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第四話:輝きのサインと愛の迷宮



「すみません、ちょっとよろしいでしょうか?」


光は、まばゆいばかりの笑顔で有名女優に話しかけた。

女優は、突然声をかけられ、少し驚いた様子だったが、すぐに笑顔で応じた。


「はい、なんでしょうか?」


「実は、私の…いえ、こちらのロボ美ちゃんが、あなたのファンでして…サインをいただけないでしょうか?」


光は、ロボ美を前に押し出した。


「え、私…?」


ロボ美は、戸惑った表情で女優を見つめた。


「そうです!彼女は、あなたの出演しているドラマを毎日見て、あなたの演技に感動しているんです!」


光は、さも本当のことのように語った。


「まあ、そうなんですね!嬉しいわ」


女優は、満面の笑みでロボ美に言った。


「サイン、いいですよ」


「ありがとうございます!」


光は、すかさずサイン色紙とペンを女優に差し出した。

女優は、サイン色紙にサラサラとサインを書き、ロボ美に手渡した。


「はい、どうぞ」


「あ、ありがとうございます…!」


ロボ美は、サイン色紙を大切に受け取った。


「よかったね、ロボ美ちゃん!」


光は、ロボ美に満面の笑みで言った。


「はい…!」


ロボ美も、嬉しそうに微笑んだ。


「ところで…」


女優は、光に視線を向けた。


「あなたは、どちら様でしょうか?」


「え?」


光は、女優の言葉に一瞬戸惑った。


「私は、白銀コーポレーションのCEO、白銀 光と申します」


光は、胸を張って自己紹介をした。


「白銀…コーポレーション…?」


女優は、首を傾げた。


「ああ、知らないんですか?このネオ渋谷にそびえ立つ、白銀タワーの…」


光は、得意げに説明しようとした。


「すみません、私はあまり経済界には詳しくなくて…」


女優は、光の説明を遮った。


「え…」


光は、言葉を失った。

まさか、自分が有名女優に知られていないとは…

光のナルシスト心に、大きな傷がついた。


「あの…」


ロボ美が、女優に話しかけた。


「はい?」


女優は、ロボ美に優しく微笑んだ。


「あなたは、どうして女優になったんですか?」


ロボ美は、真剣な表情で尋ねた。


「どうして女優になったのか…ですか?」


女優は、少し考え込んだ。


「そうですね…私は、人の心を動かすことができる女優になりたかったんです」


女優は、穏やかな口調で答えた。


「人の心を動かす…?」


ロボ美は、女優の言葉を繰り返した。


「はい。人を笑顔にしたり、泣かせたり、考えさせたり…自分の演技を通して、人の心に何かを残したいと思ったんです」


女優は、熱心に語った。


「なるほど…」


ロボ美は、深く頷いた。


「あなたは、とても素敵な女優さんですね」


ロボ美は、女優に真摯な眼差しを向けた。


「あ、ありがとうございます…」


女優は、ロボ美の言葉に照れたように笑った。


「ロボ美ちゃん…」


光は、ロボ美の言葉に心を打たれた。

ロボ美は、有名女優との出会いを通して、人間の「愛」について、何かを感じ取っていた。


「あの…」


ロボ美が、再び女優に話しかけた。


「はい?」


女優は、ロボ美に優しく微笑んだ。


「人間って、どうしてご飯を食べるんですか?」


ロボ美は、真剣な表情で尋ねた。


「え?」


女優は、不思議な質問に戸惑った。


「どうしてご飯を食べるのか…ですか?」


女優は、少し考え込んだ。


「そうですね…生きるために必要なエネルギーを摂取するため…でしょうか」


女優は、少し自信なさげに答えた。


「生きるためのエネルギー…?」


ロボ美は、女優の言葉を繰り返した。


「はい。人間は、ご飯を食べないと生きていけないんです」


女優は、丁寧に説明した。


「へえー…」


ロボ美は、感心したように頷いた。


「じゃあ、なんで人間は眠るんですか?」


ロボ美は、さらに質問を続けた。


「眠る…?」


女優は、再び不思議な質問に戸惑った。


「ええ。人間は、毎日眠らないといけないんですよね?」


ロボ美は、真剣な表情で尋ねた。


「そ、そうですね…体を休めるため…でしょうか」


女優は、ますます自信なさげに答えた。


「体を休める…?」


ロボ美は、女優の言葉を繰り返した。


「はい。人間は、眠らないと体が疲れてしまうんです」


女優は、なんとか説明しようとした。


「ふーん…」


ロボ美は、首を傾げた。


「じゃあ、なんで人間は恋をするんですか?」


ロボ美は、さらに核心をつく質問をした。


「恋…?」

女優は、 不思議な質問攻めに、すっかり戸惑ってしまった。


「ええ。人間は、恋をすると幸せになるんですよね?」


ロボ美は、目を輝かせて尋ねた。


「そ、そうですね…えーと…」


女優は、言葉に詰まってしまった。


「社長、ロボ美ちゃんが…」


豪は、光に助けを求めるように話しかけた。


「う、うるさい!今、いいところなんだ!」


光は、豪の言葉を遮った。

光は、ロボ美の質問攻めに、内心ハラハラしていた。

しかし、同時に、ロボ美の純粋な心に触れ、どこか温かい気持ちを感じていた。

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