4話 カップヌードルの美味しさ
「あれ、食べないんですか?」
「いえ、食べますけどその‥‥。」
「あー。ほい、フォークとスプーン」
俺はいつも箸という東洋文化のもので食べているためどうやって食べればいいのかわからなかったようだ。
エリシアに、フォークとナイフを渡すとソフィが棚から割り箸を二本持ってきてカップヌードルの蓋の上に置いた。
「ありがとうございます。それは箸ていうものですか?」
「まぁ一応、使い回さない方の橋だけどね」
「そうなんですか‥‥」
皿の上に置かれていたころもでまぶして合ったとんかつを口の中に入れるとその美味しさに何もつけずに夢中になって食べてしまっていた。
礼儀を忘れるほどに‥‥。
「おいひぃすぎます! なんですかこれ?」
とんかつを加えたまま瞳をキラキラと光らせて聴いてきた。
「え、とんかつだけど」
「とんかつですか!! もっと食べたいです!」
いつの間にか俺の昼飯のとんかつが無くなっていた。
それ以外の物も既に間食していたのである。
ビピピピ‥‥ビピピピ
タイマーが三分たったことをアラームで伝えた。
エリシアの食べる速さが尋常じゃないことがわかったが、こんなに姫様ぽくないエリシアは久しぶりに見た。
「アル。ほい」
「お、サンキュ」
ソフィが蓋を全部開けたカップヌードルを二つ持ってきて片方を俺に渡してきた。
「いただきます。」
「い、いただきます!」
カップヌードルのなかに入っている麺をすすりながら食べていると、ソフィも俺と同じことをしながら食べていた。
俺の真似でもしているのだろうか。
ずず、ずずずず。
啜る音が聞こえる中エリシアは、俺たちをじっと見つめていた。
「少し食べるか?」
「いいのですか?」
「いいよ。まだあるし」
エリシアが突然口を開け始めたので、咄嗟の反応で麺をエリシアの口に入れると飛び上がる程の美味しさだったのか、もう一口が何回も続いたのである。
エリシアは姉クラシアがいた時は今のように何も考えずに自分が思ったことを自由にやるような性格だったが、クラシアが幼く亡くなるとエリシアはその事に耐えられずに絶望した。
俺達のにも相談できないほどに苦しんだという。
その後、両親がいつの間にか暗殺されたことに気づき部屋から出れなくなるほど落ち込んでしまった。
王位継承権が一気に上がり女王になるも、外に遊びに行くことが一切出来なくなってしまい、いつの間にか俺は彼女のことを忘れていたのである。
「久しぶりに見たよ。お前の楽しそうな笑顔」
「そうかなぁ? アルバートがいるからじゃないかな?」
「まぁあれから色々あったもんな」
「うん。」
ここまで見てくれてありがとうございます!
昨日更新出来なくてごめんなさい(´;ω;`)
・とんかつを、初めて食べるエリシア
・カップヌードルの麺を啜る
・エリシアの過去