第六話:輝きの公園と愛の鳩
「ロボ美ちゃん、次はあそこに行ってみよう!」
光は、ショッピングモールを出て、近くの公園を指差した。
「公園…ですか?」
ロボ美は、首を傾げた。
「ああ、公園だ!そこは、人間が自然と触れ合い、心を癒す場所だ!」
光は、詩人ぶって説明した。
「心を癒す…?」
ロボ美は、まだよく理解できていない様子だった。
「よし、じゃあ、行ってみよう!」
光は、ロボ美の手を引き、公園へと向かった。
公園に着くと、光はベンチに腰掛け、ロボ美と豪を隣に座らせた。
「どうだ、ロボ美ちゃん!これが自然の力だ!」
光は、公園の木々や花々を指差した。
「緑がいっぱいですね…」
ロボ美は、興味深そうに周りを見渡した。
「ああ、緑がいっぱいだ!人間は、自然の中にいると、心が安らぐのだ!」
光は、得意げに言った。
「心が安らぐ…?」
ロボ美は、まだよく理解できていない様子だった。
その時、一羽の鳩が、光たちの近くに飛んできた。
「あ、鳩だ!」
ロボ美は、鳩を指差した。
「ああ、鳩だな。鳩は、平和の象徴だ!」
光は、知ったかぶりをして言った。
「平和の象徴…?」
ロボ美は、首を傾げた。
「ああ、平和の象徴だ!鳩は、人間に平和をもたらす鳥なのだ!」
光は、自信満々に言った。
「へえー…」
ロボ美は、感心したように頷いた。
その時、鳩が、光めがけてフンを落とした。
「うわあああ!」
光は、悲鳴を上げた。
「社長!」
豪は、慌てて光に駆け寄った。
「ひどい…!」
光は、鳩を睨みつけた。
「社長、落ち着いてください…」
豪は、光をなだめた。
「ロボ美ちゃん、見てごらん!これが人間の怒りだ!」
光は、ロボ美に怒りの表情を見せつけた。
「怒り…ですか…?」
ロボ美は、光の表情をじっと見つめた。
「ああ、怒りだ!人間は、不愉快なことがあると、怒りを感じるのだ!」
光は、熱く語った。
「へえー…」
ロボ美は、感心したように頷いた。
「でも、社長…鳩に怒っても仕方ないですよ…」
豪は、冷静にツッコミを入れた。
「うるさい!細かいことは気にするな!」
光は、豪の言葉を遮った。
「ロボ美ちゃん、次は…」
光は、次の場所を探そうとした。
その時、公園の奥の方から、子供たちの楽しそうな声が聞こえてきた。
「あ、子供たちだ!」
ロボ美は、子供たちの方を見て、目を輝かせた。
「ああ、子供たちだな。子供たちは、未来の希望だ!」
光は、またしても知ったかぶりをして言った。
「未来の希望…?」
ロボ美は、首を傾げた。
「ああ、未来の希望だ!子供たちは、未来を担う存在なのだ!」
光は、自信満々に言った。
「へえー…」
ロボ美は、感心したように頷いた。
「よし、じゃあ、子供たちと遊んでみよう!」
光は、ロボ美の手を引き、子供たちの方へと向かった。
子供たちは、砂場で遊んでいた。
「こんにちは!」
光は、子供たちに笑顔で話しかけた。
「こんにちは!」
子供たちも、光に笑顔で返事をした。
「君たち、何をして遊んでいるんだい?」
光は、子供たちに尋ねた。
「お城を作ってるの!」
一人の女の子が答えた。
「お城か!いいね!僕も一緒に作っていいかな?」
光は、子供たちに混ざって、砂遊びを始めた。
「ねえ、お兄さん、名前はなんていうの?」
別の男の子が、光に尋ねた。
「お兄さんの名前は…白銀 光って言うんだ!」
光は、胸を張って答えた。
「白銀 光…?」
子供たちは、顔を見合わせた。
「もしかして…白銀コーポレーションの社長さん…?」
一人の女の子が、恐る恐る尋ねた。
「おお!よく知ってるね!さすがは未来の希望だ!」
光は、得意げに言った。
「あの…もしかして…ナルシストの…?」
別の男の子が、ささやいた。
「な、なんだって…?」
光は、耳を疑った。
まさか、子供たちにまでナルシスト呼ばわりされるとは…
光のナルシスト心に、再び大きな傷がついた。
「社長、子供相手にナルシストぶりを発揮するのはやめてください…」
豪は、光にささやいた。
「う、うるさい!今、いいところなんだ!」
光は、豪の言葉を遮った。
「君たち、もしかして…僕のことが嫌いなのかな…?」
光は、子供たちに悲しげな表情で尋ねた。
「ううん、そんなことないよ!」
一人の女の子が答えた。
「でも…ナルシストはちょっと…」
別の男の子が、正直に言った。
「ひどい…!」
光は、ショックを受けた様子だった。
「社長、落ち着いてください…」
豪は、光をなだめた。
「わ、わかったよ…じゃあ、もう帰る…」
光は、ロボ美の手を引き、公園を後にした。