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「沙奈、意味わかってない顔だね。そのままの意味で国から決められた相手との結婚を国結婚。恋愛して自分達できめた結婚を自由結婚って言うみたいだよ」
へぇ〜。それなら家は自由結婚だ。2人とも仲良しで今でもイチャコラしてる。お姉ちゃんも私も困ってるぐらいに。
「家は国結婚だよ〜。国で決められた相手って趣味、価値観が似ていたりして、相性が良い人が選ばれるんだよね?AIが決めた相手だけど確か離婚率も国結婚の方が低いって言われてるよね」
ふーん。莉央の家は国結婚なのか。
「今は離婚率も低く、結局はAIの方が後々の事を考えると幸せなんじゃないか?って考える人も多くなったらしいね。自由結婚だと、その場の盛り上がった気持ちだけが先走って、結婚後は喧嘩が絶えないとかで離婚率が高いとかなんとか」
「でもでも、やっぱり自由結婚は憧れない?沙奈ちゃんのお家は?」
「家は、自由結婚だったかな」
「うわぁ〜!いいな!お父さんお母さん仲良し??」
「うん、まぁ仲良しかな。お姉ちゃんも私も呆れるぐらい」
まぁそのおかげでいろいろ問題があったんだけど……。莉央の笑顔を見ると言い難いな。まぁ知っても無駄な情報だろうし、やめておこう。
「そういうの聞くと自由結婚に憧れるな」
「そう?まぁそこまで思える好きな人ができたらいいよね」
「そう簡単にできねーよ。できたって一生一緒なんて漫画やドラマの中の話だろ」
よく女の子といる司からまさかの発言に驚く私たち。えぇー。あなたが1番女の子とそういう関係なってますよね??そう思ったのは私だけでなく、「なんか司がそういうなんて意外だな」なんて透も言っているし。
「まぁ家は国結婚だけど仲良しだよ?莉央の憧れるのも分かるけど、最悪な別れ方とかにはなりにくいんじゃないかな?」
まぁまだまだ先の話だけどねと苦笑いを見せる透をよそに、司は何故か不機嫌になり先に教室に戻っていってしまった。