朝の幸せ
すいません、遅くなりました!....が、ここのところ忙しいので短めです!!
朝一番のお風呂は最高に気持ちよかった。大きな浴場に、柑橘系の入浴剤でも入っているのだろうか、スッキリした気分になれる仄かな香りに包まれた。
お風呂に入りさっぱりした後、まだ時間があったので屋敷のなかを歩いてみることにした。
朝起きて必死に覚えた屋敷の見取り図を頼りに歩いていると、開けた場所にでた。
中庭だろうか、大きな噴水と回りの花壇を手入れするメイドさんが見えた。
俺に気づいたメイドさんが軽く会釈をしてまた作業に戻った。
なかなか絵になる光景である。とても日本にいるとは思えない、が。
それから軽く伸びをして改めて食堂へと向かった。
....
食堂の重厚な扉を開けると、白いテーブルクロスがかけてある長いテーブルの上座に桜井さんが座っているのが見えた。
「おはよう!桜井さん!!」
桜井さんは俺の方を向くとにこりと笑って手を振った。
それから自分の向かいを手で示すとまた黙々とパンを頬張り始めた。
俺もそれにならって目の前のカゴのパンをひとつ手にとってかじってみた。
さくっとこんがり焼けた外側、そして中はふんわりとバターの香りが香るクロワッサン。
旨すぎる.....!!
その一言に全てが集約される、まさに最高のパンだった。
それから俺は黙々とカゴのパンを平らげていった。途中で運ばれてきた他の朝御飯も食べつつ、パンを重点的に食した。
ふと、もういくつ目かのパンに手を伸ばそうと顔をあげると桜井さんと眼があった。
そして自分の伸ばす手を見る。
「あ、ご、ごめん!つい美味しすぎてたくさん....」
さっきまで山盛りだったパンもかなり減っている。
だが桜井さんは気にしないでといった風に顔を振った。
それから手元の携帯を操作すると
『満足したら学校、行きましょ。』
そう、学生の本分たる学校。ちょっと浮かれすぎて忘れていた。
俺は桜井さんが見守る中、急いでパンをもうひとつ手にとって朝食を終わらせた。