第三十話 星の様子
ホープ様は魔王という響きに少しおびえているし、ルミエルはやる気満々で夢中になっちゃってるし、ここからは、私、ミカエルが話を続けましょう。
カードに記載された3つの数字を調べると、やはり宇宙の座標のようだった。
天界を基準にx座標、y座標、z座標で位置を示すのが、天界の決まりだ。
モニターでその座標を確認すると、その座標に確かに星は存在した。
私は、ホープ様、メモリナ、ルミエルを連れて、その座標にテレポートした。
目の前には、少し小さめの星がある。
その星は、遠目から見た感じ、少し荒廃しているようだ。
文明が失われてしばらく経過しているかのように見える。
星を周囲から観察していると、大きな城をみつけた。
荒れた周囲の様子とは違い、この城一つ、文明の存在を示している。
とても大きく壮大な城ではあったが、細かい部分は少し雑な印象を受ける。
なんというか少しのっぺりしている気がする…。
星にはこの城が一つだけ。間違いなくこの中に私たちを招待した主がいる。
私たちは、そう確信し、城の正門の前に降り立った。
「我が城へようこそ」
皆の意識の中に、ヴァルグレアの声が鳴り響く。
「神々の体、返してもらうわよ」ホープ様が城に向かって叫ぶ。
仲間全員で来たことが、少し勇気につながっているのかもしれない。
城の正門が静かに開き、中庭へ誘導される。
外とは違い手の行き届いたきれいな庭だ。
中央には噴水、その周囲には色とりどりの花が咲く花壇がある。
さらにその外側には、畑も兼ねた植物園のようだ。
そろそろ収穫直前なのか、多くの果実が実っている。
城の雑な作りとは一味違う…。築城と庭の管理は、別人なのかもしれない…。
もし別件でこの城に訪れていたら、もう少し周囲を観察していたかったが、残念だ。そういうわけにはいかない。
私たちは、ゆっくり歩き、城門に近づいていく。
ホープ様は、城門だけをみつめ歩いている。周囲に気を遣うゆとりはないみたい。まだ緊張しているのかな…。
反対にルミエルは、まわりの花の様子を見ながら、手をホープ様の後ろに添えて、ホープ様についていく。
メモリナと私は、さらに後ろからその様子を見守りながら歩いていた。
城門の前にたどり着く。
城門が厳かに自動で開いていく。
「もう、引き返せない。さぁ、行くわよ」ホープ様は自分を鼓舞するかのように言い聞かせて歩き出した。
私たちも続いて城の中へ入っていった。
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