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〜体育5の俺が真の力を見せる時が来た〜

多分30話くらいで完結するっぽいやつです、脳みそからっぽにして書いた初投稿なのでお許しを。

ひゅうぅ………




「今日も寒いな…また帰るの遅くなっちまうよボケ〜」




ひらりひらりと舞い散る落ち葉の中、今日ものんびり退社する。

俺の名前は長谷川 一浪 (はせがわいちろう)。普通にIT企業で働いてるごく一般の社会人だ。

別に大した事はない。収入は普通だし、酒は弱いし、タバコ吸ったら咳出るし、この会社も務めて20年になる。もう41歳だ。辞めようと思った事は何回もあるが、なんやかんや続いているしもうマンネリ化してきた。今となっては辞めようっていう思考すら放棄している。





「こんなレールに敷かれたような人生、なんかつまんねえよなぁ…」





俺は今日も独り言を呟きながら車に乗り込む。家には妻もいなく一人暮らし、母も父も他界していて俺を心配してくれる人なんて誰もいないに等しい。寂しいもんだ。





……プルルルル。




「…またか。」


電話が鳴る。相手は分かっている。この時間に電話を掛けてくる奴なんてどうせ同じ会社で勤務している谷口の野郎だ。





「僕だよォ!僕僕、覚えてるぅ?」






「あぁもううるせえな…分かってるよ。んで今日も行くのか?」





「モチモチロン行くよぅ!!グヘ!いつもんとこで待ってるゼ!ウピ!」





「分かったよ…切るからな。」





ピッッ 谷口との会話を話半分で終わらせて電話を切る。






いつもの所とは恐らくあそこだろう。「娘々ラーメン(にゃんにゃんラーメン)」という店員がメイドのコスプレをした店だ。少し割高だが何故かあいつはそこを気に入ってる。……正直味は微妙だし高値だが、あの店のこももちゃんという1番人気の娘を気に入ってるから通い続けてるんだろう…。俺は谷口が1人で行ったら心細いから一緒に来てくれという半ば強引な理由で連れてこられている。…………出来れば恥ずかしいしもう行きたくないんだが。







「ッヨシ、仕方ねえから行くかぁ、」






アイツとは社員2年目からの長い付き合いだから断る訳にもいくまい。それに、あいつからあの店を取ったら魔法少女系列の本をひたすら俺に批評家気取りでレビューして来たり、やたらと今の日本の政治の悪い所について語り出したり、俺っていつ死ぬんだろう、このまま一生童貞なのか?と問いかけて来たりろくな趣味しか残らないんだがな。






俺はそんな事を考えつつ、車を動かす。





次の信号を曲がって直進すれば店に着く。俺は目の前の信号の赤色を見て止まろうとした。




……その時





ブーーーーーッッ!!!!ブーーーーーッッ!!!





携帯のバイブレーションが突如鳴りだす。






「ったく……うるせぇな誰だよ、」






俺は反射的にスマホを手に取ってしまう。

スマホの画面には「おめでとうございます!!貴方は当選しました!!」の文字が。





「胡散臭ェメールだなぁ…詐欺の類だろうなァ」





……と考えていた刹那、俺はブレーキを踏む事を疎かにしていた事に気づく。





「ッッッッ!!!」






キキィッッッッ!ガッシャアン!!!!!!!!





……やらかした。鉄と鉄がぶつかる鈍い音がした






ザワザワ……………






何やら騒ぎ声が聞こえる……体が暑い……痛い……うぅ……







ー俺の意識はそこで途絶えた……









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








…どれくらい時間が経っただろうか。ふと目が覚める。








周りを見渡す。木々が生い茂る。綺麗な花が風に乗って甘美な匂いを放つ。ここは恐らくどっかの森か……。







「ここは何処だ……?」





誰もいない場所に1人問い掛ける。勿論答えなど返ってくるわけもなくだだっ広い空に虚しく声が響き渡る。






「まぁ返事が返ってくるわけもねえ、か」







とりあえずただここに突っ立ってる訳にも行かねェし探索する事にしよう。この森を抜けなきゃここが何処かもわからねェし。






てか、未だに謎が多すぎる。何故生きてるかもそもそも理解できないし俺、あの時ブレーキを踏めなくて死…………ッ







思い出すとゾッとする。あんなにリアルな事故体験をしたのに自分が生きている事に驚いているが、何よりも驚いたのはグー○ルマップにこの地の名前も場所も表示されない事だ。電波は確かに通っているのに、だ








「時代の頂点スマートフォンさんですらダメかぁ、このままじゃ場所も何もかも分からんなぁ。しゃーない、まず森を出るのが最優先かな」







自分の勘だけを頼りに木々を分けて進んで行く。

歩いていればせめて街か村か何やら見つかるだろうという目論見である。その為だけにひたすら歩くーー。





ーしばらく歩くと、何やら集落が見えてきた。それは街……とは呼べないほどの小さな村である。藁で出来た建物がぽつぽつと並び立つ。それ以外の場所は何やら稲のような田畑の面積が殆どを占める。人はちらほら見えるが、老人と子供ばかりで若者は少しも見当たらない。いや、それよりもなんか様子が変だ。活気が無い…



よく見渡すと、建物の中に一つだけ焼け焦げた家を見つけた。ついさっき燃えて消火したばかりって表現したらぴったりだろうか


俺は唯一情報の手がかりであるこの村を頼るべく、焼けた小屋の前に立っている村の老人に話を聞くことにした。



「オイ、そこのじいさん。ここで何があった?そしてここは何処だ?」



「おぅ…… お主は誰じゃ…?旅の者か?……すまんが後にしてくれんか、儂は今… 今……。」


老人は嗄れた声で俯き、震えながら言う。



んー、聞く相手やっぱり間違ったなァ


そう思いながら老人と少し距離を取り、別の人に話を聞こうとした……


その時…



「オイ!!!貴様!!!!! 貴様もこの村の者か?」



突如威勢の良い声が響いてくる。


その声を出した主は全身鎧を身に纏って、矛らしき物を持つ、まさになんて言うか……中世の兵士っぽい身なりをしていた。


「オイ!!!!!聞いているのか?」


「ん……あ、俺?いや俺は別に……」


「ふーーーむ、、どうやらこの村の者では無さそうだな、行け。」



「あ、そっスか、…」



俺はなんか強そうで威勢の良い兵士を目前にして、弱腰でそっけない態度を取ってしまう



俺の簡潔な予測だが、恐らくこの兵士とその後ろにいる数十人の軍勢が家を焼いたに違いない。何故燃やしたのかとかの理由すら分から無いが……



俺が恐る恐るその場から立ち去って体制を立て直そうとしたその時



ピピピピッッ!ピピピピッッ!!!!



何か聞き覚えのある音が大音量でポケットから鳴りだす、

ん?なんかこれ聞いた事あんな……?特に朝……しかも毎日……




俺の嫌な予感は勿論的中した。




突然の出来事に不意をつかれ、俺は咄嗟にスマホを取りだしアラームを止めようと試みる。しかしそれが裏目に出る事となる。



アラームの音に気づき、帰ろうとしていた兵士達が足を止めこちらに戻ってくるのが見える。そして視線が一気にこちらに集まるのが分かる



「何の音だァ?? 貴様ァ!!!む、その機械は何だ??」




さっきの矛を持った兵士が寄ってきて、俺がポケットから取り出したスマホに目を向ける。それも物珍しそうに。



「貴様ァ、それを見せろ。それは一体何なんだ??軍の通信機か?」




どうやらここじゃスマホどころかガラケーすら流通していないくらい古い時代っぽい、しかも兵士の装いからして多分かなり昔の時代に来てしまったんじゃないだろうか



まぁ、そりゃあ10世紀くらいの奴らにこんな次世代のブツ見せたら俺でもビビるわなぁ



「これはスマホっつーモンだ。。まぁ、お前らで言う所の通信機?に値するんだろーケド。」




「む、、すま、ほ?……うーーむ、怪しいな……貴様、生まれはどこだ?」




「俺?日本だけど、そういやここは一体何処……」





「ニホン……知らん国だ…。やはり貴様怪しい。怪しいぞ!!!さてはそのニホンとやらから来たスパイだな???」



「いや違うって!!!ボケ!!俺はここが何処かすらわかんねーーっての!!」




「「問答無用!!!!敵国の者は此処で切り捨てる!」」




矛を持った兵士がいきり立って俺に襲いかかってくる。



(えっ……普通に矛相手に俺勝ち目無くね……???)

(とりあえずどうにかしてこの場を収めないと……)


(とにかく考えろ、、考えろ!!!面白い芸とかなんか得意なことすればこの場を凌げるハズ……思い出せ……思い出せ!!)



ひたすら自分の脳みそから何か打開策をひねり出そうと試みる。




(あ、そういえば俺、中学の時体育のマット運動だけは評価5だったっけな……)



そんな下らなくどうでもいい情報を思い出した刹那……




自分で動かそうとするより先に、体が勝手に動いた。

気がつけば俺は兵士が突き出してきた矛をバク転で避け、でんぐり返しで股の間を通りつつ兵士の項を手刀で打った。



「うっ、グ……」


その場にこの中では1番手練だと思った矛の兵士が突っ伏して倒れている光景があった。



ん……?え、今何が起きた?????????

俺はただマット運動だけは先生に褒められるほど上手かったよなぁって思い出しただけなのに……



いや、んな事どうでも良い。とりあえずこの場を収めるにはこれで十分!!



「オイ!!!兵士ども!!!テメェら聞け!!!この兵士みたくなりたくなかったら俺より強いヤツか勇者でも呼んでこい!!!分かったらとっとと失せろ!!!!」



精一杯の虚勢を張って兵士共に呼びかける。


昔 体育で始めますと終わりますの挨拶を大声でしなければ放課後呼び出され再指導されるという鬼門をくぐってきた俺にとって声を張り上げる事はかなり得意な部類にも入る。



俺のただ声を張り上げるってだけの虚仮威しにビビったのか、兵士たちは



「う、うわぁぁぁぁあ!!!!あ、アレックスがやられたぞ!!退散!!退散だぁぁぁ!」





「ひぃっ!!にっ、逃げろぉぉぉお!!王に報告をぉお!!」




「貴様ァ!!!アレックス兵士長の恨み……決して忘れんぞ!!!!!!貴様なぞクボタ様の足元にも及ばぬからな!!」





兵士達が口々に物事を侍らせながら逃げて行く。……なんか日本人っぽい名前が聞こえたのは気の所為か??



まぁ気の所為だろう。俺はふと振り返ると、村の住民が輝いた目で俺を見てくる。やっぱりあの兵士達は悪いヤツらだったんだろう。



と、そんな中、若い成人男性のような村人がこちらへ歩み寄って来る。



「すいません。私たちの村を救って頂いてありがとうございます。貴方様のお陰で、私は「出荷」を逃れる事が出来ました。……来月にはまた兵士達が来て取り立てられてしまうのですが、、」




そう言われた。その目は怯えた小動物のような瞳をしており、兵士はもう居ないというのに膝が震えている。





「いやァなんて事ねェよ。ひとまずひと段落着いたな、ちょっと若い人、お前さんに頼みがあるんだがここに少しばかり泊めてくれねェか?色々と聞きたい事もあるし、な」




「はい!!村を救ってくれた人ですもの!!是非とも休んでいって下さい!」





とりあえず俺はさっきまで森を歩いた疲れと戦いでの疲れを癒すため、そして情報を色々と探るため、この村に泊まることにした。






あの兵士達の目的は何だったんだ……?「出荷」って何だ……?んでここは一体どこだ??そしてさっきの戦いの時に起こった超人的な力は何だったんだ???俺は何故生きてる???





考えれば考えるほど謎は深まってくばかりだ。……





































先輩ちゃんの次回作にご期待下さい!!(1人でも見てくれる人が居たら続編描きます)

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