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パンドラの箱

それを安心してみていた二人の頭上に突如真継が空に立ち語りかける。

「船の中をうろついていた時に見つけた。少々強いのがいるようがいるようだ。

復讐者だ。それには答えないとな、悪いが後は任せるぞ、」

そういうと真継は幻手甲に込めたエネルギーを黄金刀に込め構える。

大気が震えるというのはこのようなことを言うのだろう。

サスケも、ミヒャエルもあまりの禍々しさに言葉を失う。

「天撃:外道技、斬」

真継が、大きく息を吸い、そう口にする。

次の瞬間、爆音とともに母艦を真っ二つにし、吹き飛ばす。

その斬撃の衝撃で、離れていたにもかかわらず、二人は吹き飛ばされそうになり、斬撃の方向にいた機人は斬撃に伴う雷撃に巻き込まれ消滅する。

真継は落下する母艦の上に飛び乗るとそれと一緒に落下していく。

「おいちょっと待て!まだかなりの数残っているだろ!あれはどうするんだ!」

ミヒャエルが、音で聞こえないだろう状況で真継に向って叫ぶ。

「知るか!」

真継は落下しながら、幻手甲の力により雷化した事で、大気に満ちる静電気を通じ、千里眼の如きに広がった超感覚で狙いを定め、黄金刀をはるか上空、山の山頂に投げつけ見事山頂におかれた真継の鎧箱に命中させる。

そして真継は幻手甲に残ったエネルギーをすべて使い、上空の雲に向けて放つ。

「これでいいか!」

「なにがこれでいいかだ!どうせなら敵にあてろ!」

「いいか下手に動くなよ!中にいるのはたぶんそういう類のものだ。

だから何もしなければ、万事が問題なしだ。動けば死ぬかもな!気をつけろよ」

再興にテンションがハイな真継は笑いながら見えない場所まで落下していった。

「そうか、なるほど、真継が頭使えるとは」

「は?」

「さてさ、来るぞ、来るぞ、鬼が出るか、蛇が出るか、狂楽だ。鬼しか出ないだろうな」

サスケはに笑い。見えもしない山頂を眺める。

一方、状況について行けず、一人置いて行かれたミヒャエルはこの基地に待機する軍人や、先ほどとらえたカーク一派同様に、目の前の惨劇に目が奪われている。

吹き飛ばされた母艦の破片が雨の様に、母艦の巨体がまるで山が落ちていくように落ちていく。そして一しきり母艦が落ちると、その先に見えるのは機人だ、この惨劇を避ける為に距離を置き様子を伺っていたやはり相当数残っている。

しかも今まで見た機人よりも二回りほど大きく、威圧感も違う者までいる。

「サスケ!!」

ミヒャエルが、サスケに状況の説明を現状の打開策を求めようとした時、

あたりがまるで晴天の昼間の様に一瞬明るくなり、その次にものすごい爆音が響く。

今までの人生で聞いたどんな音よりもはるかに鈍く鋭い音。

大きさで言えば今辺りに響く爆発と、落下する母艦の墜落音の方が大きいが、

それよりも確かに、確実に耳に届く。そういう矛盾をはらんだ。落雷の音。

神の鉄槌そう言われてもナックするほど激しい落雷。

「流石は都姉さんの刀、あれだけの落雷に絶えるか、黄金はこの為にか」

「さ、サスケ!ほんと説明!!端的に説明しろ!

あとこの状況どうするんだ!流石にこの状況は策なしだぞ」

落雷に気を取られた機人が体制を整え、こちらに攻撃しようとその鋭い刃を砲身をこちらに向けている。足場が悪く、逃げ場の少ないこの状況では回避は不可能。

「死にたくなければ動くな、それだけです。

あれは熱量の高いものから襲うように設定されてますから、先に向こうに行くでしょうが、何があるかは分かりませんから、来ますよ。とんでもないのが、」

「とんでもないもの?」

「真継が背負っていた鎧箱、あの中に入っているのは真継が着るための鎧なんかじゃない。

あれに入っているのはケレス最高の技術者。絡繰造子狂楽の最高傑作にして、第六天魔六狂工の唯一の合作、特式:銀河。全ての機人の超える機人だそうです」

「機人を超える機人」

「そう、ただ一つ、真継を殺すという目的の為だけに作られた狂人たちの狂気の結晶。

ですが、なぜか正常に起動することなくずっと真継の背中にいた。

あれはあの箱の中でも進化し続けていた。常に真継を観察し、真継を殺せるように。

つい先日確認した所、既に中では銀河は完成していました。ですが、度重なる進化により、通常のエネルギーでは起動しない化け物になってしまっていた。だからこそです。

起動させるために圧倒的なエネルギーが必要だった。そこで自然界の雷を使うつもりでこの山に持ち込み最後の神頼みとして置いてく予定だったんですが、どうやら真継、馬鹿の癖にこういう事にだけは頭が回るようだ。あの船のエネルギーを雷雲化した雲の中で開放し、半強制的に通常では起こりえない帯電量の雲にした、そこにさらに、幻手甲のエネルギーを直接たたき込んだ。あれ自体が雷のようなもの、ほどなく雲は限界を超え雷を落す」

「?」

「つまりは、勝ちだという事です。あれが勝手に戦いを終わらせますよ」

『人撃:是非問答』

どこからともなく、声が聞こえる。大きな声ではないが、確かに全員にその声は聞こえ、

そして、サスケ以外、今まで体験したことのない寒気を感じ、余裕が消えた。

そして次の瞬間、それは起こった。空から星が降ってくる、小さい星、まるで雪が降るように輝く何かが空から落ちてくるそしてそれがなんなのか理解する前に、続けて一面を光の線が舞う。それはその星に反射し、無数刃となって機人を貫いてく。

それだけの数、躱せるはずもなく、これだけの速度を貫く前に認識できるわけもなく。

まさに一瞬、それですべてが終わった。


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