6話 心霊写真 その①
「幽霊が見たい!」
そんな好奇心は、必要ないものだ。
========================
これは、中学3年生の秋頃の話だ。
俺の学校は、中高一貫校であるため、オータニ先輩はそのまま高校へとあがっている。
基本的に退学はない。
「ねぇ、オータニ先輩」
「どうした?」
「俺、幽霊が見たいです!」
「んなの、やめておけ。お前は漏らすぞ」
「失礼な!漏らしませんよ!」
「いいや、漏らすな!お前のオムツを変えるような行為は断じてしたくない!」
「んな、失礼な」
俺はオータニ先輩を睨む。
「見たいんですよ!幽霊が!見せてくださいよぉ!」
「無理なものは無理だ!第一、なんで霊が見たいんだよ?」
「好奇心...ですかね?」
「はぁ...絶対に見せないわ。どちらにせよ見れない」
「お願いしますよぉ!写真の1枚でもいいから見せてくださいよぉ!」
「心霊写真とか8割嘘だから。大体、コラ画像か、撮る人が下手だっただけだから。もしくは、カメラの不調」
「えぇ、夢のない」
「霊は死んでるので夢はありません。捨てられてます」
「ひどい...呪い殺されてしまえ!」
「フラグ?」
「大丈夫ですよ。今でもピンピンに生きてるじゃないですか。先週の土曜日もラーメン奢ってくれたじゃないですか」
「はい、メタい」
という感じで、無理にお願いをして心霊写真を見せてもらった。俺は朱雀と共に、心霊写真を見る。
写っているのは、ただの橋。その橋の真ん中をオータニ先輩は指差して───
「ここにいるだろ?霊が」
「何もないよな?」
「うん」
俺たちには何も見えなかった。
「けっ!まだまだだな!」
オータニ先輩はそう言いながら、写真をクリアファイルに仕舞おうとする。
「あぁ!待って!もう少しだけ!」
「んな、一瞬で見えるようにならないよ」
「いいんですよ!心霊写真ってだけで」
「見えないのに?」
「はい」
「お前らにとってはあれだろ?ウォーリーを探せでウォーリーが見えないんだろ?」
「なんですか、その例え」
結局、心霊写真を見ても何も見えなかった。オータニ先輩が嘘をついていたのかは不明である。
心霊写真系は何個かあります。
いつか、書く。覚えてれば。