第12話 魁斗の時間・その悲劇《前編》
最近ドラゴンズドグマに熱中してしまっている不可思議です。
ゲームやるぐらいなら書けって思う方もいると思いますが、ネタがなかったんです…。
でもドグマしたらネタが不思議と浮かんだので書きました。
そのせいかどうかわかりませんが少し、いやかなり変になっております。
そして今回は全部書くと文字数がやばくなりそうだから前編後編とわけさせていただきました。
変な所で切ったかもしれませんが、そこは許してください。
それではどうぞ!
「ごめん…私…もう無理…」
その言葉がキッカケだった。
これは夢。
辰巳にまだ友達がいた時の夢。
一番仲が良かった友達から言われたその言葉、それは辰巳の胸に鋭く、深く突き刺さった。
これが起こった理由は辰巳自身が一番わかっている。
【イジメ】
辰巳の学校ではイジメが少なかった。
だが少ないってだけで、イジメがないわけではない。
学校のイジメグループは見境がなく、嫌われ組の集まり。
辰巳はそのグループから恨みを買っている。
恨みと言っても、単に人助けを繰り返しているだけ。
でもあいつらはそれが邪魔でしょうがないのだ。
その為辰巳にイジメが集中したのだ。
辰巳にはなんともなかったが。
問題はその後だ。
辰巳をなんとか退ける為に、グループは辰巳の周り、辰巳の友達から崩そうとした。
そして最初に標的にされたのがこの人だったのだ。
それでもこの人は最後まで崩れずに頑張ってくれた。
辰巳には心が読めるので隠してもわかる。
そして辰巳はその人を守るために学校にいる時はできるだけ一緒にいて、標的にされないようにした。
そのお陰でイジメはなくなった…と、思っていた。
一時期を置いて、急にイジメがヒートアップしたのだ。
グループは次は《その人》の友達を崩ずした。
崩れてしまった人は、《その人》からどんどん離れていった。
それを機に、あいつら(・・・)が《その人》をけしかけようとした。
《その人》は、支えていたものが全て崩れ落ちたように絶望した。
そして辰巳から離れていった。
その出来事が引き金。
その日を最後に、辰巳の感情がなくなった。
「こんなに悲しくなるなら、もう出会いを作らなければいい」
そう思ってしまったのだ…。
………
……
…
辰巳「………この夢は久しぶりかな」
夢から覚め、僕は体を起こした。
「もう忘れよう」
そう思っても頭から離れない。
最近はからっきし見てなかった夢だったが、今日久しぶりに見てしまったのだ。
未練があるのかな…
辰巳「考えても仕方がないか」
夢の事を考えるのを止め、辰巳は顔を洗いに行った。
魁斗『よっ』
辰巳「うおっ!」
手洗い場の鏡を見ようと覗き込んだら、いきなり魁斗が顔を出してきた。
それで驚き、辰巳は少し飛び退いた。
最近表でも裏でも話してないから何をしているかわからなかった。
魁斗「人の顔見て驚くなよ…」
辰巳「いや流石にあれで驚くなは無理」
誰でもあんなことされたら驚くであろう。
でも魁斗が久々に表に出てきたってことは何かするのかもしれない。
辰巳「で、何の用?」
辰巳は直ぐに用件を聞いた。
魁斗は少しためらうどころか、ヘラヘラしながら言ってきた。
魁斗「体貸して」
その一言、辰巳はそれを理解するのに30秒かかった。
つまりはこの体を使って表をもっと知りたい、ということであろう。
辰巳「いいよ」
魁斗「やけに間がながかったな…;;、まぁ助かるよ」
簡単に許可を出したが一つ問題があった。
辰巳「てかどうやったら貸せるんだ?」
憑依は出来るものの、体を貸すなんてやった事がない。
そして貸したら僕はどうなってしまうんだ?
その問題を、頼んできた魁斗なら知ってると思い聞いたものの…。
魁斗「あ」
ご覧の様子で一切考えていなかったらしい。
本末転倒とはこんな事を言うのだろうか。
いくら考えてもいい案が一切浮かばない。
「ここは私の出番ね」
魁斗「こ、この声は…!」
辰巳「なにこれ茶番?」
茶番です(何
どこかゆったりした声、そして悪趣味なスキマ。
この二つで容易に想像できるであろう。
「そう!八雲 紫参上!」
皆のアイドル(?)ゆかりんさんです。
まぁでも、紫さんなら入れ替える事ぐらい朝飯前だと思いたい。
ミスったらどうなるかわからないから紫さんにはちゃんとしていただきたい。
辰巳「手助けしてくれるのは助かりますがちゃんとしてくださいよ?」
辰巳は紫をジト目で見た。
それを見て紫は噴き出した。
辰巳はそれに疑問を抱き、頭に「?」を浮かべた。
紫「いや、貴方も随分表情豊かになったわね」
確かに、ここにきた時よりずっと笑っているような気がする。
どれもこれも、ここにいる皆が与えてくれたもの、感謝してもしきれないぐらいだよ。
辰巳はほんのり微笑み…
辰巳「僕を変えたのは、あの人たちですよ」
紫「…そうね、貴方の全てを受け入れて、一緒に暮らしてくれたものね」
紫さんも一緒に微笑み。
辰巳はそれに負けないぐらいの笑顔で一言…
辰巳「《あの人》の中には紫さんも入ってるんですよ?」
紫「それは嬉しいわね。…って、本題を忘れてたわね」
僕も完全に頭から抜けていた。
そして魁斗が蚊帳の外であくびをしている。
そして魁斗は「やっと終わったか」と言って近づいてきた。
紫「それじゃベットに寝そべって頂戴、そこら辺でやると顔打つ羽目になるわよ」
僕達は顔を見合わせて頷いてベットに寝そべった。
寝そべった瞬間、酷い目眩と眠気が襲い、僕の意識は途絶えた…。
………
……
…
「んぁ…?ここは………そっか、ここが」
辰巳が来てる場所は、魁斗がいつも居る裏の方。
体もちゃんと入れ替わっている。
身長がいつもより高いせいで歩きにくい。
にしてもそこら辺は真っ暗なのに、自分の手や足はくっきり見える。
どうゆう構造になっているのか不思議だ。
真っ暗かどうか見たら、一つだけ変な所があった。
丸とは言えないいびつな形のスキマ。
スキマと言うより、穴に近い。
辰巳はそれに近づいた。
その穴は真っ暗で、何も見えなかった。
魁斗がいつもここで外の状況を確認してたのだったは、今はどうなっているのだろう。
目を瞑っているのか、目は開けているがベットの中か。
そう考えている間に、どんどん穴の中は明るくなっていった…
said 魁斗
「…上手くいったみたいだな」
俺は目覚め、目線がいつもより低いことから、俺と辰巳の入れ替わりが成功したと直感した。
そして、入れ替わるのに少し時間がかかったのか、はたまた俺が長く眠っていたのか、時刻は昼前、辰巳が目覚めたときから5時間経っていた。
この時間だったら流石に咲夜が呼びに来ると思うのだが…、紫が伝えといてくれたのか…?
魁斗「っといけね、話したことがない奴とはいえ、迷惑をかけるわけにはいけねぇ」
俺はすぐさま、タンスから執事服を出し、着替え始めた。
いつも辰巳の様子を見てるから、どこに何があるのかは大体わかる。
魁斗「よしっ、っとと、忘れてた」
着替え終わったが、俺はまだ忘れてることがあるのに気付いた。
置いてあった場所は確かここだったよな…。
魁斗「あった!」
俺が探してたのは、ヘアゴム。
辰巳はこっちに来てから一切髪を切ってないので、ショートヘアーだったのがいつの間にかロングヘアーになっていた。
辰巳は気にしてないが、俺にとっては邪魔でしょうがない。
ヘアゴムなんて使ったことがないから、結構苦戦した。
魁斗「よし、こんなもんか」
髪の結び方なんて知らず、結果的にポニーテールになった。
にしても長い、普通人はこんな短期間でこんなに伸びるはずがない。
栄養バランスとかが関わってるのか…?
いやそれは違うやつか。
そんなどうでもいいことを考えながら、脱いだ服を担ぎ、洗濯カゴに放り込んだ。
この部屋は、外見は小さいはずなのに、中は驚くほど広い。
一つ一つが一つの立派な家に思えてくる。
まぁ住んでた家はアパートだったから実際の大きさはわからんが。
ここでする事は大体終わったから、俺はドアを開け、一番下の階の台所へ向かおうとした。
けど、ドアを開けた瞬間、その行動が不可能な事に気付いた。
ここには妖精メイドがざっと見積もっても100はいる。
そしてその全員の心の声が、魁斗の中に入り込んでいく。
魁斗「う…あ"ぁあ"ぁぁ…」
頭がパンクしそうだ、外から突き刺さる感じではなく、中から圧迫されていく感じ。
それは魁斗も昔あった現象。
でもそれから数十年辰巳の中に入って心を読むことがなかったから、慣れなどとうのとうに吹き飛んでいる。
俺はただ呻き声をあげるだけで、立つこと、動くことができなかった。
視界がどんどん暗くなり、ついには意識を失った…。
視点 辰巳
辰巳「魁斗!魁斗ぉ!!」
魁斗が意識を失い、穴が暗くなってしまった。
あの現象で気絶したってことは、鼓膜が破れかけて、脳が刺激されてると言う証拠。
どうしてその可能性に気づかなかったんだ!
辰巳は必死に魁斗の名前を呼んだ、でもそんな声が今の魁斗に届くことはなかった…。
辰巳は必死に裏から表に出るためにもがいている。
辰巳「透視【エコロフィスト】!」
これは探索ようスペル、暗い所でよく使う。
音の反響で何処に壁があるのかを確かめる。
この部屋に壁はないと思ってたけど、あったみたいだ。
壁があるとわかった辰巳は、すぐさま次のスペルを取り出した。
辰巳「激突【烈火槍】」
昔咲夜さんに使ったスペルを取り出し、唱えた。
壁に強くぶつかれば壊れるだろう、と思ったからだ。
でも、そう簡単にことが進むことはなかった。
この空間の壁には、傷一つ付いてない。
辰巳「どうして、どうして!」
魁斗がピンチなのに、何もできない自分に腹がたつ。
辰巳は悔しくて床を強く叩いた。
その瞬間だった。
辰巳の目の前に、一つのスペルが現れた。
そのスペルは、自分の支える主人、レミリア・スカーレットのスペル、【スピア・ザ・グングニル】。
どうして出てきたのかはわからない。
けど、これがあればここを抜け出せると、直感的に悟った。
辰巳「我が主、貴女の力、お借りさせていただきます…」
【スピア・ザ・グングニル】
今回は紅魔館の一つ下の階とか言ってましたよね?
何階か知りたい人がいるのかわかりませんが、次の話は紅魔館説明編です。
絵とかはれたらもっと詳しく説明できるんですがねぇ…。
はれたとしても絵が壊滅的に下手だから無理ですけど。
それでもまぁ…、説明します。
それじゃまた〜。




