9話 演劇合宿 完結編
今北産業のための前回と前々回と前々々回のあらすじ。
夏休みの演劇合宿に来た、演劇部一同。
初日の夜は、包丁を研ぐ音を聞き、部屋がポルターガイストにより荒らされた。
そして迎えた最終日、どうなってしまうのか!
P.S.
プレビューを見て、3行になるように頑張りました。
おフロあがりに耳そうじをするとしめっている。
***
───3日目。合宿最終日だ。
「はぁ...長かったような気もする合宿も今日で最後かぁ...」
「4話だぞ。4話。随分と尺を取ったな」
「しょうがないじゃないですか。1話1000文字程度なんですもの」
「それに、未来のお前の纏める能力もないもんな」
「う...」
「それに、ボケもつまらない」
「う...」
「うんうん。同じボケを4回もしてるぞ」
「う...」
「それに、これも自分で書いてる」
「「う...」」
なんだか、未来の自分の声も聞こえた気がするが、まぁいい。どうせ、これも自分で書いてるんだしよぉ!
なんなら、ネタバレしてやる!霊は───
***
俺達は朝食を食べに行く。最後の朝食だ。
「んぁ...やっぱ、仮説間違ってないかも」
「え、仮説ってなんですか?」
オータニ先輩は自分の箸で、取りすぎたベーコンをつついている。
「霊の仮説よ」
「え、本当ですか?」
「あぁ、少女の霊だけだと思ってたけどよ...霊は2人いた」
「じょ、承太郎さぁぁぁぁぁん!」
「まずい!ジョンガリ・A とプッチ新神父から逃げろぉ!」
「おい、あまり動くな!マンハッタン・トランスファーに索敵される!」
「茶番は終わりにしろ」
オータニ先輩はベーコンを口に入れながら会話を続ける。
「昨日見た少女の幽霊と、中年の幽霊がいる。雰囲気が似てるから、家族だ」
「そうですか...」
「雰囲気が似ていたから、2人いる事に気が付かなかった。少女が活発すぎたんだ。ポルターガイストを行ったのも、少女だけだ」
「そうなんですか...」
「あぁ、だから2日目に幽霊を見た時も違和感を覚えなかった」
「で、中年の幽霊はどこにいるんですか?」
「天井だ」
オータニ先輩は真顔で上を指差す。俺と朱雀は上を見る。何も見えない。
「まぁ、見えないだろうな」
「どうして...気付いたんですか?」
「んまぁ、霊がいる場所位わかるよ。少女の幽霊を意識してたら、そっちじゃない方から包丁を研ぐ音、すなわち別の幽霊が出している音が聞こえたからな。まさか、真上だったとは」
そうだ。俺達は、学校で来ているから座る場所は変わっていなかった。だから、オータニ先輩も音が聞こえる場所は変わらなかったのだ。
「なんで、昨日は聞こえなかったのに今日は聞こえたんですか?」
「昨日も聞こえてたんだろ?微小にだけどな。今回だって、聞こうと思わなかったら聞こえなかった」
「そうなんですか...」
そんなこんなで、俺らは演劇合宿を終える。ヘトヘトになって帰りの新幹線では寝た。帰りの新幹線は、奇跡的にレイラと同じだったことは覚えてる。
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数というものは曖昧なものだ。
1+1=1
ー 演劇合宿編 完 ー