2話 消えた少女の秘密
「あれ? どこ行ったんだ? 」
「ふむ。消えたとしか言いようがないけどねぇ。」
「親父そう言うならそうなんだけど、右腕の刻印まで消えたからほんとどうなってんだ? 」
「あ、そういえば、さっき私の書斎から彼女に関する書類が出てきたから読んでみてくれ。」
親父が渡してきた書類は、かなり古い物だった。
書類は、確かに現在の彪月文字だが所々で古代文字が入っていた。
その古代文字を辞典で解読してみるがよく意味がわからない。
『黒き月が現れる時、所有者の意思関係なく消える。次来るのは光の太陽がの登る時』
「親父。今日て新月か? 」
「ん? 確かに両方の月とも、新月だが...。」
ベッドから立ち上がり窓の外を見るとすっかり日が落ち真夜中になっており、西の空にあるはずの月が何も見えないのである。
「通りで...。」
「ん? いいのか? もう立ち歩いて」
「大丈夫だ。それよりしばらくこの書類借りるぞ」
「貸すていうか、あげるつもりだったが...。まぁいいか」
俺と親父は保健室から出て学園の敷地内にある家に向かった。
家に帰った途端俺は、借りた書類を解読するのに必死で自分の部屋から出てこなかった。
ソフィ・ベルセルク。それが古代文字で書かれた白髪の少女の名前だという。 彼女の見た目は、魔剣とは思えない美しさがあるが本来は黒髪だったという。人間界に渡る際髪の色が落ちたらしい。しかし、驚いたことに、ソフィの事はこれくらいしか書いていないのである。
大半の文章は、彼女と目が合ったら殺されるや大地を一撃で炎の泉に変えたとか魔王が使っていた魔剣とだけ書かれてあった。、あとは警告文だけである。
ソフィを使用する際、持ち主の力を何万倍に膨れあがらせることが出来るが落ち主によって力に耐えきれず、肉体を壊すことがあるという。
もう一つは、漆黒の闇に包まれると自分の意識とソフィの意識が融合するという。
よく分からないがこの二つは覚えておいた方がいいのだろう。
そう思った途端眠気が襲い初め座ったまま眠りについた。
「あれ、ここアルの部屋なのかな? 」
ソフィはアルバートのベッドに姿を現し机で眠っていたアルバートに毛布を掛けてあげた。
「ばーか、そんなに頑張らくてもいいのに...。」
ソフィはすべて知っていた。
アルバートが家に帰ってから今まで書類を解読していたことを、そして朝まで徹夜しかけていたことも。
◆◆◆
目を覚ますと背中に毛布を掛けられていることに気がついた。
俺のベッドには、昨日姿を消したソフィが気持ちよさそうに眠っていたのである。
背中にかけられた毛布をソフィにかけてあげると、笑顔のような寝顔になった。
壁にかけられている時計を見ると昼の一時だった。
慌てて身支度をして親父の部屋に向かった。
「お、やっと起きたか。」
「親父。今日は何曜日だ? 」
「白の日だがどうかしたのか? 」
白の日。現実世界で言うところの土曜日だという。それ以外にも月曜日は陽の日 火曜日は月の日。水曜日は水の日。木曜日は森の日 金曜日は夜の日、日曜日は赤の日。のようになっている。
白の日と赤の日は、現実世界と同じ休みの日である。
「なんだ白の日か...。」
「学校あるかと思ったのか? 」
「まぁな。マジで焦ったわ」
「徹夜するからだぞ」
ここまで見てくれてありがとうございます。
クリぼっちは寂しいです( '-' )ノ)`-' )ぺし
・白髪の少女が突然消える
・彼女の名前がソフィ・ベルセルクと分かる。
・彼女の優しさ