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蒼い吸血鬼  作者: 不可思議
12/26

第10話 紅魔館の執事・その苦労

今回のは長めなのかな?


ネタがないんですよねぇ…


まぁどうぞ

レミリア「辰巳を執事にしようと思ってるの」


辰巳「………え?」


と言う訳で、僕は現在進行形で執事をしている。

そして執事になった瞬間、レミリアさん達に色々指摘された。


「もっと胸を張りなさい」

「口調も男っぽく」

「僕じゃなくて俺の方がいいですね」

「一緒に遊んで〜」


こんな感じになっている。

てゆうか…


辰巳「皆さん、一斉に喋るのはやめてもらえます?」


『その口調がダメなのよ』


朝からずっとこの調子である。

こっちは既に疲れてきてしまった。


てゆうかさっき意見とは全く別の事を言っていたような気がする。


辰巳「まぁ兎に角、敬語をやめるってことでいいですか?」


兎に角話を終わらすために、結論を出して話を切ろうとしている。


結局それに定着して、全く慣れないタメ口を実行中。


………

……


レミリア「辰巳、お茶」


辰巳「わかりま…っとと、わかった」


この通り、どうしても敬語が出てきてしまう。

正直自分の気を使う癖は呪いの域だと自覚している。


「ドーン!」


途端、後ろから誰かが突っ込んできた。

誰かが、と言っても、誰かは明確となっている。


辰巳「フラン、仕事中だから遊ぶのは後でな」


そう、フランである。

何故か最近、ちょくちょく抱きついてきたりする。

女心はいつまでたっても理解しがたい。


僕はタックルされた背中を摩りながら、フランを抱き上げ、肩車をして仕事を再開した。


そして、レミリアさんがジト目で見てきている。


どうしたのだろうか?


レミリア「辰巳って、妙にフランに優しいわよね」


と言われた。

それにはある理由があるのだが、今はまだ言えない、また…ここの空気が、雰囲気が悪くなるから。


辰巳「意味もないのによそよそしくしたら、間が悪くなるでしょう?」


兎に角ここは方便を使って逃げた。

レミリアさんは、少し怪しんだが、無駄と思ったのか、ため息をついた。


レミリア「そうね、貴方はそうゆう人だったわね…。とゆうか、敬語!」


辰巳「あ」


気を抜くといつもこれだ。

この調子だと、敬語が抜けるのはいつになるのやら。


そんないらない心配を抱えながら、お茶を汲み終えた。


辰巳「どうぞ」


レミリア「ありがとう。んくっ…、フランと接してる様にできないのかしらね…」


お茶を飲みながら、レミリアさんは不満を呟いた。


辰巳「目上の人です…だからな、これはしょうがない」


そのセリフに、フランが反応した。


フラン「え〜、じゃあ私は目上じゃないの〜?」


フランは、自分が年上だと思われていないと思って、ご立腹だ。


下手に言葉をかけると逆に起こる気がしたが、「フランなら大丈夫」、と言う変な自信があった。


辰巳「今は違うかな。俺に勝ったら年上として見てやるよ」


僕は意地悪な笑顔を見せ、フランの頭をくしゃくしゃと撫でた。


フランは気持ち良さそうし「ん〜♪」と言いながら、思い出したかのように言った。


フラン「辰巳に勝てないから無理だよ」


それは高く見過ぎ、と思ったが、その言葉はあえて言わずに、他の言葉を選んだ。


辰巳「そんな事はないよ、可能性は無限大って言うしな、いつかは勝てるよ」


そんな話をしている僕らを見て、レミリアさんが一言。


レミリア「シュールね」


確かに、今はフランを肩車しながら、頭を撫でているから…確かにシュールかもな。


そんな事を考えながらも、まだフランを肩車しながら仕事に向かった。


………

……


フランには部屋に戻ってもらって、今は廊下を歩いている。


奥の方に、妖精メイド荷物を持ちながらフラついている、僕はすぐさま走りかけた。


妖精「おととと…んっと…あわわわわ!」


こけそうなところを、何とか片手で飛んだ荷物を受け止め、妖精の方も抱きとめた。


辰巳「大丈夫?」


荷物の方を床に置き、ケガがないか確認する為に同じ目線にしゃがみ込んだ。


妖精「あ…えっと…大丈夫、です」


妖精メイドは、少し顔を赤らめながら、大丈夫と言ってくれた。

大丈夫だと確認できたので、妖精メイドの頭を撫でて笑顔で言った。


辰巳「重い荷物を運ぶ時は、2人以上で運んだり、最悪俺に言ってくれたらやるからさ、無理だけはしないでね」


頭をポンポンと叩いた瞬間、妖精メイドは煙を出しながら倒れ込んできた。


辰巳「叩くのそんなに強かったかな?」


そんな事を呟きながら、妖精メイドをお姫様抱っこで抱えて、ベッドまで運んだ。


………


咲夜「どうしてここにダンボールが?」


………

……


妖精メイドをベッドまで送り、今は昼食を作っている。


さっきは何故か周りが妬ましそうに見てたきがするのだが、何故だろう?


因みに僕は、1品だけ作るって事になっている。


辰巳「よし、できた」


一応できたので、レミリアさん達の元へ運んだ。


いつもは咲夜さんが時間を止めて作っているらしいが、今回は僕がいたので、時間を止めずに作ってくれた。


レミリアさん達がいる机の上に料理を乗せていった。


そしてレミリアさんが料理を見て一言言った。


レミリア「これ、なに?」


それは、僕が作った料理だった。


レミリアさんは、それを見た事がないらしく、ジロジロとその料理を見ている。


辰巳「それはエッグベネディクトです、卵料理の一つです」


レミリアさんはその一言を聞いて、綺麗にナイフとフォークで捌き、一口食べた。


最初は、食べた後に、直ぐ飲み込んだが。二口目は、ゆっくりと味わいながら飲み込んだ。


レミリア「おいしいわね、辰巳は料理もできるの」


レミリアさんから「おいしい」と聞けたので、とても満足だった。


久しぶりに作ったけど、うまくいったらしい。


辰巳「一人暮らしだったからな、久しぶりに作ったけどうまくいってよかったよ」


レミリアさんは納得したように頷き、その後に「ん?」、と言って首をかしげた。


レミリア「やっとその口調に慣れたのね」


敬語を使わない口調に慣れて、喋ったらすぐ気付いてくれた。


レミリアさんはその口調に満足して、「うんうん」と言って微笑んでいる。


とってもご満足のようだ。


レミリアさんがご飯を食べ終わって寝るために部屋に戻った。


吸血鬼はさっきのが夜ご飯なのだ。


僕は食器を洗ってから、次の仕事に向かった。


………

……


「男を落す100の方法…誰でもできる催眠術…二次会で滑らない方法…」


次の仕事は図書館の本の整理。

さっきから変な本ばっかり片付けている気がする。


しかもここ、図書館にいるパチュリーさんは…


パチュリー「………」パラッ


凄く読むのが早い。


文字だらけなのに、10秒で1ページめくっている。

まさに本の虫だ。


辰巳「ダンゴムシでもできるバイトの本…友達との話題ベスト20…相手の目の誘導方法…」


やはり片付ける本は変なのばっかり。

パチュリーさんはこんなのを読んでいるのか?


そんな事を考えてる時に、出口の方から勢いよくドアが開く音が聞こえた。


紅魔館にそんな荒々しい事をする人はいないので、外の人だろう。


錠【クロック】


一応、最近パチュリーさんに教えてもらった、鍵のないドアに鍵をかける魔法を使って、ドアに鍵をかけた。


そして、もう一つ教えてもらった魔法を唱えた。


その魔法は、魔法の鍵を、魔法で解除されないように、暗号をかけた。

その暗号は、ロシアで永遠を意味する言葉、Навсегда。

それを選んだのは、単に頭に浮かんだからである。


これで少しは足止めできるであろう。


安心した僕は、本を整理する作業に戻った。

途端、遠くの方から弾幕の発射音、爆発音が響いた。


煩いので、能力で自分の周りを無音にした。

手伝わないのかって言われても、こんな弾幕の中、本に当たったら燃えるだけじゃ済まない。


僕は本を全部、音で守った。

音の壁は、コストが高く、今の僕では、精々この図書館の本の5分の1。

でも、弾幕の威力を吸収し、跳ね返すゴムの様な音で守った。

これならコストは10分の1。

ただ弾幕以外が触るとシャボン玉のように弾けるのが難点。


ここまでしたら大丈夫だろうと思って、僕は本を整理する作業にやっと戻った。


………

……


本を整理し終わって、レミリアさんの元へ行ったら凄い光景が目に入った。


「あれさえ無ければ…あれさえ無ければ…」


魔理沙が縄で縛られ、何かブツブツ言っている。

その横には、怒っているパチュリーさんがいた。


恐らく、図書館に入って色々やらかしたのは魔理沙であろう。


遠くの音を聴きとればわかっただろうが、弾幕の音、爆発音、耳が悪くなる。


パチュリー「今日こそ捕まえたわよ。貴女は今日から1ヶ月紅魔館のメイドになってもらうわよ」


どうやら魔理沙はよく紅魔館に来ては何かやらかしているらしい。


魔理沙は明らかに嫌な顔をして、頭を大きく振った。


魔理沙「それは嫌だ!」


魔理沙の反抗に、パチュリーさんはニタリと笑い、魔理沙に本を見せた。


その本のタイトルは、監禁魔法 上位編。


パチュリー「このページを見てみなさい、貴女ならわかるわよね?」


パチュリーさんが見せたページに書いてある言葉は、まだ魔法初段ぐらいの僕でも読める文字。

そこに書いてあった言葉は、簡単に言えば、「結界と魔法を用意し、結界を張る、魔法をかけられた者は、結界から出られなくなる」。


その文字を見て、魔理沙は暴れ出した。

でも魔理沙が縛られている場所は柱、逃げることはできなかった。


そしてやっと僕の存在に気付き、顔を明るくした。


魔理沙「辰巳、助けてくれ!頼む!」


命乞いをしているが、僕は笑顔でこう言った。


辰巳「一緒に頑張りましょうね」


魔理沙の顔は、一気に青ざめた。

そして、その笑顔に恐怖を抱いた。


………

……


レミリアさんの元へ行ったのはいいけど、レミリアさんはまだ寝ていたので、僕はレミリアさんが寝ているベットに座り、起きるのを待った。

頭を撫でながら。


レミリア「すぅ〜…んっ…くぅ〜…」


にしても、何の悩みも無いように寝ているな。

前に咲夜さんが言ってた言葉、「あるじの幸せは従者の幸せ」、その理由がわかったきがする。


レミリア「ん…ふあぁ〜…」


そんな事を考えていたら、レミリアさんが起きた。

そして目が合った。

レミリアさんは少し固まり、キッチリ5秒経ってから…


レミリア「み…みゃ〜!?」


悲鳴をあげた、それも猫みたいな。

念のためこの部屋からは外に音が漏れないようにしといてよかった。


レミリアさんはバタバタと走り回り、「みゃ〜!みゃ〜!」と言っている。

何故みゃ〜なのか、そこはわからない。


そしてレミリアさんは自分の足に引っかかり、転けた。

僕は直ぐレミリアさんの元へ走りかけた。


辰巳「大丈夫ですか?」


顔を近づけ、顔に傷が付いてないか覗き込んだ。


レミリアさんの顔は少し赤めで、風邪をひいているのかと心配になるぐらいだった。


そして更に顔を赤くしたレミリアさんが一言。


レミリア「うるさい!うるさい!うるさい!」


その言葉を残して、レミリアさんは走り去った。


辰巳「…今日は色々あったな〜」

次回は特別編か秋に移行します。


それじゃまた〜

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