生き抜く為に
深夜テンションで2話目。(3話目は)あるかも分からないです
まぁ、この村の人達に悪いヤツは居なさそうだし、匿ってもらうのも悪くねェか。
とりあえず俺は若者に頼んで匿ってもらうことにした。
俺はよっぽど疲れていたのか、あの戦闘の後すぐに村に用意された寝床で眠りに着いた…………。
次の朝、俺はゆっくり目覚める。改めて周りを見渡してみる
村はだいたい東京ドーム0.5個ぶんくらいの大きさかな?いやこれじゃ狭さが伝わらねェと思うけど、なんていうかこまごまとした藁の家が数十軒建ってて、あとは畑。。ただの畑。。この村はただそれだけだ。しかも畑の数に対して稲の数が少ない。今年は凶作なのだろうか……と思いふけっていると、
「私はシンゴ。族長の息子のシンゴです。先程は助けて頂いて本当にありがとうございました!!……そういえば旅人さんはさっきの兵士達を怖がってなかったり、そのヘンテコなマジックアイテムを持っていたり、もしかして違う街から来た旅人さんなのですか?」
マジックアイテム……恐らくスマホの事だろう
「あァ、俺は長谷川。違う街っていうか、違う国?から来た感じなんだが、まず聞きてェ事がある。ここは一体なんて名前の村なんだ?んでここはなんて名前の国なんだ??」
「はい、、なるほど、では長谷川さんはガルディアから来た戦士とかという訳ではないのですね……長谷川さん、ここは王都ガルディアから1番離れている村、サッポロです。そして何故ここに兵士が来たかと言うと……」
「ッッサッポロ!!!!?????」
内心で少し驚いたつもりが、思わず口に出てしまう。
え、サッポロってあれだよな?北海道にある街の名前だよな?ガルディアとかいうのは全く知らんけど、サッポロってあの札幌だよな????んじゃここって普通に日本なんじゃ……?
「は、長谷川さん大丈夫ですか、?話を続けさせてもらっても宜しいでしょうか……?」
「あ、あァ。すまん少々取り乱した、」
冷や汗をかきつつ、話を聞く姿勢に戻る。
「ここはサッポロ、昔はもっと綺麗な緑色の草原に囲まれていて、村の住人も沢山居て、凶作に悩まされる事もなく豊かな暮らしをしていました……。……ガルディアの王がアイツに変わるまでは……。 」
ん?アイツ……?
ってかもうサッポロって名前にツッコむのもアホらしくなってきたな……
俺は半分冗談、半分本気でシンゴの話を聞き続ける。
「ガルディアの王が……クボタという者に変わるまでは。アイツの政治は本当に横暴で、非人道的で、自分勝手だった……。特に「出荷」と「お供え物」っていう新しい制度が出てからは毎日が地獄だった。。」
ふーーん。クボタねェ。。
………………
「「出荷」という1ヶ月に何十人もの若者を王都へ連れて行って強制労働させる恐ろしい制度に、「お供えもの」という村の作物の8割を王都に献上するという制度。この2つによって我々の暮らしは一気に変わりました……。あんなに活気のあった村は寂れていき、働き盛りの若者は全て王都に連れていかれ、老人や子供が田植え作業をやらざるを得なくなったり、雨が降らなくなって凶作になった時にはある分全部作物を持っていかれたり……お陰で赤子が栄養不足や飢餓で死んだり、爺さんが過酷な環境での働きすぎで過労死したり、王都が新しい畑の肥料を寄越さなかったせいで畑の半分がダメになり……。」
「気がつけば飢饉で渡すものが無くなり、「お供えもの」に期待すらされなくなって、僕も今日「出荷」予定日で連れていかれるのに抵抗した結果、家を焼かれてしまって……ここに20歳程の若者は僕1人になってしまったし、僕がいなくなったらこの村はもうダメだったかかも知れません……この村は王都から1番遠いし。巷では゛終わりの廃村゛ 殺滅 とか呼ばれたり……」
……この村散々じゃねーか。
なんか踏んだり蹴ったりとはまさにこの事。俺があそこで変なスキル出してなかったら今頃あのシンゴっていう青年も連れていかれて文字通り殺滅になってたじゃんか。なぁ。
って事でひとまず分かったが、ここは俺が住んでた札幌とは違って別の時代?か別の世界線のサッポロっぽいな、江戸時代とか?いやもう少し前だな。火縄銃とかもまだ無さそうだし。ガルディアってのはいかにも異世界っぽい名前だが、サッポロって……
それにもう1個、クボタって名前が出てたけど、アレックスとかそーゆー外国人系の名前が出てくる中、日本人の名前ってのも珍しいな、やっぱこの世界にも俺みたいに死んで生き返った奴が居るのか?いや、そもそもまだなんで生き返ったのかすら分からんけど……
そういや谷口のやつ、まだ俺の事待ってんのかな…
悪ぃな谷口、俺は先に社畜っていう地獄からリタイアしたよ。
「ン、そうか、まぁ村が助かッて良かッたな。ところで俺はその王都とやらに行きたいんだが、お前シンゴって言ったっけ?道案内を頼みてェんだが……」
そうだ、とりあえず今の王様のクボタって日本人に話を聞けば謎が解けるかもしれないし、もしかしたらなんで生き返ったのかの理由も聞けるかもしれないし、。だからまず向かうべきは王都だな。
そう思いつつ俺はシンゴという青年に道案内してもらうべく提案を出す。
「モチロンです!!僕も王都に連れ去られた村の若者達の行方を知りたいですし、制度の改善をリコールしたり、アホ国王に1発拳を食らわせてやりたいもんです!!」
シンゴは先程までの曇った顔つきはどこへやら、嬉々とした笑顔で俺の提案を受け入れる。
「ウッシ、その心意気やよし!んじゃあ出発としますか!!」
まぁ初日から色々あったが、とりあえずシンゴという青年と一緒に王都へ向かって色々と教えてもらうとしますかね。
俺のあっけない死から始まった旅は、始まったばかりっつー事だ。
んにゃぴ……マット運動の出番は次回ら辺からっすね