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蒼い吸血鬼  作者: 不可思議
24/26

間話 夢の住人

お久しぶりです、不可思議です。

モチベの消失と、データ吹っ飛びによるショックで一切触れないと決めていたこのシリーズですが、気が向いたのでまた書くことにしました。

まぁ更新ペースは大学生になったので更に落ちるでしょうが、まぁ見たい人は気長に待っててください。

そして今回は、間話と言う形なので、かなり短くなっております、今後にも関わってくる話がある、という訳でもないので適当に読んでください。

「たっちゃんの体が半分死んでるからだよ」


「え…?」


突然の、言葉だった。

“半分死んでいる”

どういう事なのか、理解ができない。


「あはは、まぁそうなるよね」

「でも安心して、まだ生きてるから」


半分死んでいるけど、生きている。

そこでようやく思考が追い付いてきた。


気絶する前の僕は、妖夢から受けた深い傷と、最後に使用したスペルによる魔力切れにより気絶した。

傷からはまだ血が大量に出ていて、既に死んでいてもおかしくない状態、なのにまだ生きているという事は、現実世界の方で何かが起こっているのであろう。


「理解が早くて助かるよ、どうして生きているのかはこっちが説明するね」

「今たっちゃんの体は、応急処置が施されて辛うじて生きているんだよ、応急処置をしたのは多分銀髪のメイド服を来た人」


咲夜さんだ、どうやら僕が冥界に入ってから話を聞きつけ、急いで来てくれたみたいだ、話を伝えたのは文さんかな。

何にしろ助かった、完全に死ぬ間際だったから、咲夜さんじゃなければ完全に死んでいた。


「そして今は血が止まって、吸血鬼の体のおかげで傷はほとんどなくなってるよ、もうすぐ起きるかもね」


そこまで言って、1つ疑問に感じたことがあった。

何で美咲が僕の状態や僕の周りの状況が分かるんだ?


「簡単なことだよ、私は【夢の住人】だからね、夢の中から現実世界をみることだってできるんだよ!」


「夢の…住人…?」


「うん、訳あって何故か夢の中を自由に行き来することができるようになったんだよね、たっちゃんの夢の中に入れたのもそれが理由」


訳あって、訳の所は今の所は話してくれなさそうなので、話を戻す。


「因みに、異変は解決したの?」


「異変?………あぁ、そういう事ね」


異変と言う言葉に一瞬固まって、説明しようとしたが、どうやら心を読んで理解したみたいだ。


「多分解決はしてる…かな?たっちゃんがイメージしてた敵の人も横にいるっぽいし」


解決していたみたいで一安心。

それにしても…横にいる、かぁ。こっちとしては本気で倒すつもりでスペルを発動したのにあっちはさほど問題ない、か。


「そこら辺は仕方ないと思うけどね〜、たっちゃんはそっちに行ってからまだ日が浅いんでしょ?そして相手は結構前からいる熟練者なんだから」


「そうなんだけどね、でも悔しいものは悔しいよ」


「ふふっ、負けず嫌いも相変わらずだね…っとそろそろ夢が覚めるみたいだよ?」


美咲がそう言うと、夢の世界が音を出しながら崩れ始めた。


「私もたっちゃんも、もっと喋りたいことがあるだろうけど、それはまた今度ってことで」


「そうだね、また会えるんでしょ?ならその時まで待つよ」


そう言って、僕は夢の世界から落ちていく、美咲は僕に向かって手を振りながら「またね」と言ってくれた。

その言葉だけでも、安心して起きることができる。


________________________


「………ちゃんと生きてる、ね」


夢から覚め、自分の体がちゃんと存在しているか確認をする、美咲の言った通り怪我はしてるけど血は止まってるいるみたいだ。

そして僕の周りには魔理沙、幽々子、咲夜さん、そしていつ来たのか分からない霊夢と紫さんもいた。

周りも僕が起きたことに気付いたのか、皆わたわたしだす。


「随分と短い睡眠だな、今日は頑張ったからもっと寝ててもいいんだぜ?」


「そうしても良かったんですが、あふ…心配している咲夜さんを安心させないと行けなかったので」


「ははっ!なら仕方ないな!」


「なっ…!心配なんかしていませんっ!すぐに応急処置しましたし生きていることも確認しましたから!」


僕と魔理沙のからかいに、顔を少し赤らめながらも怒る咲夜さん。


「なんだ、心配してなかったのか?酷いやつだな〜、なぁ辰巳?」


「そうですね…まさか心配されてなかっただなんて…」


魔理沙の悪ノリに乗っかって悲しがると、咲夜さんはわたわたと慌てだす、その光景に笑いながら、帰ってきたんだと実感する。


だが、まだ問題は残っている。


「ねぇ、辰巳」


「………はい」


そう、紫さんだ。

紫さんは現在進行形で怒っている、その理由もわかっている。

無茶をしないと言ったのに、無茶をして死にかけたことだ。


「いや…あの…反省してるんで、許してくれませんかね?」


「ふふふ……ダメに決まってるでしょ?」


その後は、まぁ語らなくても分かるだろう。

1つ言えることは、怪我をした体で石の上で正座をするのはかなり堪えたという事だけだろうか。

次の話は日常編かちょっとしたイベントになると思いますので、楽しみに待っていてください。

それではまた〜。

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