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2「違和感」

違和感を感じた。

今少し揺れた気がした、足が縺れ倒れかける程の揺れを感じた。

震源地が遠いのか長く揺れが続くことはなく、軽くズシンっときた程度だった。


周囲に危険物や障害と成るものがないか確認した後、再度帰路へと戻る。

氷の採取を目的として来ていたこの洞窟、最深部を執拗に目指していたからか洞窟内を改めて見渡してみると緑が生い茂り、色とりどりの花々が咲き誇っていた。

ホントにここが砂漠の下だと忘れてしまいそうなほどに世界が違った、そのおかげで生きていける、資源の採取ができることが救いであった。


クローラータンクが眼前に見えてきていた。

先程まで最深部の辺りにいたはずであったのにいつの間にか地上付近にまで戻ってきていた。


地上から大きな爆発音のような音と共に地震の強い揺れが襲い掛かる。

このような現象に覚えがあった、すぐさまクローラータンクに搭乗し、衝撃に備える。

津波のような砂波がクローラータンクを飲み込み、車体が大きく揺れる。

長い続いた地震と砂波の勢いが収まり、埋もれた車体を地上に浮き上がらせる、セーフハウスへと逃げるようにエンジンを吹かす。

残りの燃料を考える暇もなく車体を走らせ、先程手に入れた物資が重りになるのならスピードのためにも捨ててもいいほどにこの状況は深刻なものだった。


「はぁ、、はぁ、、、最悪だ。なんでこんな時に”奴”がやってくるなんて」

冷汗が止まらない


この砂漠の大地にはヒエラルキーが存在し、その中の上位に君臨する生物による”移動”が起きている。

そう単なる”移動”により災害と同等かそれ以上の事象を起こすことのできる生物がこの砂漠には存在する。

貪欲どんよく怪蟲かいちゅう「デスワーム」


幸いサンドワームはこちらの存在に気づいておらずただ地上を這い回っている、”特殊信号弾”を使わなくて済んだ。

数分ほど全速力で走行し、デスワームが見えなくなる頃にはエンジンから「ギリギリギリ」っと音が鳴りだした。無茶をさせ過ぎたのだろう。


洞窟に向かった時よりも10倍速くセーフハウスに帰ってこれた。

出ていく時の浮足立った気持ちは当に消え去り、帰ってくる頃には恐怖と疲れにより塗りつぶされていた。

「まずは、持ち帰った物資の整理をして、、、エンジンの修理は、、明日にしよう、、、」

先程まで全身に感じていたプレッシャーは戻ってこられた安心感に変わり、1日の疲れが体から抜け落ちていった。


そして倒れこむようにベットに体を委ね深い、深い眠りへと落ちていく。

「サンドワーム」

砂漠に生息する体長2~3Mのミミズのような虫。幼虫の頃は聴力と視力の器官が欠如しているが成虫になると聴力と視力を獲得する。幼虫の頃は地上や洞窟内で生息し、砂や洞窟内の植物、動物を食らっている。

「デスワーム」

サンドワームとは比べ物にならない程の巨大なミミズ型のモンスターで体長は推定200M、幅は推定50Mもある。デスワームは外見から想像が付きにくいが聴力と視力に近しい器官をもっている、しかし大きな音や強い光に対し強い拒否反応を起こす。1年のほとんどを動かずにいるが最も熱く最も日の光が当たる時期に活発的に行動する。普段は夜に活動する夜行性の生物である。

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