第6話 紅い月(前編)
今回は辰巳復活です、そして少量のバトル、バトルは苦手です…
それではどうぞ!
スペルができた。でも…嬉しい筈なのに、何も感じない…
こんな気持ちじゃ…何もできないのに…
でも、この気持ちは…どうにもできなかった。
まるで…鎖に繋がれているように。
一切千切れない、錆びない。
俺はこの気持ちに縛られているのだ。
目に見えない鎖に。
魔理沙「スゲェじゃねぇか!外来人が1日で修行をクリアしたのはこれが初めてだぜ!」
霊夢「………」
霊夢さんはやっぱり気づいている、俺の動揺に。
ちゃんと悟られないようにしてるのに、凄いなこの人は…
………
……
…
修行が終り、縁側で考えていた。
今、僕が居る意味はあるのか。
僕に出来ることはあるのか。
そんなのはない、と、自問自答をしている。
でも…僕の場合は自問自答ではない。
俺は二重人格なのだ。
いつもは俺が中、僕が外。
最近になってそれは変わった。
定期的に俺と僕が入れ替わっている。
元々は僕だけだった。
でも、トラックに轢かれてからわかったことは。
僕の中に俺ができたのだ。
しかもこれには難がある。
この事を知られたら、僕がいなくなり、俺だけになってしまう。
今までは2人でしかバランスが取れなかったものが、崩れてしまう。
崩れたら狂ってしまう…それを恐れていたのだ…
「そうゆう事ね」
いつから居たのか、横には紫さんがいた。
辰巳「聞こえてましたか…?」
でも、おかしい。
知られたのなら僕は消えているはずだ。
紫「言葉と心情の境目を操ったのよ、それと「僕」が消えてないのは僕と俺の境目を操ったからよ。言ったでしょう?私は貴方にありのままの姿でいて欲しいって。それと…あの子達にあうチャンスが来たわよ」
紫さんがそんな事を言った瞬間、空が紅く染まった。
恐らく紅魔館からでた霧であろう。
紫さんはその事をわざわざ伝えてくれた。
辰巳「ありがとうございます」
僕は、笑顔を取り戻した。
嬉しかった、紫さんのしてくれたすべてが。
紫「ふふっ…いってらっしゃい。「紅魔館」へ」
俺はがむしゃらに走った。
疲れさえも忘れて…
………
……
…
紅い霧の中、俺は湖を飛んでいた。
音を被って早さを上げて。
「そこのあんた!あたいと戦いなさい!」
突然目の前に水色のワンピースを着た子供が出てきた。
でも後ろにはひし形の氷が突起物のようにくっついていた。
辰巳「なんで?」
「あたいがサイキョーって事を認めるためよ」
どうやらこの子は今まで強い人と戦ってきて、ことごとく負け、勝ちたいと言う気持ちが高まっているのであろう。
辰巳「いいよ」
俺は戦闘態勢に入った。
先手は水色の子だった。
【アイシクルフォール】
&
【パーフェクトフリーズ】
左右から米粒弾が交差して、黄色い中弾が自機狙いに飛んでくる。
そしてカラフルな弾幕が飛んできて空中で止まった。
米粒弾は避ける範囲を狭める為、止まっている弾幕もその為であろう。
俺は止まっている弾幕を羽で弾き、避けるための範囲を広げた。
そしてこっちも弾幕で応戦。
気づかれないように音で結界を作り、弾幕を撃った。
適当だが、弾幕は壁に当たると反射する。
それにこっちの弾幕は意識から外れる。
弾幕は相手の子に直撃した、弾幕の雨が止んだうちに接近し、首元に噛み付いた。
吸血鬼で言う吸血である。
血を吸い過ぎたせいで子供は倒れた。
辰巳「やりすぎた…」
俺は女の子を担いで、木陰に置いて、紅魔館に向かって飛んだ。
………
……
…
紅魔館の前に着くと、美鈴さんがいた。
俺の姿を見て驚いている。
それもそうだ、昨日あんな態度を見せて戻ってきたのだ、驚かないはずがない。
辰巳「お待たせしました」
俺は美鈴さんに笑顔を見せた。
もう、大丈夫だって事を伝える為に。
美鈴「待ちくたびれましたよ、お嬢様が荒れ狂っています。原因は…」
《紅い月です》
紅い月、吸血鬼が最も活発になる時間。
強さも1.5倍以上に跳ね上がる。
『どうする?』
美鈴「え?」
突然見知らぬ声が聞こえた、でも僕には聞き慣れた声。
最近気づいた、俺の姿。
辰巳「こんな感じに表に出てくるのは初めてだね、魁斗」
俺の名前は、月見里 魁斗。
俺の唯一の兄で、僕を庇って死んでいった兄。
トラックの話で、話していない事がある。
トラックに諸に轢かれたら、死んでいた、兄が飛ばしてくれたおかげで、トラックの衝撃を少しだけ流せた。
傷は飛ばされた後、ガードレールぶつかったせいだ。
どうして俺が入り込んだのか、これで合点がいった。
紫さんが弄ってくれたおかげで兄と話せるようになった。
魁斗『紫って奴には感謝しないとな。まぁ唯一の難と言えば霊体って所だけだな、多分そこの人には見えてないぜ?』
美鈴さんが驚いたのはそのせいか。
でも言葉は聴こえるらしい。
辰巳「美鈴さん、見えないかもしれませんが今僕の横に居るのが兄の魁斗です」
魁斗『どうも』
美鈴「………理解しました、話の続きをどうぞ」
流石美鈴さん、理解が早い。
僕は兄と話した。
辰巳「僕も吸血鬼だけど暴走も強くもなってない、多分僕には効力がないんだろう。魁斗も相手の心を読めたりする?」
魁斗 『まぁな』
辰巳「なら良かった、戦ってる間は心を読む余裕がなくなるからそっちに頼む、後は隙を突いて攻撃するだけ、できることはそれぐらいだと思う」
魁斗に内容を伝えた。
魁斗『わかった、じゃあ俺は中に戻るぜ』
辰巳「頼む」
魁斗は俺の中に戻った、内側からでも俺には聞こえる、これの方が合理的だ。
俺は美鈴さんに行ってくると伝えて、紅魔館に入った。
次回は戦闘多めです、更新絶対遅れるぜこれ\(^o^)/
まぁ次回もゆっくりしていってください…