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波、晴るる。  作者: 潮留 凪
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1 夏、追憶



 “こんな世界、間違ってる”

 


 

そう叫んだきみは、もう居ない。

 

結局何が正しいとか、間違ってるとか、そんなの関係なかったんだと思う。

ただきみを、奪われたくなくて、必死で逃げた。

 

そこには正義も希望も無かったけど、初めての

「自由」を、君はくれた。

 

✱ ✱ ✱



照りつける様な太陽、眩い青空と、大きく背に映る積乱雲。忙しなく合唱する蝉の音、揺れる海。



「ただいま」


 

長い髪を後ろで一つに結わえたスーツ姿の女性が、白い花束を大事そうに抱え、立つ。


潮風を胸いっぱいに吸い込み、寂しげに笑う。

きっと生涯忘れることの無い、あの記憶を想う。



ふと、いたずらな風に白い花びらが舞う。





─────きみと、セーラー服が揺れて。


─────ぼくだけの、あの夏を思い出す。








熱く儚く、何よりも愛おしい、きみとの日々を。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 情景描写と言葉選びが美しくて、一気に引き込まれました。 この先の展開も楽しみです!
2023/05/14 10:18 退会済み
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