表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天界に異変が起きてます  作者: よむよみ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/40

第十二話 ミカエルと生命コンテスト

しばらくしているとメモリナが戻ってくる。

「一通り見て回ってきた…。そろそろ、交代しよう」

「あ、ありがとう!じゃ、次は私が見てくるね」

「機械の体だと見えない生命が展示されていたのかな…。何も見えない展示もあった…」メモリナが不思議そうに首をかしげてた。

「ふ~ん…。気になるわね…。ちょっと楽しみ!」

展示番の仕事を簡単に引き継ぎ、私は、周りの展示から見てまわった。


「メモリナが見えないって言っていたのはこれかな?」正直私にも見えない。

展示横の看板を見て、少し笑ってしまった。

「悪魔の証明の悪魔」

悪魔の証明とは、「存在しないこと」を証明する困難さを示す概念の事だ。

存在しないことを証明するのは難しい…。

今、たまたまいないだけかもしれないし、私の見えない未知の何かがいるのかもしれない。

存在しないことを証明するには、すべての時間、全ての次元で存在しないことを検証する必要がある。

既に、今来ただけの私にはそれは不可能だった…。


よく見ると、お隣のレグルスさんの展示みたい。

時々悪魔の調査をする審律官ならではの展示ってことね。

横に置いてあるモニターにいいねをつけて次に展示に進んだ。


展示にもさまざまある。ありきたりの生命体の展示もあれば、ペット自慢をしている神様もいる。

神様のペットは、なかなかに独創的で、かっこいいもの、美しいもの、強いもの本当に様々だった。

なかでも、生命力の高いペットは面白かった。いくらつぶしても死なないし、切っても分裂して生き続ける。

過酷な環境において進化を促したことで、生命力たくましく成長したということらしい。


そんな中、とても不思議な展示があった。

「時間の流れに無関係な生命体」

研究を司る神たちのチームによる展示だ。

展示ケースにえさをまくと、突然魚の姿の生命体が複数現れる。そして、食べ終わるとふと消える。

消えたと思ったら、まだあるかなと現れては消えたり、大きい個体が現れたり消えたり…。

展示によるとこの生命体は、私たちの時間軸と異なる時間軸を持っているらしい。

この生命体は普通に成長しているのだが、私たちの時間軸とは異なるため、突然成長したり、元に戻ったりしているように見えるらしい。

隣同士に並んでいる個体が、実は時間の違う同じ個体であることもあるんだって…。すごい不思議…。

発見されること自体まれで、急遽展示されることになったみたい。


展示で一番注目を浴びているのはここね。観察を仕事とする神々のスペース。

「相手の希望する姿かたちに変わる生命体」

ホープ様と同じ「星の観察」を仕事している神の展示。通り過ぎる神と目が合うたびに、姿を変えている。

目が合ってしまった神は、恥ずかしくて立ち去る神が多く、次から次へとさまざまな姿かたちが見られるため、見ていて全く飽きない。

そして、その隣もとても人気。

「声真似の上手な生命体」

「生物の観察」を仕事している神の展示。

一度聞いた声、しゃべり方を記憶したうえで、話す内容を指定して、しゃべらせることができる。

姿かたちは、普通の小鳥ではあるが、ここまで声を似せることができるなんて、すごい…。

この小鳥は、販売されているらしく、小さな行列ができている。


次はマジックショーみたい。

「時間を戻す生命体」

サルの姿をした生命体が、紙を破る。そして、呪文を唱えるふりをして紙を元通りに戻す。

紙を戻す瞬間に、展示している時を司るからわずかに神の力が感じられる。

生命体が戻しているのではなく、隣の神が紙の時間を戻し、その影響で、紙を元に戻している。

子供は無邪気にとても喜び、それを見ている大人は知っていて「すごいね」と子供とは一緒にしゃいでいる。

ショーが終わると種明かし。「天界では時間戻しは禁止事項だよ」と教えていた。

時を司る神による、教育的な展示だったってことか…。


残りは、科学技術班のスペース。

展示の中で一番大きい生命体はこれのようね。とてもとても大きなライオンの展示。

地球のライオンと比べたら、体長は3倍はありそうね…。こんなに大きい個体よく見つけられたわね…。

それと…、天界の時間戻しの事件で、今一番怪しいとされるヴァルナスの展示。

これは、ミレイユさんの小説に合った通り、生き物が合成されていて、見ていて少し気持ち悪い…。


ホープ様のお使いの天使として地球の生命体を長く見てきて、生命体に詳しくなったつもりだったけど、まだ知らないことたくさんあった。

今日はとても充実した一日だったな。

よかったら、コメント、感想、ブックマーク、評価をぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ