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11話 終わり
君は、霊を信じるか?
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この前、オータニ先輩と飲みに行く機会があったので、話す話題としてこの小説の事を出した。
「おい、今すぐにでもその小説を消せ」
「は、はい?」
「消せ。すぐに消せ」
「な...なんで?」
「文字でも、霊感を刺激する」
オータニ先輩の言う「霊感の刺激」とは。
俺がオータニ先輩から霊感を貰ったように、他人の霊感を刺激し、呼び起こすことをそう呼んでいる。
「そんな訳」
「本人が気付いていない霊感を刺激することになる。そうなると、読者は不幸になるぞ?」
「そ...それは...」
俺は、言い返せなかった。自分の書くもので他人を不幸にする。それだけは、避けたかった。
「消せ。それが無理なら、更新するな。その代わり、こう書け」
オータニ先輩は言った。
この物語はフィクションです。
と最後に書くように。そして、この小説の話は終わりになった。
*この物語はフィクションです。
嘘紛れもないフィクションです。