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マーリンさんの学業奮闘記  作者: はぐれメタボ
一年生
6/31

マーリンさん、戦う

「痺れよ 束縛の枷 パラライズ」


 カイト先生は驚愕しているコーレル先生に闇属性の麻痺魔法を放った。


「ぐぁぁぁ!」

「コーレル先生!」

「くっ、戦闘体制を取れ!対魔法使いの陣形だ!」


 レオの指示に私達は直ぐに隊列を整える。

 コーレル先生の治療は後だ。

 まず、カイト先生を倒さないといけない。


「ふん、実戦も知らんガキの付け焼き刃など通用すると思っているのか?」

「黙れ!みんな、殺してしまっても構わん。いくぞ!」

「若造が!舐めた口を利くな!

 大地の刃よ 我が声を聞け 数多の剣閃よ 宙に舞え アースエッジ」


 カイト先生の立つ地面から石で出来た剣が次々と空中に飛び上がり私達目掛けて飛んできた。

 土属性の上級魔法だ。

 土属性の魔法は炎や水に比べて地味に思われがちだが、他の魔法に比べ、圧倒的な質量から生まれる攻撃力と防御力は非常に高く、実戦ではかなり強力な魔法だ。


「我等を守れ 堅固なる守護者 アンチマテリアルシールド」


 私が展開した物理防御の魔法は何とかカイト先生の魔法を防ぎきった。


「おぉぉ!」

「はっ!」


 レオが剣で切りつけ、躱した所にアルが槍を放つ。

 単純であり、隙のない連携だがカイト先生はレオの剣を躱し、アルの槍をナイフで軽くいなしてまった。

 

「やっ!」


 レオとアルが一旦引いて、体制を整えようとした所を追撃しようとしたカイト先生にシアがメイスを振りかぶる。


「むっ!」


 カイト先生がナイフを掲げメイスをいなそうとする。

 しかし、シアのメイスはナイフに当たる前に軌道が変わる。

 振り下ろしから横薙ぎとなったメイスに右腹を打たれたカイト先生が数メートルほど吹き飛ばされる。


 実は私達の中で1番強いのはシアなのだ。

 私は勿論、レオやアルも模擬戦で勝てたことが無い。


「みんな!こっちはもう大丈夫だよ」


 私達がカイト先生を引きつけている間にクルスは捕らわれていた女性と麻痺してしまったコーレル先生を隣の部屋に運んでいた。

 これで流れ弾を気にせず魔法が使える。


「切り裂け 疾風 エアカッター」


 立ち上がったカイト先生にアルがすかさず風魔法を放った。

 威力は小さいが発動が早い魔法だ。

 レオ、アル、クルスが牽制して私とシアが大ダメージを狙う。


「大地よ 我がぐ!」


 カイト先生が詠唱を始めると一斉に攻撃して妨害する。

 魔法使いを相手にするときの常套手段だ。


「打ち抜け 白き雷 ホワイトボルト」

「吹き飛べ 衝撃の風 エアショット」


 シアと私の魔法がカイト先生に命中する。

 カイト先生はうつ伏せに倒れ動かなくなった。

 確かに私達は実戦は初めてだが、流石に5対1では勝ち目は無かったのだろう。


「何とか勝てたな」

「はい。ですが、やはりわたくし達は実戦経験がありませんから、危ないところも多かったですわ」

「取り敢えずカイト先生を拘束しましょう」

「僕、何か縛るもの探して来ます。」


  私達が戦闘後の話をしていると。


「かかか!だから若造だと言うのだ!」


 何とカイト先生が起き上がり近くに居たレオにナイフを振りかざして襲い掛かってきた。

 ダメだ!間に合わない!

 そう思ったときだった。

 私の視界の外から飛んできた巨大な岩がカイト先生を吹き飛ばした。

 カイト先生は大岩の下敷きになり、血溜まりが広がった。

 もはや命は無いだろう。


「はぁ、はぁ、お前達、無事か?」


 大岩を放ったコーレル先生はまだ麻痺が完全に解けて無いのか、ドアに縋り付くように立って居た。


 それからコーレル先生の麻痺を解き、縛られた女性を解放した私達は、地上に戻り王国の衛兵から事情聴取をうけるのだった。




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