その男、なろうにつき黙々とホラーを書く――
ツヨシ氏。そのなろう作家と出会ったのは私がなろうの交流活動を始めて間もないときの事だった。
当時は様々な作品を読みにいったものだったが、なかなか自分にフィットする作品がなかった。当時ブームにブームを呼んでいた異世界転生はあっさり飽きてしまった。
そんな幾万もの作品群の中でひと際、異彩を放つ作品があった。
彼の書かれた『凶風』である。
元々は某SNSで知り合い、挨拶を交わす程度の仲だった。
しかし読んでみると実におもしろいのである。彼のわかりやすい文体は単細胞な読書脳の私に響いた。そして何の運命か私は大のホラー好きで彼はもっぱらホラーを書き続けていた。
私が感想を書くと「感想ありがとうございます」。その一言だけだ。それなのに私は何故かその一言の返信が堪らなく嬉しかった。そして彼の返信もやがて「いつもありがとう」に変わってゆく――
私は「小説家になろう」での活動をある作品の大ヒット(私からしてみればの基準で)を皮切りに発展させた。Youtubeでのラジオや実写動画の投稿、遂には人気Youtubeチャンネルと小説コンテストの企画を主催してしまうユーザーにまで進化した。
また私はレビュアーとしても有名な存在になる。レビューの投稿数が300を超えたのだ。
そして私は忘れない。私が初めてレビューを投稿した作品は他でもない彼の『白い闇』だった。
ツヨシ氏の短編形式にして4万5千字に及ぶ大作。そして普及の名作だ。
彼との交流が芽生えた事もあった。そう、ラジオの収録で直に会ったのだ。
当時の私は30代になったばかりの青二才。彼は50代の貫禄ある大先輩だった。それなのに何故だろうか。私は彼に親近感を覚えて仕方なかった。
私は2016年よりイデッチ・アワーズという表彰イベントを主催するようになった。そして2016年の最優秀作品賞は私が初めてレビューを書いたあの作品。
2018年は『胸張り裂ける思い』という衝撃の展開を孕むホラー作品がノミネート。
強豪が犇めくなかでの堂々としたノミネートだった。
2019年はスタンダードながら不気味な雰囲気を充満された『這い寄る者』がノミネート。
2020年、ノミネート作品変更によるノミネート。棚から牡丹餅でも作品に力があっての功績。
そして2021年『カウの島』がノミネート。これがそのままアワーズの頂点に立った。
ツヨシ様の最高傑作。私はそう表現した。
私は実感した。やはり私は彼が大好きなのである。そして私の創作史は彼と共にある。
イデッチアワーズは昨年より「殿堂入り制度」を導入。彼がそれを達成するのは時間の問題だろう。仮に今年達成されなくともだ。遅くても来年か再来年か。私はそれを疑わない。昨年やった冬ホラーフェスの朗読ドラマ枠だって、そんな彼だからこそオファーを贈った。
しかし彼にとってそんなことは関係ないのだ。ひたすらホラーを書き続けている。
嵐が吹き荒れようと、目のまえに瞳を奪うほど綺麗なお花畑が広がろうと――
私はそんな彼に今も惹かれ続けている――
その男、なろうにつき黙々とホラーを書く――
∀・)IDECCHI AWARDS2016,IDECCHI AWARDS2021で最優秀作品賞を獲ったなろう作家、ツヨシ様へ想いを馳せました。これを読んだあなたはいかに僕が彼を好きなのかきっとわかるだろう。気になったのであれば是非僕のブクマから彼の作品を読んでごらん?きっとあなたもハマるよ?