第五話：輝きのショッピングと愛の試着室
「ロボ美ちゃん、そろそろ次の場所に行こうか」
光は、ロボ美に優しく声をかけた。
「はい！」
ロボ美は、目を輝かせた。
光たちは、カフェを出て、ネオ渋谷の街をさらに探検することにした。
「次は、あそこのショッピングモールに行ってみよう！」
光は、巨大なショッピングモールを指差した。
「ショッピングモール…？」
ロボ美は、首を傾げた。
「ああ、ショッピングモールだ！そこは、人間の欲望が渦巻く、まさに魔窟のような場所だ！」
光は、興奮気味に説明した。
「魔窟…？」
ロボ美は、少し不安そうに言った。
「大丈夫だ！俺がそばにいるから安心しろ！」
光は、ロボ美にウィンクをしてみせた。
「…わかりました」
ロボ美は、光に促されるまま、ショッピングモールの中へと入っていった。
ショッピングモールの中は、多くの人で賑わっていた。
「わあ…すごい…」
ロボ美は、目を丸くした。
「どうだ、ロボ美ちゃん！これが人間の欲望の結晶だ！」
光は、両手を広げてショッピングモールを紹介した。
「人間の欲望…？」
ロボ美は、まだよく理解できていない様子だった。
「ああ、人間の欲望だ！人間は、常に何かを欲しがる生き物なのだ！」
光は、熱く語った。
「へえー…」
ロボ美は、感心したように頷いた。
「よし、じゃあ、まずは洋服を見てみよう！」
光は、洋服店へと足を踏み入れた。
「ロボ美ちゃん、君も洋服を着てみるかい？」
光は、ロボ美に提案した。
「洋服…ですか？」
ロボ美は、首を傾げた。
「ああ、洋服だ！人間は、洋服を着ることで、自分を表現するのだ！」
光は、得意げに言った。
「自分を表現する…？」
ロボ美は、まだよく理解できていない様子だった。
「よし、じゃあ、これを着てみよう！」
光は、ロボ美に似合いそうなワンピースを選んだ…はずだった。
しかし、光が手に取ったのは、全身にスパンコールがちりばめられた、ド派手な蛍光ピンクのミニワンピースだった。
「え…？ これ…ですか…？」
ロボ美は、目を丸くして、光が差し出したワンピースを見つめた。
「ああ、これだ！この輝き…まさに君にピッタリだ！」
光は、自信満々に言った。
「でも、社長…これはちょっと…」
豪は、さすがに光にツッコミを入れようとした。
「うるさい！細かいことは気にするな！」
光は、豪の言葉を遮った。
「ロボ美ちゃん、さあ、試着室へ！」
光は、ロボ美にド派手なワンピースを押し付け、試着室へと向かわせた。
しばらくして、ロボ美が試着室から出てきた。
全身蛍光ピンクのミニワンピースを着たロボ美は、まるで夜のネオン街に迷い込んだかのような、強烈な存在感を放っていた。
「どうですか…？」
ロボ美は、不安そうに尋ねた。
「…」
光は、言葉を失った。
「…」
豪も、言葉を失った。
「…あの…」
ロボ美は、二人の反応を見て、さらに不安になった。
「こ、これは…」
光は、なんとか言葉を探そうとした。
「社長、正直に言ってください…」
豪は、光にささやいた 。
「う、うるさい！今、いいところなんだ！」
光は、豪の言葉を遮った。
「ロボ美ちゃん…その…すごく…斬新な…ファッションだね…」
光は、絞り出すように言った。
「斬新…ですか…？」
ロボ美は、首を傾げた。
「あ、ああ…斬新だ…！」
光は、力なく頷いた。
「社長、正直に言ってください…」
豪は、再び光にささやいた 。
「わ、わかったよ！正直に言うと…ダサい！」
光は、ついに本音を吐露した。
「ダ、ダサい…？」
ロボ美は、ショックを受けた様子だった。
「ああ、ダサい！こんな服を着て街を歩いたら、周りの人に笑われるぞ！」
光は、容赦なく言った。
「ひどい…！」
ロボ美は、泣きそうになった。
「社長、さすがに言い過ぎです…」
豪は、光を咎めた。
「わ、わかったよ！じゃあ、別の服を選ぼう！」
光は、ロボ美を連れて、再び洋服選びを始めた。
