海と男
本日2回目の更新です!!
島につくと待機していたお手伝いさんに連れられて一行はログハウスが立ち並ぶエリアにやってきた。
説明によるとここが俺たちの活動拠点になるらしい。
着替えるのもここ、休むのもここ、海といったら海水浴だがもちろんバーベキューもだ。その準備もここ。
「皆様、船旅お疲れさまです。お荷物や道具などは各ログハウスに搬入しております。何かお困りのことが御座いましたら先程の港に待機しておりますので。それではごゆっくり。」
いつもの事ながら完璧な所作でお手伝いさんは去っていった。
「ねぇねぇ、このちゃん。もしかしてあの人ってお手伝いさんなの?」
「すごいよねー、お金持ちって感じー!」
「羨ましいなぁ。」
向こう側で女子たちがわいわいやってる。
「おい、三島!女子の方ばっかり見てないで俺たちは海行くぞ!海!!」
もうすでに海パンに着替えた田中が腰に手を当てて言った。他のやつらも準備万端だ。
「お前ら、はえぇな....」
「なにいってんだ!?...悠お前もしかして海パン履いてないのか?」
「え?まだだけど?」
「っかー!だめだな!!ここに来る前から勝負は始まってんだよ!!先いってるからな!!早くこいよ!」
そう急かされて手近なログハウスに入って着替えることにした。
「桜井家ってやっぱりすげぇんだな...」
中はそんな感想が自然と出てくるような内装だった。
天井にはシーリングファンが回っていて居間には大きなソファ。大型テレビに開け放たれた大きな窓。2階にもいくつか部屋があるようだったが急がなくてはならないので洗面所に行って急いで着替えた。
それから玄関でビーチサンダルに履き替えて俺はビーチに急いだ。
「おお、三島!こっちだこっち!!」
広いビーチに田中たちが見える。桜井家が所有している島だと言っていたので恐らくこのビーチもプライベートビーチなのだろう。
まだみんな海には入ってないようだ。
そうだ。
俺はおもむろにビーチサンダルを脱ぐ。
「おーい、三島早くこいよ!」
「俺が!」
走り出す。
「一番!!」
三島たちの横を通りすぎる。
「のりだぁぁぁ!!!」
ザッパーン
「ああ!三島が抜け駆けしやがった!みんな行くぞ!!」
思い思いの叫び声が水のなかにくぐもって聞こえる。
直後同様に飛び込んできた沢山の男子と揉み合いになった。水をかけ、かけられの大騒ぎ。
「ああ!耳に水が入った!!」
「おい!田中がそっち行ったぞ捕まえろ!!」
「離せよお前ら!はーなーせー!!!」
「誰かビーチボール持ってきてないのか?」
しばし俺たちはただひたすらにはしゃぎまくった。
..................
「ちょっとみんなこっちこい。」
突然田中が真面目顔で手招きをする。
「どうした田中?」
「なんだなんだ?」
田中が人差し指を口に当てる。
「ここはビーチだ。」
「そうだな?」
「当たり前だな。」
「そしてここには?」
「なんだ?」
「海か?」
ちっちっちと指を振る。
「女子もいる。」
「「「!!!」」」
「と、いうことは?」
「水着が...見れる!!」
「「「うおおおおお!!!」」」
バカな男子だ。そう思いながら三島もみんなと同じように拳を上げて叫んだ。
「で、どうするんだ?田中。」
「え、どうってなんだ?」
「なんか作戦はあるのかって聞いてるんだよ!!」
「作戦?んなもんねぇよ。」
「「「はぁ!?」」」
「な、なんか一緒に遊ぶ作戦とかねぇのかよ!?」
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をする田中。
「か、考えてなかった...」
みんなが頭の中で思ってることを俺が代弁してやろう。
「やっぱり....田中だな....」
「「そうだな...」」
「お、おい!...いや、待てよ?...作戦、あるぞ?」
「おお!?なんだ??」
「勿体ぶらずに早く言えよ!」
田中はビシッと俺を指差していった。
「ずばり!三島!!」
「え?俺?」
なんだ!?突然。
「お前最近桜井さんと仲良いよな?」
みんなが一様に頷く。
「そ、こ、で、だ!三島が桜井さんに頼んで女子と一緒に遊ぶよう仕向けるという計画だ!!」
「「「おおおおおおお!!」」」
「いやいやいや、待て待て。...そううまく行くか?」
「うまくやるんだよ!!それみーしーまっ!みーしーまっ!」
「「「みーしーまっ!みーしーまっ!」」」
みんなして手を叩いて三島コールを始めた。
くそ!こうなったら男三島!
「...行ってくる!!」
「流石三島!!」
「言うこと違うね!」
海水に濡れて砂まみれの足でビーチサンダルを履き、ログハウスに向かった。
..................
コンコンコン
「このはさーん、いるー?」
中から扉が開いた。
「あれ、三島くんじゃない。ちょっと待ってね。」
顔を覗かせたのは桜井さんと同じクラスの女子だった。
そのまま中に引っ込むと
「このちゃーん!ダーリンのお呼びよー!!」
中から大きな声が聞こえた。それはそれはもう、ニヤついた顔が思い描けるような声だった。
階段を上がったり降りたりする音が聞こえてすぐにドアが勢いよく開けられた。
『なに、悠くん』
なんというか、案の定といった感じで真っ赤な顔をした桜井さんが携帯だけ俺に向けていた。
「あ、あのさ!ビーチで遊ばないかって、さっき男子で話してたんだけど、どうかな?」
こちらも迂闊に顔が見れない。
『あ、わかった!みんなに言ってみるね!それじゃ!!』
「あ、三島くん女子はオッケーだから!」
中からさっきの女子の声がする。
「あ、オッケー!」
その声に返事を返すともうすでに桜井さんの姿は無かった。
....................
「おーい!オッケーだって!!」
「よし!!!!」
「流石悠!!」
「やっぱやれるやつだと思ってたぜ!」
大歓声の中に混ざろうと俺も海に入る準備をしていると
「男子ー!!もうお昼だからバーベキュー!先にしよ!!」
後ろから道具を持ってきた女子がやってきた。
「お!飯だ飯だ!」
「肉!!!!」
「ナイス悠!」
「よくやった!」
一部、俺の前でサムズアップして行くので何事かと思って振り向くと女子も水着で来ていたのだった。
そういうことか。俺は内心単純なやつらだと苦笑した。
「三島よ。」
「?なんだ田中。」
「ありがとう...」
感動している...フリだなこれは。そんな田中に一言。
「後でジュースな。」
「お、おい!聞いてねぇぞ!!おい三島!三島さん!ちょっと待ってよ!!」
俺はそんな田中をおいてバーベキューの準備の中に混じった。
実際田中ってすごい好きなキャラなんですけどみなさんいかがですかね?




