体育
その日の体育の授業は酷いものだった。
次の授業は体育なのでジャージに着替える今日は校庭で短距離走をやる。でも私は体育は苦手だ足も速くないしボールを使った競技も一切だめルールも良くわからない。短距離走は5人づつタイマーを計って走る自分の番がくるまでこの前のマンションの出来事を思い出してしまう体が熱くなってきた。そんなことを考えていたら佳那さんが走る番になった足も早いしフォームも綺麗だった薄茶の髪がなびいてキラキラしていた佳那さんはやっぱり人の目をひく。
みんな佳那さんの走る姿を見ていた次は私の走る番だ走る位置につく先生が合図を出す。
半ばまで走ったところで急に足がもつれた慌てて体制を立て直そうとするが無理だった。盛大に転んでしまった佳那さんも見てるのに…
膝からダラダラと血が出ていた結構擦りむいてしまったようだ。「おいおい鈴木!大丈夫か!」「あの…はい」「結構血が出てるな保健室行けるか」「はい行けます」「付き添いはいるか?」「一人で大丈夫です」私は左足を庇いながら保健室に向かう「先生…先生?」保健室に先生がいないどこに行ったのか…取り合えず水で拭いて消毒しようと思った。拭くものが見当たらないので自分のハンカチを濡らし患部を拭く突き抜けるような痛みが走るハンカチが血に染まっていくもうこのハンカチは使えないなと考えるそれよりも佳那さんに転んだ姿を見られたのが恥ずかしかった走ることもまともにできないなんて恥ずかしすぎる。
すると扉が開く音がした保健室の先生が帰って来たのかと思ったが違った。そこにいたのは佳那さんだった。「鈴木さんどうしてここに?」「心配だったからついてきたのキズ大丈夫?」
「はい今水で拭いたところです」「ちょっと見せて」「あぁすごいキズ痛そう」すると彼女はひざまついて私のキズを眺め始めた。
「ねぇもっと痛くしてもいい?」「え?」彼女は私のキズに歯をたてた。「いた…」なおも私のキズを噛ったりときには舐めたり「鈴木さん痛いです」「まだやめない」また血が出てくる感じがする「お願いしますもう…痛い」「じゃあこれで最後」と強く噛まれた。「つっ」痛かったまた血が滲みはじめてしまった。「ごめんね山本さんここからはちゃんと治療するよ」佳那さんは自分のハンカチを出して水で濡らし血を拭く綿に消毒薬を染み込ませ私の膝を濡らした。その後大きめの絆創膏を貼られる。
私は黙ってその一連の様子を見ていた。「鈴木さんどうしてこんなことするんですか?」「うーん私はね山本さんのいろんな表情がみたいのだからかな」「それはどういう」すると突然唇をふさがれる鉄の味が口に広がる。「これが山本さんの血の匂い」また唇をふさがれる今度は歯列をなぞるようにぞくぞくと体が震える。膝の痛みと口への快感で感覚がおかしくなってくる「もう…やめて」「あら残念」「気持ち良くなかった?」「そうじゃなくてどうして…」「さっき理由は言ったけど?」「じゃあ私もう行くね」あっけらかんと彼女は保健室を後にする。どうして私はいつも彼女に惑わされてばかりいるのだろう貼って貰った絆創膏は綺麗に貼られていた。今日は自転車を引いて歩いて帰る。足が痛くて自転車をこげる気がしなかった。鈴木さんはどうしていつもいつも変なことばかりするのだろう私のいろんな表情が見たいといっていたがどういうことなんだろう。と考えているうちに家に着く鍵で扉を開ける。すぐお風呂にはいる準備をする擦りむいた膝に貼ってある絆創膏を剥がす。かさぶたになっていた。あの時のことを思い出す。とじんわり体が熱を帯びてきた。
シャワーを股にあてる水圧で気持ち良さが広がる。腰が動いてしまうしばらくした後イッてしまった。また彼女のことを思い出しながらしてしまった。後悔のような恥ずかしいような気持ちが押し寄せてくる。
夕食を食べ歯を磨き寝床にはいる佳那さんのことばかり思ってしまう。眠れない。そういえば佳那さんが最近撮影したドラマをDVDに撮っていたのを思い出した見てみることにする。
主役ではないが魅力的な役だ見る間にドラマの世界に魅了されていく。1時間があっという間だった。続きを早く見たかったが明日も学校なので我慢する佳那さんの今までの行為を考えてしまってなかなか眠れなかった。
「先生!私もちょっと体調が悪いので保健室に行かせてもらってもいいですか」「なんだ鈴木もか大丈夫か」「はい」私は嘘をつき山本さんのいる保健室に向かう山本さんは大丈夫だろうか心配だけじゃなくこれから行う行為に胸が高鳴る。保健室の扉を開ける。彼女が私のほうを見る。「鈴木さんどうしてここに?」と不思議そうに言う。ハンカチで患部を拭いているようだった。痛そうにしている。可哀想と思いながらも少し愉快な気持ちになる。これからすることに彼女がどう反応するのか。「心配だったからついてきたのキズ大丈夫?」「はい今水で拭いたところです」「ちょっと見せて」「あぁすごいキズ痛そう」拭いたといっていたがだいぶ血が出ていてじゅくじゅくと痛そうだ。
私は意地悪く「ねぇもっと痛くしてもいい?」と言った「え?」彼女の顔には疑問が浮かんでいる。痛そうな患部に歯をあてる「いた…」彼女の顔が苦痛に染まる。睫毛が震え見悶えているそんな姿を見てしまったらもっと彼女の苦しむ姿が見たいと思ってしまった。でも本当に心配していたのだ。だけど…やめられない。
次は患部を舐める彼女は身をよじっている。
「鈴木さん痛いです」「まだやめない」今度は血が出るほど強く噛む彼女の膝からまた血が溢れだしてきた。吸くいとって血を自分の舌に絡ませる。自分にとってはすごく官能的な行為だった。「お願いしますもう…痛い」「じゃあこれで最後」と強く噛む「つっ」彼女の顔を見る瞳に涙が溜まっていてとても綺麗だった。
「ごめんね山本さんここからはちゃんと治療するよ」自分のハンカチを取り出し水で濡らし血を拭き取る消毒をして大きな絆創膏を貼る。
山本さんはその間ずっと黙っていたので伺い見る。「鈴木さんどうしてこんなことするんですか?」「うーん私はね山本さんのいろんな表情がみたいのだからかな」「それはどういう」彼女の唇を塞ぐ温かくて柔らかな感触に血の匂いがまとわりつく。「これが山本さんの血の匂い」彼女は少し怯えた表情をしている。そんな表情をしている彼女の唇にまた唇を寄せる歯列をなぞり舌を絡ませた。彼女は小刻みに震えていた。そんな様子も嬉しいもっと私のことを見てほしい。「もう…やめて」「あら残念」「気持ち良くなかった?」「そうじゃなくてどうして…」「さっき理由は言ったけど?」「じゃあ私もう行くね」私は保健室を後にする。
本当はもっとそばにいたかったがマネージャーから連絡が入っていた。今度はどんなことをしようか考える今は山本さんのことを考えることが何よりの癒しになってた。私たちの曖昧な関係はこれからも続くのだろう。でもいづれは何かしらの答えを出すつもりだ。終