マーリンさん、相談する
「遠征の準備ですか?」
私達は、来たる遠征に向けて何かアドバイスを貰えないかと思い、ユウ先生に相談する事にした。
「そうですね。
もちろん武器や防具も大切ですが基本的に向こうでは、全て自分たちでやって貰う事になると聞いています。
ですから、食事や寝床などの野営も考えて準備する必要があります。
いざと言う時の為の保存食や毛布などをキチンと用意しておく事が重要です。
それと、何より大事なのは情報です。
遠征の場所は分かっているのですからどの様な魔物が出るのかはもちろん、地形や野営に適した場所、採取可能な植物や鉱石などの情報を集めておく事が生死を分ける事となります」
まともだ。
凄くまともだ。
薬草学の講義と言いやはり優秀な冒険者なのだろう。
なのに何で、言動から凄く残念な感じがするのだろうか?
「情報ですか」
「はい。しかし、集めた情報はあくまで参考にするだけです。
どんな事にでもイレギュラーは起こります。
事前に集めた情報に頼り切っていてはいけませんよ」
「「「「「はい」」」」」
「では、皆さんの武器と防具を見せて下さい」
「武器と防具ですか?」
「買い換える必要があるか見てあげますよ」
私達はそれぞれ実戦用の武器と防具をユウ先生に見せた。
「レオさんの剣は問題有りませんが、遠征の前に1度、研ぎに出した方が良いですね。
盾は取手が少し緩んでいます。
コレは修理に出すべきです」
「は、はい」
「アルさんの槍は…………少し芯に歪みが有りますね。
新しい物に変えた方が良いです」
「分かりました」
「シアさんのメイスは良く手入れされていますね。
しかし、シアさんの技量ならもう少し重たい物を使った方が良いですよ。
盾はこのままで大丈夫です」
「ありがとうございます」
「クルスさんの短剣はこのまま研ぎに出せば問題ないですが、遠征に行くなら予備を何本か用意しておいた方が良いですよ」
「は、はい」
「マーリンさんは杖ですね。
………………うん、とても良い杖です。
あとは念の為、短剣かナイフくらいは用意しておいた方が良いですね」
「はい」
「遠征は危険ですから、しっかりと準備して下さいね」
「はい」
「ありがとうございました」
私達は相談の結果、次の休みに街に出て、武具の準備と冒険者ギルドで情報を集める事になった。




