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天界に異変が起きてます  作者: よむよみ
第三章

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第二十二話 生命コンテストとメモリナ

今日は一日中、神の力を検知するタブレットを手にしていたが、大きな力は検知せず、生命コンテストは終わった。

私は、記憶装置に格納された今日の映像データを解析しながら、投稿用の文章を書いている。


「あっ、ミカエル!」

「あっ。メモリナ、待ってたわよー。ホープ様とルミエルは今、先に展示まわっているところ。

新聞、問題なさそうだった?」

「あぁ。届いた神界光記、確認したけど何も問題はなかった」

「シンカイコウキ?」ミカエルが疑問符を浮かべた。

「あっ、いやいや天界新聞の事」天界新聞の事を神界光記と認識しているのは自分だけのようだ。当たり前か…。

「ふぅーん…」ミカエルはまだ納得いっていないようだ。


「あっ、メモリナ!」ホープとルミエルが戻ってきた。

「新聞どうだった?」

「あぁ、特に問題なかった」

「よかった!じゃぁ、私たち展示番するから、あなたたち見てきなよ。結構、楽しいよ!」

「はい!では、行ってきます。メモリナも早くいこ!」

ミカエルが私の手を強く引っ張る。とても楽しみにしていたようだ。

いつもより、はしゃいでいるように見える。


やはり、記事にもなっていた3つの展示に人気が集中しているみたい。

昨日の記事を思い出しながら見ると、より感慨深く感じられる。


でも、一番気になった展示は、他にあった…。科学技術班のジェノヴァの展示。

展示の中で一番大きい生命体の展示、今回は、恐竜だった。

他の展示は、過去の投稿と全く同じだった中、一つだけ、全く違う展示をしていると大きな違和感を感じる。


なぜだろう…。私は、少し理由を考えてみた。


一つ目は、バタフライエフェクト。少しの差異が大きな違いを生んでしまう現象。

考えられなくはないが、ライオンが恐竜に変わるだろうか…。

もう一つは、生命体を探す星自体が変わったってこと。

生命コンテストの直前に一番大きい個体を探していたが、星自体がだいぶ変化していたため、一番大きい個体が変わったってことだ。

天界とそれ以外の星では時間の流れが大きく違う。天界では5日程度でも、星では一万年経過していることもありえる。

星で一番大きい個体がライオンだったのが、一万年後に恐竜に変わっていても全くおかしくない…。

「一応、あり得るか…」ミカエルがつぶやいている。どうやら同じことを考えていたみたいだ。


その後は、ミカエルは生命コンテストを思いっきり楽しんでいた。昨日までの真面目な雰囲気はどこにもない。

ミカエルは緊張から解き放たれたかのように、無邪気な顔で楽しんでいる。

以前投稿されていた、ミカエルの投稿では、もっと控えめな記載だったように思う。

もしかしたら、私は姉のように信用されているという事かもしれない。

おそらく、明日からも打ち合わせばかり…。今日ぐらいいいのだろう。私も、全力で付き合ってみよう。


「あー。楽しかった!」家に戻ってきても、ミカエルは顔が緩みっぱなしだった。

いつもと違うミカエルの様子につられて、ホープやルミエルも笑っている。

唐突に、執務室に置いてあったタブレットから呼び出し音が鳴る。

ミカエルは急に真顔になって打ち合わせに参加する。

急な変化にホープやルミエルは若干戸惑うも、日常に戻っていった。


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