全てを筋肉で解決する鬼退治2
どっかで見たような人たちが登場しますが、気のせいです。
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、川上からどんぶらこと、大きな桃が流れてきました。
おばあさんはそれを家に持ち帰ると、背中の巨大な太刀を引き抜き、桃に向かって振り下ろしました。
「この世に斬れぬ桃はなし!一文○流・斬○剣!!」
パカリと割れた桃の中で、額にハチマキを着けた学ラン姿の青年が、白刃どりで太刀を受け止めていました。
「…押忍!桃太郎です!!」
そして桃から出てきた青年は、唐突に自己紹介すると、服のポケットから一枚のハガキを取り出して、往年の堀○行イケメンヴォイスでそれを読み始めました。
「今日は、覇鵶雌褸吽市の大岡ひじきちゃんからのおたよりだ。
『こんにちは。私の学校でも先日愕怨祭が行われて、【悶邪の舞】だと部の先輩が鉄板を出してきたので、早速お好み焼きを焼いて販売して大盛況だったのですが、後から『そこボケるならせめてもんじゃにしろ』と怒られました。これ、私が悪いんでしょうか』…って!
ひじき、おまえは空気読むって事を学ばなきゃダメだぜ♪」
「おまえが言うな」
そんなこんなで桃太郎は、鬼退治に出かけることにしました。
「強引だな」
「この世界、登場人物全員鬼みたいなもんですから」
「なるほど」
納得するんかい。
☆☆☆
「来い桃太郎!
この邪鬼が貴様に、真の闘いを教えてやろう!!」
犬猿キジがそれぞれの敵との闘いを終え、遂に鬼の首領が桃太郎の前に立ちはだかりました。
闘気と威圧感で、その身体が10倍以上に大きく見えます。
「望むところ…最後の死力を尽くして闘うのみ…!!」
それでも桃太郎は息を整えると、自身の間合いから闘いの構えをとりました。
「勝負、はじめい!!」
「誰だ今の」
すいませんでした。