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あれから2週間たったけど…
作りかけの物がなくなったり、完全に誰かから嫌がらせを受けてるようだ。
まぁ私も3回目があってからは、できるだけ持ち物を置きっぱなしにしないように気をつけてるから、大丈夫なんだけど。文化祭まであと10日程。何もなければいいな。
「今日昼休みはステージ使えるから劇の練習通しでするので、全員参加してね〜」
「今のうちにステージ横に運んでおこうか」
「そうだね〜」
クラスの子達がしっかりしてるから、本当に助かるな。私も運ぶの手伝ってこよう!
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「沙奈ちゃん、透のロミオ楽しみだね!」
「そうだね!裏方の私たちはあまり緊張せずにすむね〜」
「透なら綺麗な顔してるから、客寄せなると思うしな」
「良かったね、あのまま司に決まらなくて」
「あー、あんときはありがと。助かったわ」
「どういたしまして」
「ちょっと沙奈ちゃん!小道具壊れてるんだけど!」
「え?どれ??」
「この髪飾り!ロミオからもらったっていう髪飾りよ!大事なやつだから、なおしてくれる??」
やられた…。
あのストーンを使った髪飾りが見事に壊れてる…。やっぱりギリギリまで持っておくべきだったな。失敗した。
「ちょっと見せて。これわざわざ1人で残って作ってたやつだよな??」
「あ、うん。そうだけど作り方が良くなかったみたいで、壊れちゃった」
誰かに壊された、なんて言ったって誰も信じちゃくれないし、嵐が通り過ぎるのを待つように、こっちが我慢してた方がめんどくさくなくていい。また作ればいいだけだし。
「沙奈ちゃん、こんな壊れるような作り方しないよね?誰かが壊しちゃったのかな?ちゃんと気をつけてほしいよね!作るの大変なんだから!」
「そうだね、今度は壊れないように丈夫に作るよ!」
莉央が怒ってくれるだけで、充分。
気にせず頑張ろう!