第8話 宴会・その笑顔
投稿遅れました。
色々あったので書く時間がありませんでした。
今回は宴会です。
それではどうぞ!
朝。
僕は目を覚ました。
日の傾きからして7時ぐらいであろう。
辰巳「ここ…どこ?」
まだ寝ぼけていて、自分が何処に居るかがわからない。
木材で作られた家、外に置いてあるのはお賽銭箱。
この二つのキーワードで、自分の居る場所がわかった。
博麗神社
恐らくそれで合っているはずだ。
そして、居場所だけを知ろうとしていて、ある事を考えなかった。
そう、どうしてここに居るのか、その事を考えるのを忘れていた。
「やっと起きたのね」
考え込んでいた僕の耳に、そんな声が聴こえた。
辰巳「霊夢さん?」
そう、霊夢さんだ。
霊夢さんなら、僕がここに居る理由を知っているはずだ。
辰巳「霊夢さん、僕はどうしてここに居るんですか?」
それを聞いた時、霊夢さんは「やっぱり」、と言った。
僕はその言葉に疑問を抱いた。
辰巳「やっぱり?」
霊夢「こっちの話よ、気にしないで」
それだけ言って、霊夢さんは歩き出した。
襖を開けてから振り返って霊夢さんは言った。
霊夢「ここに連れてきたのは私じゃないわよ。知りたいなら、紫に聞きなさい」
そう言って、霊夢さんは行ってしまった。
考えてるだけじゃどうしようもない。
僕はそう思って立ち上がった。
紫さんの場所に行くために。
ここに来て気付いた。
今日はいつもより騒がしい、と。
何か特別な行事でもあるのだろうか?
僕は襖に手を掛け、開けた。
そこには、沢山の人達が居た。
お酒を飲み、楽しく話す。
恐らく宴会であろう。
僕は兎に角、紫さんを探した。
部屋の片隅に、紫さんともう一人、耳と尻尾が生えた人がいた。
そして紫さんは、ベロンベロンに酔っている。
時刻はまだ朝の筈なのに、酔っている。
僕は状況を理解できないまま、紫さんに付き添っている人に話しかけた。
辰巳「あの、どうしてこんな事に?」
もう一人の人は、顔をしかめた。
「む…誰だ、ここら辺では見ない顔だが」
僕は驚いた、紫さんの知り合いなら僕の事を知っててもおかしくないと思ったのだから。
僕は慌てて自己紹介をした。
辰巳「望海 辰巳です。最近幻想郷に入ったばかりの者です」
名前を言った途端、今度は相手の人が慌てだした。
「あぁ、すみません!辰巳さんでしたか。紫様からよく話は聞いております。私は、八雲 藍。紫様の式神です」
とても良い人だった。
最初は怖い人かと思ったけれど、とても丁寧で、礼儀正しく、自己紹介を返してくれた。
辰巳「驚かせてすみません…。それより、紫さんが僕の事をどう言ってましたか?」
興味本位で聞いてみた。
藍さんは、迷わずに、直ぐに答えてくれた。
藍「青髪の、かわいい子、が入ったと言ってました」
かわいい、という言葉に反応して、もう一つ聞いた。
辰巳「因みに、性別はどちらか聞きましたか?」
その言葉にも、直ぐに答えた。
藍「はい、女の方ですよね?」
その言葉に、ショックを受けた。
辰巳「あの…僕、男です…」
その言葉を聞いて、藍さんは驚いた。
僕はそんなに女に見えるのか?
昔から周りの人から、貴方、ではなく、貴女と呼ばれてる様な気がしていたのは、間違いじゃなかったのかな?
藍「すみません!紫様から女と伝えられてたので…」
僕は紫さんを睨んだ。
その人は、酔って寝ている。
辰巳「はぁ…」
僕は溜息を吐いた。
藍「ご察し致します…」
藍さんの同情がやけに虚しく響いた。
「たぁつぅみぃ〜!」
いきなり後ろから抱きつかれた。
あまりの強さに、背骨が4、5回鳴った。
よく見たら、その人物はフランだった。
フラン「えへへ〜♪」
これ、酔ってる?
「妹様!」
この状況を見て、1人の人が走ってきた。
その人物は、僕がよく知っている人物。
辰巳「咲夜…さん?」
そう、咲夜さんだ。
僕が咲夜さんの名前を言ったら、咲夜さんは驚いて、抱きついてきた。
僕は苦笑していった。
辰巳「貴女もですか」
咲夜さんの顔は、一瞬にして、涙でクシャクシャになった。
僕は咲夜さんの頭を撫でた。
咲夜「よかった…。無事で…よかった…」
僕は咲夜さんに言った。
辰巳「心配さしてすみません…。もう、どこにも行きませんから…」
僕も咲夜さんを抱きしめた。
「いい雰囲気の所悪いけど、目立ってるわよ?」
そんな言葉をかけてきたのは、今回の異変の元凶、レミリアさんだ。
そしてその言葉をかけられて気付いた。
周りの皆が僕達を見て盛り上がっている。
僕と咲夜さんは、顔を赤らめて、離れた。
レミリア「まぁ感動の再会ですし、しょうがないわね」
レミリアさんは、僕達を見て面白がってる。
辰巳「レミリアさぁん…」
僕は服で顔を隠して、レミリアさんを見た。
レミリア「っっ…!?」
レミリアさんは僕の顔を見た瞬間、顔を逸らした。
何故だろう?僕はそう思った。
「なんとか元通りになったみたいだな」
そんな僕達を見て、眩しい笑顔を見せてくれた人がいた。
辰巳「ご迷惑かけてすみません。お陰様で.いつも通りに戻りました、魔理沙さん」
そう、魔理沙さんだ。
僕の悩みを聞いてくれて、背中を押してくれた、優しい人。
魔理沙「迷惑、だなんて思わないことだな。私がそうしてやりたいと思ったからした事だ。まぁ、霊夢がどうなのかは、わからないけどな」
魔理沙は、霊夢さんをチラッと見た。
霊夢「紫があんなに楽しそうに貴方の事を話すもんだからね。私も心から「助けてあげたい」と思えたのだから、貴方相当よ?」
霊夢さんの言葉を聞いて、魔理沙さんは「自分で言うなよ」と言って笑っている。
あぁ…やっぱり…僕はこの空気、この感じが好きだ…。
気付いたら、僕も笑っていた。
霊夢「それより咲夜、あの子、ほったらかしだけどいいの?」
霊夢さんが指した人物は、フランだった。
咲夜「あぁ!妹様、すみません!」
咲夜さんは、直ぐにフランの元に駆けつけた。
周りの皆も、笑い出した。
それに安心したのか、僕は倒れてしまった。
意識も、一瞬で飛んでいった。
視点 霊夢
辰巳が倒れた。
咲夜「辰巳さん!?」
咲夜はフランを抱えながら、辰巳の元に駆けつけた。
霊夢「張り詰めていた物が、切れたみたいね。ここまま寝かしてあげましょ。それに…こんな幸せそうな笑顔で寝られたら、起こす事もできないしね」
私は、笑った。
皆は、辰巳の顔を覗き込んだ。
辰巳の顔は、今までに見た事のないような笑顔。
その笑顔に、まわりの皆も笑った。
どうでしたか?
結構いい感じにできたと思うんですが…
次回は紅魔館編。
辰巳に変化があるかもです!
それじゃまた〜( ̄▽ ̄)




