第5話 優しさ故の痛み
眠い…
ミスってる部分がいつもより多いかもしれません
それではどうぞ
紅魔館を飛び出してから、俺は空を飛び回っていた。
行き場所なんてない、ただ…飛び回っているだけ。
俺は縋っていたんだ。
ずっと、平和な日々に縋っていたんだ。
どうせこうなるなら…仲良くなんてならなかった方がよかった…
そうしてたら…こんなに悲しい想いなんてしなくてよかったのに…
僕は…何してるんだろ…
進んでるはずなのに…何故か進んでない、ずっと同じ場所を進んでるような気がする…
「辰巳さん!」
そんな俺の前に、咲夜さんが現れた。
嬉しかった、追いかけてくれた事が、でも…ここで縋ってたら、次に同じ様な事が起きたら…立ち直れなくなるから…
辰巳「ほっといてくださいよ…」
追いかけてきてくれた咲夜さんの横を通り、俺は突き進んだ。
僕は泣いていた…
大切にしてくれた人を突き放してしまった…謝れなかった…酷い事をしてしまった…
咲夜さんも、そんな顔を見て、追いかけるのを止めた。
視点 咲夜
辰巳さん…泣いていた…
私は…そんな所まで踏み込んでしまっていたのか…
辰巳さんにとっては…そんなに大切な事だったのに…私は聞いてしまった…
あの時の私を殴りたい、あの事を聞かなかったらよかった…あんな悲しそうな顔…見たくなかった…
いつの間にか、雨が降っていた。
その雨は、私の悲しさを…増幅させるだけだった…
「咲夜」
そんな私に声をかけてくれた人は、私が使える主人…
咲夜「お嬢様…!?ダメですよ、雨の中傘も差さずにいるなんて!」
お嬢様の体は、震えていた。
吸血鬼は、流れる水が苦手。
そんな中、どうして来てくれたのだろうか…
レミリア「私の大切な従者が悲しそうにしてるのにほっとく主人がいるものですか」
お嬢様は、私を抱きしめてくれた。
そして私は、泣いた。
いつぶりだろうか、人の前で涙を見せるのは…
視点 辰巳
俺は能力で話を聴いていた。
僕は…泣かしてしまったのか…
罪悪感を感じながら、雨の中を飛び回る。
吸血鬼のはずなのに…雨が平気、自分が吸血鬼として認められてないのか…
「おっ、どうしたこんな所で。見ない顔だな?」
そんな俺に声をかけてきたのは、知らない人。
黒の帽子、白のエプロン。
まるで魔法使いだった。
辰巳「望海 辰巳です…」
「私は霧雨 魔理沙。…なんか訳ありって感じだな。雨の中だし移動するか、ついて来てくれ」
俺は魔理沙と言う人についていった。
………
……
…
魔理沙に連れられた場所は、神社だった。
魔理沙は神社に入って手招きをしてきた。
俺も神社に入ろうとした。
「こら、なにびしょ濡れで入ろうとしてるのよ。魔理沙も」
奥から人が出てきて、入るのを止められた。
赤のリボン、赤と白の服。
形は違うが、巫女だった。
魔理沙は「あちゃ〜…」と言ってるがこれが普通だと思う。
辰巳「大丈夫です」
そんなのお構いなしに入った。
「こらこら、床が濡れ…てない?」
魔理沙「どうゆう事だ?」
巫女の人と、魔理沙は驚いていた。
その事を淡々と説明した。
辰巳「僕の能力です、音の膜を張って濡れるのをふさいでます」
その事に、魔理沙が疑問に思ったのか、聞いてきた。
魔理沙「じゃあなんでさっきそれをしなかったんだ…って、聞くまでもないな。で、何があったんだ?」
俺は魔理沙の行動が疑問に思えた。
どうして他人なのに、ここまでしてくれるのか。
嬉しい反面、また裏切られたらどうなるかが怖かった。
でも…話した、聞いてほしかったから。
辰巳「全く知らない他人の僕を大切にしてくれた人を…突き放してしまいました…」
その話を、2人は静かに聞いてくれた。
俺は、その人達に、今まであった事を話した。
「俺」と「僕」の事は話せなかった…
………
……
…
俺は、その二人に、全て話した。
紫さんに連れられて来たこと、紅魔館に拾われた事も。
魔理沙「色々複雑だったんだな…」
「………今日はうちで寝なさい、着替えはあるかしら?」
確か荷物は、紅魔館に忘れたはずだった。
でも、荷物は横にあった。
恐らく咲夜のおかげであろう。
あんな事をしても、まだ…優しくしてくれるんですね…
俺は…そんな人を悲しませてしまった…
辰巳「あります…」
今は、この二人を心配させないように…答えた。
「そう。なら、奥の部屋で着替えて頂戴。客用の部屋にベットをひいてくるから」
多分。この人は俺の童謡にきずいている。
でも、聞かないでくれた。
一つ一つの気遣いが、身に染みる。
辰巳「ありがとうございます…えっと…」
「霊夢、博麗 霊夢」
辰巳「霊夢さん、ありがとうございます」
俺は着替えて、霊夢さんが用意してくれた場所で寝た…
………
……
…
次の日。疲れてたはずなのに、俺は寝れなかった。
ずっと後悔ばかりしていた。
あんな事をしていなかったら、なんて事がこみだしてくる。
もう…手遅れなのに…
でも、どうしてもそんな事を考えてしまう。
今は午前4時。
誰も起きていない、俺にとっては好都合だった。
今はまだ、1人の方が良いから。
外はもう晴れていた。
俺は外に出て、神社の上に登った。
「やっぱり」
上に登ってからは、そんな声が聞こえた。
その声の主は…
辰巳「霊夢さん…」
そう、霊夢さんだ。
この時間はまだ寝てると思ったが、どうやら起きていたらしい。
霊夢「どうしてこんな時間に起きてるのか、そんな顔してるわよ。巫女は日が出ると同時に起きるものなのよ」
やっぱり俺は…揺らいでいる…
前までは無表情で、誰にも悟られないようにしてたが。
今は簡単に読まれてる。
隠していたかった…整ってないまま進めるのが、俺は嫌いだった。
そんな気持ちが引き金になったのか、【印象を操る程度の能力】が発動した。
その顔は、少し前までの俺。
悲しみや怒りの感情が無い自分。
少しの間は、こうしていたかった。
霊夢「それが今の貴方の答えね。正直今はそれが妥当よ」
無表情になった事で、悟られる事はなくなった。
そしてまた…自分を見失った。
辰巳「これからどうすればいいですか?」
でも…今はこれでいい。
少しでも相手に心配をかけないようにする事が第1だった。
霊夢「そうね。ここ、幻想郷にいるうちは、紅魔館の奴らにも会うことはあるだろうから。迷いを払うわよ」
霊夢さんが言ったのは、迷いを払う。
簡単に言うと吹っ切れさす。
つまりは元通りになれ、という事だ。
霊夢「それと…いつまで盗み聞きするつもりかしら?魔理沙」
「バレてたか」
物陰から魔理沙が出てきた。
どうやら二人で何かをするつもりらしい。
心を読めば予想なんて容易いのだが、この時の俺は、すっかり忘れていた。
霊夢「今から貴方には、《弾幕ごっこ》を覚えてもらうわよ?」
弾幕ごっことは、フランとやったあれのことであろう。
俺はまだ弾幕を出したことがなかった。
霊夢「まず弾幕を出す所から、最終的にはスペルカードを作ってもらうわよ」
スペルカード、これもフランとの戦いでわかっていた。
霊夢「じゃあまず弾幕を魔理沙に向かって撃って頂戴」
霊夢さんは、魔理沙を的にするらしい。
魔理沙の反論の声が聞こえるのだが、無視らしい。
俺は魔理沙に向かって手をかざし弾幕を撃った。
その弾幕の数はおよそ30個、その弾幕全てが、撃った瞬間に消えた。
いや、正確には意識から離れた。
その弾幕は、魔理沙に直撃した。
霊夢「特殊個体ね、貴方。その弾幕は自然体、相手の意識から離れる物。まぁ合格よ、次はスペルカード作りよ。まず私と魔理沙が見本を見せるから見てて頂戴」
まずは霊夢さんがスペルカードを発動した。
【夢想封印】
7つの弾幕が、的に向かって誘導していき、直撃した。
それはとても綺麗だった。
俺にはそれが印象的だった。
【マスタースパーク】
お次は魔理沙。
どでかいレーザーが放たれた。
これも印象的だったが、霊夢さんのスペルには劣っていた。
霊夢「こんな感じよ、考えがまとまったらこの白紙のカードに念を込めなさい」
霊夢さんからカードが渡された、その数は3枚。
もうイメージは纏まっていたから、すぐに印を込めた。
辰巳「できました」
霊夢「そう、ならあの的に向かって撃って頂戴」
俺はカードを構え、スペルを宣言した。
【七つの印】
霊夢さんと同じ七つの弾幕だったが。
俺のは地面に着いてたらそこに魔法陣が張られ、噴水状に弾幕が出た。
そしてもう一つのスペルを宣言した。
【名無しの虹】
的の上に虹が出てきて、壊れた。
的に向かって飛ぶ物もあれば、一定の場所で止まる物もあった。
そして最後のスペル。
【音色の護符】
このスペルは。音を変える事で追加効果を得られるスペル。
俺は無事、3つのスペルを作る事ができた。
最後らへん雑ですね…
次回は異変です。
それじゃまた〜