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天界に異変が起きてます  作者: よむよみ
第三章

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19/38

第十九話 2度目の時間の巻き戻り

データの整理 正常終了。

これよりシステムを起動します。


そろそろ目覚めの時間のようだ…。サブシステムから、記憶の整理完了の報告を受け取る。


体の各パーツの稼働確認 正常

これより優先情報をメモリに格納します。

名前:メモリナ

目標:情報収集

任務:ホープの補助


そう。私はメモリナ。私は起き上がった。サブシステムからの報告通り、体は問題なくスムーズに動いている。


私の見た目は少女に見えるかもしれないが、もともと流浪の旅人に仕える記憶媒体として、機械と人形で作られている。

数千年間、とある事情で星に封印されていたところを、神であるホープに助けてもらって以来、ホープと一緒に行動している。


天界に訪れたのは初めてだ。神様の住む世界は、もっと優美というか、機能美というか、想像できないくらい創造的なんだろうと考えていた。

実際は、ちょっと簡素というか…。これなら中世時代の人類の方が、オシャレな建物が多い。

神様は、思っていたよりもこだわりが無いのかもしれない。おそらく、神様の寿命が長すぎるせいだろう。


今日は、朝から引っ越し作業のはずだった…。

が、ミカエルが地球の小説サイトから天界の異変を見つけて以降、私たちは大忙しだ。

まずは、手っ取り早く地球の小説サイトから情報を皆で共有した。

その後、天界からタブレットが届き、ホープもミカエルも、そのタブレットを使って天界との打ち合わせに出ずっぱりだ。

それで、私が地球の小説サイトでの情報保存を任されているというわけだ。

神の力検知用に、別のタブレットも届いているし、天界はとても用意がいい。


天界では、天界の時間を巻き戻されるという禁忌を既に2度も破られ、現在、対応を急いでいるようだ。

もともと他の星にいた外敵駆除チームの神々と連携をとって、時間が巻き戻された時に起こる情報欠落を防止しているみたい。

天界の中央区画では秘密裏に対策本部が作られており、タブレットが早急に届いたのはそのためだ。

私たちが地球の小説サイトで情報を保存しているのと同じように、天界も他の星にデータを保管しているようだ。


天界から他の星へ送ったものは、天界の時間戻しと同時に天界へ戻される。

つまり他の星では、時間戻しが起こると、天界から送られたものがパッと消える。

そうやって時間戻しを検知しているらしい。


これまでの投稿を読んでみたが、ホープもミカエルもとても真面目だ。

過去にいろいろな人を見ていたが、上層部に連携して任せていればいいという人も多かった。

その点、ホープとミカエルは、自分たちも何かしようと動いている。

そして、それが評価され、今、打ち合わせに呼ばれているのだろう。

ホープとミカエル、連携して状況を打開しようとしているように見える。


打ち合わせが終わったみたいだ。

ホープは、緊張から解き放たれたのか、伸びをしている。

ミカエルは、神の力で作ったホワイトボードに情報をまとめていた。

「前回でわかったことは、時間の巻き戻しは、天界の中央区画付近で起こったってことと…、

ノエリアさんと他の長の神々は味方ってことですかね」

「それに、やっぱり新聞が天界の時間戻しの起因になっている気がする…」

ホープのつぶやきに、私は発言した。

「では、新聞の情報でも投稿しよう」

「お願いしていい?よろしくね」

私は、頷いた。


どうせ、この件が片付くまでホープとミカエルは外には行けないだろう…。

情報取得と暇つぶしにちょうどいい。

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