◇
こんな早く学校なんてなかなか来ないよ
無事でいてくれ、髪飾り!
教室へ行くと司がもう来ていた。
そしてなぜか私の作った髪飾りを持ってる。
え?司がなんで髪飾り持ってるの。
もしかして壊してたり、取っていたの司?
いや、でも一緒に行動してる時に取られたこともあるから、司じゃないよね。
でもなんで??
「おわ。来てたなら挨拶くらいしろよな。これ完成したんだな。めっちゃ上手じゃん。しかも簡単に壊れそうにないな」
「あ、ありがとう…」
ただ完成したかどうか見てただけ??
確かに昨日完成した事はグループトークで送ってたけど…
司に対して嫌な考えをしてしまってる。
大丈夫。司は友達だもん。そんな事しない。
ーーー『お前はダメな子なんだよ。周りから嫌われて当然の子なんだよ。友達も仕方なくお前といるだけなんだ。馬鹿なんだからちゃんとそこ理解しないとね。嫌々お前といるってことを』ーーー
ちがう。大丈夫。司は司。アイツはアイツ。
急にででくんな。昔のトラウマなだけ。
大丈夫。大丈夫。大丈夫。
「沙奈?大丈夫?顔色よくねーけど」
「あ、うん。平気、ちょっと寝不足で」
「これが心配できたんだろ?こんな早くに。俺も気になってたから来たんだ」
どうゆうこと?なんで心配?
私なにも言ってないよ?
「俺が最初に見た髪飾りとデザイン変えたって言ってたよな?変わったデザインとはまた別のデザインがこの前壊れてただろ?だからもしかしてなんか誰かにされてるんじゃないかなーと思ってね。お前昼休みの時も必ず髪飾りポケット入れてたじゃん?不自然すぎるっての」
「すごい。名探偵だね、司」
「あのなぁー、早くに言えって。こんな事されてるなら。たまには頼れよ。これだって何回も1人で作ったんだろ?すげーな」
「でも誰がしてるなんて分からないし、もしかしたら何か理由があるかもしれないし」
ちがう。本当は信じてもらえるかどうか分からないから言わなかっただけ。迷惑かけたくなかったからなだけ。誰からされてるかなんて、なんとなく分かってる。
でも私はダメな子だから。
「変に強いよなーお前。まぁ誰かにされてるって俺も思ったから、阻止するために来たんだけど。とりあえず俺のロッカーに入れとくな?この髪飾り」
「ありがとう、助かる。ただ莉央達には言わないで?心配かけたくないし」
「別にいいけど、心配ぐらいかけてもよくね?」
「そうかな?でも言わないで」
「はーーい」
司のおかげで不安な事なくなった。
ありがとう。
あ、少し気分もスッキリしてきた。
嫌な過去にいつまでも負けてらんないしね。