第二十八話 ジェノヴァ宅
私は今、ホープと一緒に、ジェノヴァからもらった名刺に記載された場所に向かっている。
ミカエルとメモリナは後から来る手はずだ。
名刺を見ると、ここを示しているようだ。
大きな生命体のコレクションが可能なくらい、とても広い建物。
そして、威厳を示すかのように広さを強調しているように見えた。
私は、玄関でベルを鳴らし、声をかけた。
「こんにちは。昨日名刺をいただいたルミエルです」
玄関が自動で開く。私とホープは誘われるように入っていく。
ホープは少し不安を感じているみたい。
ただ、小さい体の私に不安を見せないように強がっているようにも見える。
入っていくと、広い展示場だった。倉庫を改造してとてもきれいに優雅にした空間。
檻がいくつもあり、大きなライオンやマンモス、恐竜がいた。
おそらく、時間が戻る前に展示されていた生命体のようだ。
小説の通り、ライオンは、実在の生命体より3倍程度大きい気がする。
ジェノヴァが奥の部屋から姿を現す。
「私のコレクションはいかがかね?」
「とても大きい生命体が好きなのね」
「もちろんだ。とても生命力のあふれた星では、生存競争のため生命は大きく成長する。
すなわち、大きさとは強さ、強さとは大きさなのだ。これほど成長した個体、素晴らしいではないか」
ミカエルとメモリナが遅れて展示場に入ってきた。
私にそっと耳打ちする。計画通りに進んでいるらしい。
「君たちも私の展示を見に来たのかね。どうぞゆっくり見ていくがいい」
ブルッ、ブルルルルルッ、ブルルルルルッ。
ミカエルはポケットから無線機を取り出した。その無線機が応答を要求している。
「はい、ミカエルです」
「ジェノヴァはいるか」
「少々お待ちください」
「ジェノヴァさんへの無線のようです」ミカエルは、ジェノヴァに無線機を投げた。
無線機はきれいな放物線を描き、ジェノヴァの手に収まった。
不思議がっていたが、ジェノヴァは、無線機の声に応答した。
「私が、ジェノヴァだ」
「すまないが、私には権限がない。天界の時間を戻すことはできない」
「何の話だ?」
「さっき依頼してきただろう…」
「何の話だ?私はまだそんな依頼はだしてないぞ」
ミカエルは肩の小鳥をなでながら、笑顔でジェノヴァに話しかけた。
「ヴェルティアさんに天界の時間戻しを命令したのは、ジェノヴァさんあなたのようですね。
声で時間を戻すように洗脳でもかけていましたか?この小鳥さんでも命令を出すことができたみたいです」
昨日、生命コンテストで買った「声真似の上手な生命体」の小鳥がしゃべりだす。
「時間を巻き戻せ…。生命コンテストの前の日に戻せ…」
ジェノヴァの声にそっくりだ。しかも話す内容を指定すると、話すときの雰囲気まで想定して話しだすみたい…。
ホープが笑顔で話し始める。
「天界の時間を戻そうとしてももう無駄よ。ノエリアさんにお願いして、時間戻しは再度封印してもらったんだから」
「なるほど。少し天界の時間戻しを使いすぎたようだな…。警戒されていたというわけか…。
しかし、君たちだけで十分かな」
ジェノヴァは不敵に笑い始めた。
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