第十六話 天界の上層部
ノエリアさんとのお話で一番長く話されたのは、天界の上層部についてだ。
少し小難しそうなお話だったので、私は、ホープ様の隣でメモを取っていた。
今は、そのメモを見ながら、天界の仕事について書いている。
天界での仕事は主に、観察、干渉、規律、補助、研究の五つに分類される。
それぞれの分類の長は、例えば“観察を司る神”のように“司る神”を付けて、天界では呼ばれている。
まずは、観察。神様は多くの場合、ただじっと観察する。
観察を司る神は、今はノエリアさん。
最近、文明発展コンテストや生命コンテストを開催し“観察”の仕事を盛り上げようとしているみたい。
“星の観察”と“生物の観察”など天界以外の観察が主な仕事。
星の観察といえば、ホープ様の仕事ね。
生命コンテストでは、「相手の希望する姿かたちに変わる生命体」や「声真似の上手な生命体」を展示してた。
次は、干渉。神様は、観察するだけではなく、時に干渉する。
“生物への干渉”や“思念体への干渉”、“外敵駆除”など天界以外との干渉が主な仕事。
神が干渉を必要とすることは外敵駆除以外ではめったになく、今では生命体の研究が主となっている。
そのため“生物の干渉”と“思念体の干渉”を、合わせて科学技術班と呼ばれることも多い。
生命コンテストでは、ジェノヴァにより「大きい生命体」、ヴァルナスにより「合成された生命体」を展示してた。
3番目は、規律。天界や星々の規律を作ったり守ったりする。
神々の能力を封印したり開放したりするのがメインの仕事。
“星の規律”、“時の規律”、“監査”と分類される。
例えば“星の規律”を仕事とする神々は、星に対する権限を解放したり封印したりする。
今問題となっている、天界の時間の巻き戻しを含む時間操作の権限を管理するのは“時の規律”の神々。
そして“監査”が、それぞれの規律が守られているかを見守っている。審律官のレグルスさんは“監査”に含まれる。
4番目は、補助。神々のサポートやさまざまなサポートを行う。
“お使いの天使”がメインではあるが、他にもコンテストのサポートなど活動は幅広い。
私、ミカエルは、もちろん“お使いの天使”に属する。
最後は研究。神々の研究は本当に幅広い。
生命コンテストでは、「時間の流れに無関係な生命体」を展示していた。
ただ、今は別の対応に追われていて、生命コンテスト以外は天界におらず、全員確認できているため考えなくていいみたい。
ここでは省略することにした。
地球と比較すると司法や裁判といった分類は無い。神同士の小競り合いなんてめったに起きないからね。
ノエリアさんと他の長の神々とは、とても長い付き合いみたいで、
「私の観察では、長の人たちは問題なさそうよ」と言っていた。多分信頼できると思う。
今のところ事件に関係ありそうなのは、科学技術班のヴァルナス、天界の時間戻しの権限を付与した“時の規律”の神、
そして天界の時間戻しを実行した神。ってことね。少し頭が整理できた気がする…。
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