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首都襲撃③

一方ミヒャエルたちは首都を脱出し、ラディア山脈中腹にあるフロッカスの国境警備基地を目指していた。

途中爆発音に振り返ると闇夜に首都が赤く燃え上がる様子が見て取れる。

「私たちの、、私たちの街が、、、」

「今は逃げよう。君たちは生きている、大丈夫、君たちの大切な人たちは生きている。街はまた作ればいい」

動揺するお付きの物たちに大公は声をかけ、ラディア山脈を目指す。

その道中、先行して脱出していたカーク達と合流する

「大公ご無事で何より、ミヒャエル殿もご苦労であった。

さ、大公はこちらに、貴公は早くアラビスに救援の報を、」

「カーク殿は大公様を連れてどちらに?」

「それはもちろん大公を安全な場所へ、安全上の問題故、貴公であれその場所をお伝えする事は出来ません」

「それでは大公をお任せする事は出来ません。明日の朝には首都が陥落。そうなればケレス軍はそこを拠点にフロッカス全土に再侵攻を開始するでしょう。そうなった時にフロッカス国内では大公が見つかる可能性だってある。

それこそ、わが身可愛さに大公を差し出す輩が出て来てもおかしくはない」

「な、き、貴公は我らを信用できないと、」

「直接あなたを信用していないわけではありません。

カーク殿をはじめ、皆さま、ケレス侵攻の折にお命を落とされた公王や、先代の大公様にお仕えされた方々。自分などが言うに及ばずです。

ですが、皆様のお顔は国中に知れ渡っております。そのような皆様がこの状況下で目撃されれば、それだけで国民皆が、そこに大公様がいらっしゃると気付かれてしまいます。

それよりは事前の最終防衛線としてラディア山脈には我が国の精鋭をはじめ、フロッカスでも長年国境警備にあたっていた者たちを終結させております。

ラディア山脈の基地は堅牢、しかも現在は雨が降り続き、視界も悪い、ケレスと言えど、基地の存在に気付くだけでも一苦労です。

もし、後2日、いや1日あれば真継をはじめ、海岸線の部隊がこの状況に気付きます。

それに私の国からも救援が到着いたします。そうなれば逆転の目は大いにある」

「だが、ラディア山脈は険しい。大公にそこを登れなどというマネは、、、」

「構わない。私は、ミヒャエルとともに行く、」

「大公、、なぜ、それにこの悪天候では皆の体力も、、」

「皆には無理を強いる形にはなるが、安心してくれ、皆の安全は私が保証する。

どうかついて来てはくれないだろうか」

大公に逆らう事の出来る者はなく、またこれ以上大公に異を唱える者はなかった。

ケレスに軟禁されていた時も大公は皆の安全を保障するために尽力していたことを知っている。故に誰もが大公に恩があり、また大公程、信頼のおけるものはいない。

「という事です。流石は大公様、見事な人望です」

「そんな私が、君を信じているのだ。期待に応えてくれよ、ミヒャエル」

「はっ!」

「、、、、分かりました、それでは、おい、」

カークは部下数人に命令し、道中の警護を命令する

「カーク殿は来られないのですが?」

「私にはまだやるべきことがある、先に行ってくれ。私も後から追いかける。

大公くれぐれもご無事で、」

「あぁ、カークも、私には、お前が必要だ」

カークと別れ、ミヒャエルたちはラディア山脈に足を踏みいれる。

予想はしていたが山の雨は激しく、視界を奪われ、夜を徹しての逃亡劇で消耗した体力には酷な状況だ。足場も悪くいつ落石が起こってもおかしくはない。

「待て!!馬から降りろ!!」

先行するミヒャエルに対し大公が声を荒らげる。

その言葉に反応しミヒャエルは素早く馬から飛び降りる。

すると直後、緩んだ足場が崩れ、馬は遥か下へ落下していく。

「まだだ、動くな!」

そして続けざまに落石、それほど大きなものではないが、動いていれば当たっていた。

「ありがとうございます」

「何、礼には及ばない、見えただけだ」

「これも神託のお力ですか?」

「あぁ、時間も距離も近いものであればある程度見ることが出来る、ただ自分以外の物の危機が見えるは珍しいそれだけお前の存在が私にとって重要だという事だろう。

しかし、どうしたものか、道がなくなってしまったな。

迂回しようにもこの場にいるものでここに詳しいものはいないからな」

「大丈夫、自分は小さい頃、ラディア山脈近くの村で育ちました。ここはフロッカスとは言え、昔は国境を気にする事がなく、自由に山を歩くことが出来ました。

この辺りなら着た事があります、少し遠回りにはなりますが、少し戻って、迂回できます」

ミヒャエルの案内に従い、大公たちは山を登る。そしてちょうど目的地半ばほどで、基地に駐留する軍と合流に成功した


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