第十七話 そろそろ時間が戻るかもしれない
ミカエルとノエリアさんの事務所から戻ってくると、ちょうど私の家に訪れようとしているミレイユさんに出会った。
「ホープさん、ミカエルさん、私の体ありがとう!ちょうどレグルスさんが捜査にいっちゃったから、お礼言いにきちゃった」
ミレイユさんは、とても喜んでいるみたい。もっとはしゃぎたいのを我慢しているように感じる。
もし、何をしてもいい自由な空間があったら、多分、神の力で大爆発でもおこしちゃいそうな勢いだ…。
ミカエルは、何かを感じたのか、早く話をまとめたいと言って、軽く挨拶して、家の中に入っていた。
ミレイユさんの勢いを和らげるため、私はレグルスさんの話題に変えることにした。
「喜んでいただけたようで、よかったです!レグルスさんはどちらの捜査に向かわれたんですか?あっ、秘密事項ですかね…」
「ホープさんなら、大丈夫よ。今日は、科学技術班のヴァルナスの捜査だと思う。理由は聞いていないんだけど、捕まえるみたいね。
明日、多分、新聞に載るんじゃないかしら」
ヴァルナスが捕まる、そろそろ時間が戻る気がする…。
新聞が来る時間は決まっている。
新聞の記載を見たら、投稿しておいた方がいいかもしれない…。
「どうしたの?ホープさん、急にぼんやりして…。もしかして、新聞取っていないの?」
「あっ、考え事してすみません、新聞は取ってます。引っ越してから、取るようになりました」
「そうなんだ。明日、ぜひ確認してみてね。多分ヴァルナスさんの名前も載るわよ」
それからも、ミレイユさんのトークは続いた。
神の力が使えるようになって、とても充実しているだとか、レグルスさんの指鳴らしには意味があったのだの、
ミレイユさんの小説を読んでなかったらわからないような事も話していて、反応に困る…。
メモリナが話しかけてきた。「ホープ、そろそろ時間だ」
「あ、そうだった、私戻らなきゃ、ミレイユさん、また今度」
「あ、ごめん。長話しちゃったわね…。では、私も帰るわね。またね~」そういうとミレイユさんは帰っていった。
「メモリナ、ありがとう。助かった…。声かけてくれなかったら、さらに1時間ぐらいお話していたかも…」
メモリナからは、「自分で断りなさい」というような少し冷たい視線を感じる…。
逆にルミエルは、あたふたしている私を見て楽しんでいるみたい…。
ミカエルは、こうなることを予測して先に戻ったってことか…。なるほど…。
でも、聞きたい話もあった。ヴァルナスが今日捕まり、明日、新聞に載るはずって話。
ミレイユさんの小説では、ヴァルナスが捕まってその翌日の新聞は届いていた。
天界の時間戻しは、きっとそれより後のはずだ。でもいつ戻ったかはわからない…。
新聞が届いたあとすぐかもしれないし、少し時間がたってからかもしれない。
もしかしたら時間戻しではなく、もっと別の要因の可能性だってあるかも…?
わからないことだらけだ。
時が戻るって、どんな感覚なんだろう…、少し不思議な感じ…。
でも、きっと大丈夫。今までの捜査の記録は地球に小説として残っているし、
それに、ノエリアさんから借りている、神の力を検知できるタブレットだってある。
私は、今日の成果にとても満足していた。
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