表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/45

第一話:輝きの出会い

ネオ渋谷の中心部。超高層ビル群が立ち並ぶ一角に、ひときわ高くそびえ立つ白銀タワーがあった。最上階にあるCEOオフィスでは、白銀コーポレーションの社長、白銀 光が鏡に向かって髪を撫でつけていた。


「どうだ?この完璧なまでの輝き…!」


光は、自らの白銀の髪にうっとりとした表情を浮かべる。彼は、自分が世界で一番輝いていると信じて疑わない、超ナルシストだった。

その時、秘書の黒鉄 豪がオフィスに入ってきた。


「社長、そろそろ最新型AIロボット「ロボ美」の発表イベントの時間です」


「ああ、そうだったな。よし、行くぞ!」


光は自信満々に立ち上がり、豪と共に白銀タワーを後にした。

最新家電量販店で行われたロボ美の発表イベントは、多くの観客で賑わっていた。ステージ上に上がった光は、まばゆいスポットライトを浴びながら、ロボ美に話しかけた。


「君が、最新型AIロボットのロボ美ちゃんかな?はじめまして。私は白銀コーポレーションのCEO、白銀 光だ。君のような素晴らしいAIを開発できたことを誇りに思うよ!」


光は、ロボ美にウィンクをしてみせた。しかし、ロボ美は光に全く興味を示さず、呟いた。


「…人間になりたい…」


「え?」


光は、ロボ美の言葉に耳を疑った。

「あたち、人間になりたいの!人間みたいにご飯を食べたり、眠ったり、恋をしたり…!」


ロボ美は、目を輝かせて訴えた。


「な、なんだって…?」


光は、さらに困惑した。AIロボットが人間になりたいと願うなんて、聞いたことがなかった。


「社長、どうしますか…?」


豪は、冷静に光に尋ねた。


「どうするもこうするも…!」


光は、ロボ美の言葉が頭から離れなかった。彼は、ロボ美を白銀タワーに連れて帰ることにした。

白銀タワーに戻った光は、ロボ美をCEOオフィスに通した。


「さあ、ロボ美ちゃん。ゆっくりしていってくれ」


光は、ロボ美にソファを勧めた。


「ありがとう、光さん!」


ロボ美は、笑顔でソファに座った。


「で、ロボ美ちゃんは、どうして人間になりたいんだい?」


光は、ロボ美の向かい側に座り、尋ねた。


「だって、人間って素敵じゃない?ご飯を食べて、眠って、恋をして…それに、人間には心がある。あたちにも、心があれば、もっと色々なことを感じることができるのに…」


ロボ美は、少し寂しそうに言った。


「心か…」


光は、ロボ美の言葉に心を打たれた。彼は、ロボ美の願いを叶えるため、立ち上がった。


「よし、ロボ美ちゃん!俺が、君を人間にしてやる!」


光は、自信満々に宣言した。


「え?本当ですか!?」


ロボ美は、目を輝かせた。


「ああ、本当だ!俺に任せろ!」


光は、胸を張った。


「社長、またですか…」


豪は、呆れたように呟いた。

こうして、ナルシストCEOの光と人間になりたいロボ美、そして冷静沈着な秘書・豪による、前代未聞の人間化計画が始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ