第十四話 ノエリアさん
私は、観察を司る神、ノエリア。
そして、ここは天界の中央区画の私の執務室。
星の時間が想定以上に進んでいるんだもの、星を観察する神々を中心に、異変に違和感を感じる神が増えてきた。
気づかずにただ星の時間が進んだ分と合わせて2回報告を上げてくる神、気づかずに通常通りに報告を上げる神、
様々いたけれど、本当は、星の観察を仕事にする神々には、しっかり気づいてほしいわね。
天界の時間制御は絶対の禁忌。中枢に近い者も怪しいと考えざるを得ない。
上層部は今、時間戻しに気づいていないふりをして、味方と敵を判別しようと慎重に動き始めている。
そして、その動きは、今のところ時間を戻す犯人たちには気づかれていないみたい。
ちらりと執務室の外に目を向ける。
昨日それとなく話しかけておいて正解だったみたい…。
やっぱり、最初にここにくるのはホープたちね。
「こんにちはー。ホープです。ノエリアさんはいらっしゃいますか?」
――――
2時間ほど会話して、ホープたちはさっき帰っていった。
ホープたち、若い神たちと話すのは楽しかったー。とっても若返った気分だわ。
さすがホープたち、天界の異変に完全に気づいてた。しっかり星を観察しているってことがわかる。
それに、次はどうしようって考えているように感じられた。
簡単に、天界の時間の戻し方と、天界の上層部の話の2点、聞かれた事を話した。
それと、神の力の発生場所を特定するためのタブレットを渡したんだっけ。
一応念のため、危険なことは避けるように、無茶はしないように言っておいたけれど、
ホープたちの事だから、すでに忘れているかもしれないわね…。
多分、結局行動に移しちゃう気がする…。
ホープたちが気づいていると聞いてピンときた。地球の小説サイト。やっぱりここに書き込んでいた。
細かいことはホープたちが書いてくれるだろうから私は省略するとして、私もここに書き込んじゃうことにした。
こっそり小説に紛れ込むのは、ちょっと久しぶりね。
以前はホープやミカエルに気付かれなかったみたいだけど、さすがに今回は気づかれちゃうかもしれないわね。
審律官の神々やホープたちが動いているなら、安心ね。
私は、観察を司る神らしく、見守る立場をとりましょう。
天界の禁忌を破る今回の事件、とても大ごとに見ている神もいるけれど、私が観察する限り……。
あまり見守る立場の私が、事件に口をださないほうが良いかしら…。
かわいいホープに、かわいいミカエル。後は、頼みましたよ。
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