第二十話 天界新聞
引っ越し前はとっていなかった新聞だが、天界の中央区画付近に引っ越した事もあり、
天界の事をよく知っておいた方がいいと考え、ホープたちは新聞をとることにしたらしい。
天界新聞は天界で唯一の新聞である。
異論・反論があるならば、自分で記事をつくりこの新聞に載せればいい。
職の自由が完全に保たれている天界だからこそ“天界で唯一”の新聞なのかもしれない。
もちろん、自らの神の力で生活が十分満たされている天界では、競争という概念はとても薄いということもあるだろう。
天界新聞は、新聞自体がとても不思議だ。
この新聞は神の力で作られており、家の全員が読み終わったり、期限が過ぎた場合、光の玉となって生産場所へ戻っていく。
ホープもミカエルも自然に受け入れているが、機械である私にはとても不思議な事だった。
今日は投稿していたこともあり、私が最後だったようだ。まさか、ルミエルも新聞を読んでいるとは思っていなかったな…。
勝手に消えるなんて不便だなんて心配も不要なようだ。新聞を構成する文字も当然神の力でできており、記憶に残る工夫がされているみたいだ。
消えた新聞を一言一句、間違えずに思い出すことができる。
もちろん、機械である私は映像データが残っているため、そんな機能がなくても思い出すことはできる。
天界の建物とは違い、天界新聞はとても高性能に作られていると感じる。
投稿するために、天界新聞に書かれた内容を思い出す。
今日は生命コンテストの前日であることもあり、生命コンテストの内容でほぼ埋め尽くされている。
当日の内容や、おすすめの場所、効率のいい巡り方など、とても熱の入った記事だった。
記事によると、おすすめは、「時間の流れに無関係な生命体」、「相手の希望する姿かたちに変わる生命体」、「声真似の上手な生命体」の3つみたいだ。
時間の流れに無関係な生命体は、その希少性が詳細に記事にされていた。
時間軸が異なる生命体は、仮に見つけても、一緒に居続けることは難しく、すぐ消えてしまい、存在自体に気付かない場合も多い。
今回は偶然、複数の群れとして見つかり、餌を定期的に与えることで、なんとか生命コンテストには展示できるのではないかという事らしい。
次の展示はいつになるかわからないため、ぜひ見ておいた方がいいと記載されていた。
残りの相手の希望する姿かたちに変わる生命体と、声真似の上手な生命体は、実際に記者が見て記事にしたみたいだ。
ここまでクオリティの高い変身、声真似は見たことないと絶賛されていた。
残りの記事は、外敵駆除の情報や各星の災害の被害などの活動報告のようだ。
その活動報告に小さいコラムがついている。
“未来予知”を仕事とする神が、天界の異変を検知するために、活動報告はあるらしい。
つまり、“未来予知”で見た新聞の内容と、実際の新聞の内容を比較して、異変がないか確認しているということだ。
天界では未来の変更は基本許されない。そのため“未来予知”は基本的に封印されているが、それが唯一許されるのが“未来予知”という仕事ということらしい。
新聞を読むだけ…、天界には面白い仕事があるものだ。
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