第14話 フランの気持ち・一つの事実《前編》
どうもお久しぶりです、不可思議です。
最近はテストばっかで全然出せてなくてすみません…。
それと一つ訂正、前の13話、《中編》ってなってますが、それが間違いで、あれは《後編》と考えて下さい。
長く話すのもあれなんで、そろそろどうぞ!
パチュリー「ん、結構いいアイディアね。試す価値はあるわ」
辰巳は今現在、紫に言われた方法をする為の段階を進めるために、パチュリーに術式をかけてもらえるか交渉しに来ている。
辰巳「助かります…」
その交渉している本人、辰巳は、目が死んでおり、乾いた笑いを浮かべている。
これからやる事を知っているパチュリーは、「それもそうだろう」と言う顔をしている。
辰巳がやろうとしているのは、色んな意味で一世一代、責任重大な事である。
パチュリー「なんとゆうか…お疲れ様…」
パチュリーの同情の目が、今の辰巳にとってはとても痛い。
それでも身体をぐっと上げて、笑顔を作り…
辰巳「ありがとうございます」
パチュリー「笑顔、引きつってるわよ」
結局何をやってもダメダメだった…
………
……
…
カツカツカツ
っというチョークの音が、今、パチュリーの部屋に響いている。
こうなった発端は、さっきの話。
〜回想〜
話が一区切りついたところでパチュリーが放った言葉は。
パチュリー「あれが必要ね」
辰巳には一切理解できななかった。
心の声を聞いても、色んな情報が混ざりすぎて、お目当の情報は見つからない。
聞こえた音の情報の中から必死にさがしていると、いつの間にかパチュリーがどこかに行ってしまった。
辰巳「考えすぎた…」
辰巳の悪い癖が治るのは、また別のお話。
………
……
…
パチュリー「待たせたわね」
辰巳が暇になって地面をなぞっている所に、丁度とは言えないが、パチュリーが帰ってきた。
辰巳「おかえ…り?」
でも帰ってきたパチュリーは何かを抱えている。
辰巳にもわかる物なのだが、理解がいつもより遅れている。
パチュリー「何を疑問に思っているのかしら、貴方の世界にもあった物よ?」
それを言われてやっと、辰巳は理解できた。
パチュリーが持っているのはチョーク、それはいいのだが…。
数が尋常じゃない。
………
……
…
そんなこんなで、こうなっているのである。
因みにチョークの数は数十本じゃすまない。
数百本だ。
もう一度言わしてもらう、数百本だ。
でも今ではそれだけ持ってきた意味が理解できた。
只今パチュリーは、ベットを覆う程の大きさの魔法陣を書いていて、一つ一つの文字や模様が複雑だ。
書き始める前にパチュリーが「魔法陣の元になったのがこの本のこのページにあるから」と言われて渡されたが、素人の只今には解読するのは不可能であった。
とても古い本なのか、魔法陣の絵の所々が歪んでいて、これを読み取るのにはそうとう時間がかかりそうだ。
「解けませんか?」
辰巳「うわっ!?」
突然、辰巳の背後の方から誰かがぬっと現れた。
その子は、レミリアに似た羽を持っている。
辰巳「脅かさないでくださいよ…、小悪魔さん…。」
小悪魔
種族 悪魔
少し前にパチュリーに召喚された悪魔、並の妖精よりは強いが、並の妖怪には負ける強くもない弱くもない、なんとも言えない子。
前まで辰巳と咲夜が交代交代でやっていた本の整理、図書館の掃除など、大半の部分を今はこの子が行っている。
通称「こぁ」
小悪魔「すみません、でも一回声をかけたんですよ?」
辰巳「え?本当ですか?」
辰巳は声をかけられた覚えなど一切ない。
小悪魔「その本に集中していられましたからね…」
辰巳「あ〜…」
辰巳はまた、一つの事に集中しすぎていたようだ。
本当、これはどうしようもない。
そして辰巳は、暇だった時に丁度いい話し相手が来てくれて、少し嬉しそうだった。
だが…
パチュリー「こぁ、【クリスタル】、持ってきて頂戴」
小悪魔「わかりました」
その話し相手は、パチュリーの一言でどっか行ってしまった。
そして辰巳は、渋々と本に目を移した。
………
……
…
パチュリー「ふぅ…完成」
約3時間の苦労のすえ、やっと魔法陣が完成した。
辰巳「でかいですね、これベットより大きい魔法陣を書く必要ありました?」
パチュリー「大有りよ、ベットを覆うように書かないと作動しないもの」
そこで辰巳があることに気がついた。
辰巳「それって…咲夜さんに頼んで小さめのベット持ってきて貰えばもっと早い時間ですんだのでは?」
パチュリー「ま、魔法陣にはそれ相応の大きさが必要なのよ!」
パチュリーの「その手があったか!」と言う気持ちが、顔と心の声に現れている。
パチュリーさんでも失敗するんだね…
そこで、辰巳は一つ疑問に思った。
「小悪魔が遅い」と。
流石に3時間たてば帰ってくるはずなのに、未だに帰ってきてない。
少々心配になってきた辰巳は。
すっと立ち上がり…
辰巳「ちょっと小悪魔さんを探しにいってきます」
パチュリー「そうね、頼もうかしら」
パチュリーからの許可をもらった辰巳は、ドアを開け、小走り気味に図書館の奥に行った。
………
……
…
どうゆう事?
辰巳は図書館の奥の魔法具がある部屋に入ったのだが、小悪魔、ましてやクリスタルすらなかった。
「しょうがないなぁ…」と言って、辰巳は一つのスペルを取り出した。
辰巳「【エコロフィスト】」
辰巳は、魁斗を探すときに使ったスペルを発動した。
そして小悪魔は、辰巳のいる階層の一つ上にいた。
でも小悪魔だけではない、他にも3人、人間とは言えない者がいる。
そして小悪魔はどこか焦った様子でその者を追いかけている。
最初は紅魔館にいる妖精メイドかな、と思ったのだが。
うちの妖精たちはそんな悪さをした事はなかったから、その可能性はゼロに等しい。
辰巳「考えても仕方ないか…【音の護符・スピード】」
辰巳は小悪魔がいる場所に早くつくために、スペルを発動した。
だが、速すぎてぶつかるのはごめんなので、スピードはなんとか目視できるほどに落とした。
でもちょくちょく危なっかしい動きをするので。
最終的には遠心力で壁を走ることになった。
………
……
…
小悪魔「返して下さいよ〜!」
「や〜だよ〜ん♪」
「たまには主人公組以外に悪戯するのも楽しいね」
「そうね」
実際現場に来てみれば。
妖精3人がクリスタルをとって逃げていて、小悪魔がそれを追いかける鬼ごっこ、これの場合は悪魔ごっこをしている。
妖精一人一人は大したことはないのだが、相当仲が良いのか、タイミングよくクリスタルをパスをしたりしている。
辰巳「あの…返してくれないかな、それ」
「ん?誰、貴方」
辰巳「望海辰巳、そこの子の知り合い」
「へぇ…それで、なんで返して欲しいの?」
辰巳「それはこの子の主人の人が使う大切な魔法具だからだよ」
辰巳はあくまで、平穏な方法で解決しようと考えている。
だがこの子達…「大切」と聞いて、一瞬ニヤッと笑ったから、そう簡単にはいかないんだろうけど。
「いやだよ〜!」
そう言い、青い子がスペルを発動した。
「星符【スターライトレイン】」
発動したら頭上からランダムと思われる小弾が大量に降ってきて、ちょくちょく中弾が混じっている。
辰巳「手荒な真似はしたくなかったんだけどなぁ…」
と言い、辰巳は懐から新しいスペルを取り出した。
辰巳「音符【リズムサウンド】」
イメージだけは固まっていたが、名前が浮かばなくて保留にしていたスペルを、即席の名前で使った。
そしてスペルを使った瞬間、辰巳が歌い出した。
このスペルは、歌の選曲によって、オンプの形をした弾幕が円を描くように飛んだり、花火のように爆発して広がったり、進んでる方向がいきなり逆になったりする。
そして声の強弱、辰巳の動きで変わったりする事もある。
このスペルの利点は、弾幕を避けながら使えること、一々イメージしなくても歌を歌うだけで勝手に弾幕が広がってくれるところ。
「「「え?ミギャー!?」」」
スペルを使ってきた子と、一緒にいた子が仲良く被弾して消えていった。
辰巳「ふぅ…」
小悪魔「助かりましたぁ…」
そして一安心した僕と小悪魔は、パチュリーの部屋に戻った。
………
……
…
パチュリー「大変だったわね」
帰ってきていなや、パチュリーからの同情の台詞をいただいた。
辰巳「本当ですよ…」
パチュリー「まぁこの後はベットに寝るだけだから」
その台詞を聞いて、ホッとすると同時に、あることに気づいた。
辰巳「え…、そのベットってもしかして…」
パチュリー「ええ、私のよ」
案の定だった。
辰巳「それって、変えるのって…」
パチュリー「できないわよ」
デスヨネー
その後辰巳は、渋々と、ドキドキと、パチュリーのベットに入って寝るのであった…。
どでした?
絶対腕落ちてると思うんですよねぇ…。
それと次回は、《中編》になるか《後編》になるか一切わかりません、なので、そこらへんはあしからず。
それではまた…どこかで…




