはぎの体が、精霊による強化に耐えられなかったみたいだ。
「やっぱり、合成ではだめね」ルミエルはそう言って、会話の流れで自然と合成獣を分離していく。
ドラゴンの体を分離し、回復強化して、声をかける。
「もう少しだけ頑張って」
ルミエルはドラゴンの肩にのり、ドラゴンと一緒になってヴァルグレアと戦い始めた。
その間に、私とホープ様がオルディアの体を保護した。
ほぼ互角の戦いのようだ。
長い間、戦っていた。
「あれ?魔王が小さくなっていない?」ホープ様は私に話しかけた。私はにっこりして頷いた。
確かに、元はいかつい体をしていた魔王が、今は子供の姿をしているように見える。
ルミエルが、魔王に話しかける。
「あまり進化の過程で生き残った生命を馬鹿にしない事ね。
合成なんかしなくても、精霊の力でここまで強くなれる。
あなたもなかなか強いじゃない。名前はなんていうの?」
「僕は、フィリカ。悪魔のフィリカ」フィリカは答えた。
ホープ様は驚いた表情でこっちを見ている。
「えっ…。もしかして、悪魔の子供だったってこと?みんな気づいていたの?」
私は、頷いて答えた。
「本物の魔王にしては、今までの行動が幼稚すぎます…。それにそれほど大きな魔力は感じられませんでした…」
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