第2話 悲しみの感情
お久しぶりです。
今回は紅魔館組を全員出そうと思います!
それではどうぞ!
紅魔館で迎える朝…
どうしてだろう、見慣れない光景を見るとすぐに目が覚めるのは。
俺は上半身を起こした
「あら、起きたのね」
部屋の中には誰かが居た、それも聞き覚えのある声…
ゆったりしていている声、この声は俺をここまで連れてきてくれた恩人。
辰巳「紫さんですね」
そう、紫さんだ。
こっちの世界に入ってからは見なかったけど、どうやら様子を見に来たらしい。
紫「姿を見なくても解るのね」
声は少し驚きの声だった。
でも紫さんの声は特徴的でわかりやすい、でも無意識にその考えを声に出すのを止め、他の言葉を発した。
辰巳「単なる予想ですよ、そろそろ様子を見に来るかな?ぐらいに思ってただけですから」
考えた言葉を避けたのは、言ったらマズイ事になりそうだったからだ。
なにが起きるかは解らないけども、無意識的に避けたのだ。
紫「あら、そう。で、調子はどうかしら?」
紫さんが聞いた調子とは、どっちの調子なのだろうか。体の調子か、気持ちの調子か。
解らないからどっちも答えた。
辰巳「体の調子は赤ばっか見て目が少しだけおかしくなりましたね。でも…こんな面白い所にこれて嬉しいですね」
紫さんは、「やっぱり」と言う顔をした。
どうやら俺が好奇心旺盛な事を知っていたらしい。
紫「今後もちょくちょく様子を見に来るから。また今度…」
紫さんはスキマの中に入っていった。
紫さんが立ち去ってから、俺は部屋を出た、そして昨日の記憶を頼りに、レミリアさんが居た場所を目指した。
その道のりはとても長くて、レミリアさんの居た場所に行くだけでも10分はかかる。
こんな広い場所を隅々まで掃除をするのは至難の技だ。
そんな事を考えていたら、レミリアさんの居た場所についた。
そしてノックをしようとした、けども
「どうぞ」
ノックをする前に返事が来た。
やはり俺の行動は筒抜らしい。
俺は部屋のドアを開け、中に入った
そこに居たのは、紅い吸血鬼…レミリアさんだった。
やはりあの威厳とカリスマ性には、少し憧れてしまう。
レミリア「おはよう、辰巳。昨日はよく寝れたかしら?」
透き通った綺麗な声に聴き入ってしまい、返事が遅れた。
辰巳「初めて来た場所なのに、不思議と安心して寝れました」
本当ならこんな状況ですぐ寝付ける事はないから、本当に不思議だ。
レミリア「不思議、ね。ところで本題に入るのだけど。昨日、私に会った時に少し身構えたけど、あっさり許可が出て、驚いてたでしょ?」
まさにその通りだった。
不審者を残すなど普通では考えられない、だからいつでも攻撃を避けられるように構えていたのだが、予想外の事態に驚いていた。
俺は静かに頷いた。
レミリア「どうして許可を出したと思う?」
俺にとっては難問だった、咲夜さんが言った「お嬢様が好きそうな人」は当てはまってない気がする。
心を読もうとしたが、綺麗に隠されていた。
俺はジックリと考えていた
そんな俺を見てレミリアさんは笑ってから言った。
レミリア「解らないようね、理由わね、貴方が私と同じ吸血鬼だからよ」
レミリアさんから出た言葉は、吸血鬼。その言葉を聞いてなんとなく理解した。
多分俺がこの世界に連れてこられた理由は、俺の正体が吸血鬼と言う事が解っていたからだろう。
吸血鬼だったらこの背中の羽の説明もつく。
辰巳「そうゆう事でしたか」
俺は悩みを解決出来て、気持ちよかった。
レミリア「腑に落ちたようね」
レミリアさんも、俺が理解できたのが解って話を続けた。
レミリア「辰巳、貴方にはこの紅魔館の事をもっと知って欲しいから、咲夜と一緒に行って頂戴」
いつのまにか俺の横には咲夜さんがいた。
どうやらこれはお願い(・・・)じゃなく命令なのであろう。
俺は認証した。
レミリア「物分りがよくて助かるは。咲夜、行きなさい」
咲夜「かしこまりました」
俺は咲夜さんが歩いた後を追っていった。
咲夜「まさか貴方が吸血鬼だなんてね」
咲夜さんはレミリアさんの前以外は普通の口調に戻るらしい。
辰巳「自分も驚いていました、でも色々腑に落ちましたが」
そんな話をしながら歩いて15分後
咲夜「ここが紅魔館の図書館よ」
咲夜さんに連れてこられた場所は、図書館。それは途轍もなく広かった。この世の全ての本が揃っているのではないかと思うぐらいに。
辰巳「今思ったのですけど、外の大きさと中の大きさが違いますよね?」
外から見た大きさのざっと二倍はある。
どんな仕組みになっているのかが解らない。
咲夜「私の能力【時を操る程度の能力】の応用で時空を広くしてるのよ」
時を操る、これで一瞬で消えたり出てきたりする仕組みが解った。
敵にすると厄介そうな人だった。
「あら咲夜、そこの人は?」
そんな事を考えていると人が話しかけてきた。
その人は服の紫と白のシマシマで、肌はとても白くて、病気なんじゃないかと思うぐらいだ。
咲夜「昨日からここにいる望海 辰巳さんです。辰巳さん、この人はパチュリー・ノーレッジと言う方です」
パチュリーと言う人は無表情で、こちらを見ていた
パチュリー「貴方、能力は?」
パチュリーさんから能力が聞かれた。
でも自分に能力があるのかすら解らない。
でも能力言えるのか解らないのがあった
辰巳「相手の心の声が聞こえたり、記憶が見えたりします。正式名称は解りません。因みに種族は吸血鬼らしいです」
咲夜さんは驚いていた。
それもそうだ、昨日はなにも言わずに寝てしまったから。
パチュリー「悟り妖怪と吸血鬼のハーフかしら?」
パチュリーさんは俺を興味深く見て、なにかブツブツと言っている。
というか体をペタペタ触っている
体を触る意味はあるのか?
辰巳「何か解りましたか?」
俺の声で思考の海から戻ってきたらしく答えた。
パチュリー「解らないは、けど今から本格的に調べるからきて頂戴」
自分の事について少しでも解ることが出来るだろうからパチュリーさんについていった。
そして図書館の中心の広いところに来た。
そしてパチュリーさんは何かを唱えた…
唱えてから時間が経ったら地面に魔法陣ができた。
パチュリー「ここに立って頂戴」
そう言われたので魔法陣の真ん中に立った。
そしたら儀式が始まった。
パチュリーさんは集中しているから話しかけない方がいいだろう。
儀式が始まって5分後、魔法陣が消えた。
辰巳「解りましたか?」
パチュリーさんは静かに頷いた。
パチュリー「貴方の能力は3つ。【音を司る程度の能力】【記憶を見る程度の能力】【印象を操る程度の能力】よ、正直微妙ね」
パチュリーさんから出た言葉は微妙、でも能力があっただけで安心できた。
少しでも対抗できる手段が出来たからだ。
辰巳「でもあるだけでも嬉しいですね」
そんな事を言っていると…
「知らない人の気配がすると思ったら、貴方なのね?」
奥の方から声が聞こえた。
俺は声が聞こえた方に目を向けた。
そこに居たのは金髪の子供だった。
でも背中に羽が生えていた、多分レミリアさんや俺と同じ吸血鬼なのであろう。
パチュリー「フラン…!」
咲夜「妹様!」
その姿を見た瞬間、パチュリーさんと咲夜さんが戦闘態勢に入った。
次の瞬間、パチュリーさんが魔法を唱えて金髪の子供を水で囲った。
「やっぱり、そうするんだね…」
金髪の子は、右手を握った。
次の瞬間、水が爆発した。
俺にはなにもかもが驚きの光景だった
「貴方、名前は?」
辰巳「望海 辰巳」
名前を聞かれたから、すぐに答えた
「へぇ…私はフランドール・スカーレット、貴方、今から私とアソボウヨ」
突然、女の子の笑顔が黒くなった。
嫌な予感がして俺はバックステップをした。
瞬間、俺のいた場所が爆発した
俺はその爆発音を具現化して見えない壁を作った。
フラン「ヘェ、ヨケルンダ。ナラ」
【レーバテイン】
フランは巨大な日の剣を作り出し、切りかかってきた。
音の壁はいとも容易く壊れた。
メイド秘儀【殺人ドール】
咄嗟に咲夜さんがナイフで一瞬動きを止めた。
俺はその瞬間に割れた音の壁をフランに飛ばして、割れた時の音でレーバテインをピッタリ囲った。
フラン「!?」
フランは咄嗟に剣を放し、俺に突っ込んできた。
俺はバックステップ、そんなの一瞬で間合いを詰められるが、連続でバックステップ。その音で鎖を作り出しフランの動きを止めた。
パチュリー「後は任せて!」
【ロイヤルフレア】
トドメはパチュリーさんの炎魔法で終わった。
パチュリー「ヒヤヒヤしたわよ…」
辰巳「ですね…」
俺とパチュリーさんはお疲れモード、咲夜さんだけピンピンしていた。
咲夜「今回は辰巳さんのおかげですぐに終わりました。今日は疲れたでしょうから寝ていてください、案内は要りますか?」
咲夜さんはいつでも親切だ。
でも結論はやっぱり自分で決めさせる。
辰巳「道は覚えてるので大丈夫です」
俺は部屋に戻って、ベットに入った。
ベットの中でふと思った。
辰巳「あの子の心の声…凄く寂しそうだったな…」
フランの心の中は、酷く荒れていた。
殺したくないのに体が勝手に動く、また私だけ仲間外れ。そんな声が聞こえていた。
俺はそこ言葉を思い出し…泣いていた。
悲しみとか怒りの感情はとっくの昔に無くしたはずなのに…。
涙は拭っても拭っても止まらない。
「感情を思い出したようね」
いつの間にか、隣には紫さんがいた、そして頭を撫でて言った。
紫「貴方はあの子を見て、昔の自分と重ね合わせてたのよ、無意識に。悲しみを無くしたわけじゃない、忘れてたのよ。酷い目にあった人の心を見て、助けてあげたいと言う感情も出てたわよね?そう思ったのなら、助けてあげなさい…だから今は、泣いてていいから…」
俺は思いっきり泣いた。
そして決心した、あの子の力になってあげようと…
「………。辰巳さん…あんなに気を配っていたしたのですね…」
次回も紅魔館編です。
それではまた〜